「おじカワ」も話題!眞島秀和、男同士のワチャワチャで輝き

眞島秀和(写真は2019年撮影)
眞島秀和(写真は2019年撮影)

 「サウナーマン~汗か涙かわからない~」(2019)に続く主演ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」(読売テレビ・日本テレビ系)が放送中の眞島秀和(43)。俳優デビューしてから約19年だが、舞台、ドラマ、映画など出演本数は驚くほど多い。そんななか、「おっさんずラブ」シリーズや大河ドラマ「麒麟がくる」などで近年注目度を増しているが、その要因はどこにあるのか? 彼のキャリアを振り返りながら考察する。

【写真】パグ太郎と一緒!「おじカワ」第1話

 「おじさんはカワイイものがお好き。」は、ツトムによる人気漫画が原作で、眞島はカワイイものが好きなことを隠して生きる、クールでダンディな「イケオジ」こと小路三貴(おじ・みつたか)を演じている。初回を観た時点では、原作ではごく普通の男の子として描かれている甥が、なぜか中性的美少年であるあざとさや、部下の女性社員たちが極端に仕事をしないこと、展開がやや冗長であることなど、少々気になる点はある。とはいえ、小路がカワイイものに反射的にときめいてしまいつつも、その思いを必死で押し殺すさまは、「トクサツガガガ」(NHK・2019)の男版のようで、ちょっぴり切なく、愛おしい。

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 また、小路を一方的にライバル視し、何かとつっかかってくる「ワンレンメガネ」の「ネコちゃん好き」の鳴戸渡にふんする桐山漣は、ヒステリックにハジけまくっているし、小路の会社の取引先のアートディレクター・河合ケンタを演じる今井翼は、ワイルドで男くさい中に奇妙な愛らしさを漂わせている。

「男同士のワチャワチャ」に欠かせない存在

 しかも、そんな今井翼も名を連ねる「麒麟がくる」において、眞島は谷原章介演じる三淵藤英の異母弟で、光秀(長谷川博己)の盟友となる細川藤孝を演じている。鉄砲を求めて上京した光秀と本能寺で出会い、不審に思って斬りかかったところ、応じた光秀の太刀筋が藤孝と同じ流派であることに気づいた足利義輝(向井理)が藤孝を制止する。この出会いがあまりに美しく、華麗であったことから「イケメン大渋滞」「塩イケメン対決に新たな塩イケメン登場」などと視聴者は大いに盛り上がっていた。

 さらに、藤孝が光秀を見舞うシーンがあったり、藤孝と光秀の共闘シーンが描かれた際には「二人の初めての共同作業」と盛り上がったりする声が続出。確かに絵になる二人だが、それにしても眞島は、どういうわけか近年、「男同士のワチャワチャ」に欠かせない存在となっている。何故なのか。

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 おそらく多くの人が眞島を思い浮かべるきっかけは、「おっさんずラブ」で演じた主人公・春田(田中圭)の上司であり、春田の恋人となる牧(林遣都)の元カレ・武川政宗だろう。

 しかし、2018年4月期放送の連ドラ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)の序盤では、牧の元カレであることがわかっていなかっただけに、理知的でスマートな武川が登場するたび、田中圭と林遣都、吉田鋼太郎の三角関係に彼が加わってくることを期待・妄想した人が多かった。結果的にこの妄想は、後に現実の展開になるわけだが。

同性愛者役で見せた“豹変”演技

 ところで、最初から武川を「クールそうに見えて、熱い情熱・愛情を秘めていそうだ」と多くの人が感じてしまったのは、おそらく眞島の演技に加えて、その前クールに放送されていた「隣の家族は青く見える」(2018年1月期・フジテレビ系)での面影と重ね合わせた人が多かったからだろう。

 「となかぞ」で演じたのは、深田恭子松山ケンイチ夫妻が住む「コーポラティブハウス」の住人で、北村匠海演じる青木朔と交際している広瀬渉だ。自分が同性愛者であることを隠しつつも、朔に「わ~たるん♪」と甘く呼ばれると、思わず目尻を下げてしまう姿は、観ている側がテレてしまうほどに多幸感に溢れていた。

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 さらに、男たちの中で輝く作品として、忘れてはいけないのが、彼のお茶の間的認知度を一気に高めた朝ドラ「ゲゲゲの女房」(2010)である。演じたのは、漫画家・村井茂(向井理)の才能を発掘する情熱的な漫画編集者・豊川悟。男ばかりのむさくるしい編集部で、ランニングが透けて見える白いワイシャツ姿に汗をにじませながら爽やかかつ情熱的に仕事をこなす「デキる男」ぶりは、彼だけが発光しているほどに眩しかった。極貧生活にある村井の才能を発掘し、育てて上げる頼もしさもプラスされ、神々しい存在として記憶されている。当時、「ゲゲゲ~」の魅力を友人の編集者と語り合った際、話題が豊川編集長に及ぶと、熱く握手を求められたものだ。

キャリアの転機

 眞島の演技の出発点は、学生時代。自主制作で「撮る」側の立場からスタートし、映画『青 chong』(2001)で初主演を果たす。これは『悪人』(2010)『怒り』(2016)などの李相日監督が、かつて日本映画学校の卒業制作として撮った作品で、眞島は在日朝鮮人を演じていた。キャリアは長いが、俳優を本格的に仕事としてやっていこうと決意したのは、30歳のとき。NHKスペシャルドラマ「海峡」(2007)において、敗戦当時の日本で、日本人女性と恋に落ちる元憲兵の朝鮮人を演じ、高い評価を得たことがきっかけとなる。

 さらに、長いキャリアを支えてきたのは、「名バイプレイヤー」として演じてきた、刑事や記者、編集者、医者、仕事のできる上司など、インテリ系や専門職役の数々。

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変態役も似合う

 かと思えば、「変人」「変態」などもよく似合う。例えば、「クロコーチ」(2013・TBS系)では裏組織の創設者を演じ、深夜ドラマ「変身インタビュアーの憂鬱」(2013・TBS系)では、町ぐるみで殺人を隠し続ける閉鎖された町の殺人犯を変態度満点に怪演。大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014)では、織田信長の天敵となる本願寺法主・顕如を、キリリとした細いつり目+凛としたカリスマ的佇まいで魅力的に演じていたし、月9「失恋ショコラティエ」(2014・フジテレビ系)では、主人公(松本潤)が振りまわされる小悪魔的女性・紗絵子(石原さとみ)のDV夫を演じ、話題をさらった。昼ドラ「シンデレラデート」(2014・東海テレビ)では、ヒロイン(星野真里)のストーカーから不倫相手になり、後に結ばれるというエキセントリックな展開を奇天烈に見せてくれた。

回想シーン&遺影が続いた時期も

 また、かつては事故や陰謀で亡くなった人を演じることも多く、「回想シーン」「遺影」の常連でもあった。「アリスの棘」(2014・TBS系)では、ヒロイン(上野樹里)の実父で、同僚に濡れ衣を着せられて殺されたクリーンな心優しい医師を好演。「緊急取調室」シリーズでは、ヒロイン(天海祐希)の亡き夫で、暴漢に殺された正義感あふれる刑事を演じていた。

 長身のスラリとした体型と姿勢の良さ、切れ長の目が与える涼やかな印象に反して、突如としてほとばしる情熱や熱さ。その瞬時に切り替えられる温度差が、数々の「怪演」や「薄幸役」を経て、「男同士のワチャワチャや愛おしさ」というギャップに進化していったのだろう。

 涼し気な目をさらに細めたとき、目尻のしわもあわせて、とてつもなく甘い空気が流れる。そんな彼が先日、新型コロナウイルス感染を公表。体調が不安視されるが、1日も早く回復し、ますますのワチャワチャぶりを見せてほしいものだ。(田幸和歌子)

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