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濱田岳、罵声続きの現場で役にシンクロ

『喜劇 愛妻物語』イベントに登壇した濱田岳
『喜劇 愛妻物語』イベントに登壇した濱田岳

 俳優の濱田岳が3日、都内で行われた映画『喜劇 愛妻物語』(9月11日公開)の公開直前イベントに登壇し、本作の監督がモデルとなった超ダメ夫役のオファーを受けた時の本音を漏らした。この日は、妻役の水川あさみ、娘役の新津ちせ足立紳監督も来場した。

【動画】イベントの様子【トークノーカット】

 本作は、『百円の恋』や『嘘八百』シリーズなどで脚本家として高い評価を受けた足立監督が、自身の夫婦生活を赤裸々に綴った自伝的小説を映画化。結婚10年目にして倦怠期の真っ只中にいる、売れない脚本家の豪太(濱田)と、そんな情けない夫に絶望している酒好きの妻チカ(水川)の愛憎を笑いあり、涙ありで描き出す。

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 濱田演じる豪太は、年収50万円。生活費を稼いでいる鬼嫁から罵詈雑言を浴びせられる役どころ。濱田はオファーを受けた時を振り返り、「うわぁこいつか、やりたくねぇな……と正直思いました」とぶっちゃけ。しかし、「足立さんの脚本力は映画界が認めていて、脚本は一冊の書籍のような面白さがある」と常々思っていることに加えて、「キーマンとなる鬼嫁と呼ばれる女性(役)が水川さん」と聞くと気持が一転。「俳優業をやっていて、こんなやりたい映画はないと思ってチャレンジしました」と笑顔を見せた。

 また、最初は「(役と自分に)似ているところはないと割り切って(現場に)行った」そうだが、「『おはようございます』と『お疲れ様です』(のあいさつをするとき)以外は怒鳴られているような生活をしていたら、豪太のあの謎の余裕と図太さと、僕の図太さが徐々にシンクロした」と回顧。さらに、「昨日の罵声より今日の方がパワーアップしてる」「そっちの方角からのパンチね」などと「上から目線で罵倒を見ている自分がいた」と意外に楽しんでいたことも打ち明けた。

喜劇 愛妻物語
新津ちせ、濱田岳、水川あさみ、足立紳監督

 水川との共演については、「一ファンとして、また、10年以上前にカップルの役で共演したんですけど、その時の心地よさは忘れるものではなかったです」と思い返しつつ、初日に罵声を浴びたシーンの撮影では、「自分の台本を読んでの想像力を反省した」としみじみ。というのも、水川の熱演に「ヤバい、すごい怒るじゃん! 思ったより汚く言ってくるじゃん! という驚き」があり、それが明日への活力や楽しみに変わっていったそうだ。濱田と水川は、これまで『今度は愛妻家』(2009)などで共演している。

 そして、「喜劇と銘打った以上は、どなたが観ても笑っていただける作品になったと思います。笑って、バカにしていただければ、豪太とチカちゃんも綺麗に昇華できると思います」とアピールした。(取材:錦怜那)

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