若葉竜也、初主演映画で揺さぶられる 「キャリアを重ねる違和感」

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 芸歴30年を誇る俳優の若葉竜也(31)が、『愛がなんだ』などの恋愛映画の名手として知られる今泉力哉監督の新作『街の上で』(4月9日公開)で、映画初主演を果たす。本作は下北沢でオールロケを行い、穂志もえか(25)、古川琴音(24)、萩原みのり(24)、中田青渚(21)ら若手が主要キャストとして名を連ねるほか、漫画家ルノアール兄弟左近洋一郎ら異業種のキャストも参加。若葉は「初主演と言われて、ああそうだったんだと思うぐらいですね」と動じない様子だが、その一方で「今まで正しいと思っていたことがゴロゴロと崩壊していく感覚」を味わったと言い、刺激を受けた撮影現場を振り返った。

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 幼少期は大衆演劇のチビ玉三兄弟として知られ、長い芸歴を持つ若葉。放送中の連続テレビ小説「おちょやん」ではヒロイン(杉咲花)の初恋の相手となる助監督・小暮真治役として人気を博したが、過去には無差別殺傷殺人を引き起こす少年を演じた『葛城事件』(2016)でTAMA映画最優秀新進男優賞を受賞。かたや福田雄一監督のコメディー『明烏 あけがらす』(2015)ではホストにふんするなど、驚くほど役幅は広い。映画初主演を務める『街の上で』で演じるのは、古着屋で働く青年・青。本作は、青が恋人・雪(穂志)に浮気されたうえにフラれるという気まずい場面に始まり、美大に通う映画監督の町子(萩原)より自主映画への出演依頼を受けたことから物語が転がっていく。脚本を、今泉監督と漫画家の大橋裕之が共同で執筆している。

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 メガホンをとった今泉監督とは映画『愛がなんだ』『あの頃。』、ドラマ「有村架純の撮休」(2020※第2話でゲスト出演)などでタッグを組んでおり、若葉は「日常会話を描く天才」と絶賛。独特な撮影スタイルも性に合っているという。「どの現場でも役者が自由に表現できる余白を設ける一方で、『このルールは守らなければいけない』というのを言葉じゃない方法で提示していく。ご本人がそう意識されているのかはわからないですけど、僕も含めキャストが何となくそんな意図を感じ取っているように思います。僕は、そんな今泉監督の演出が好きですし、今泉監督の書くセリフを言いにくい人っていないのではないかと思います」

若葉竜也

 若葉は自身のInstagramで本作を「自信作」とつづっていたが、今泉監督作品の魅力をこう語る。「男女が互いに抱いている思いがアンバランスだからだと思います。恋愛映画って、割と男女が同じ割合で相思相愛だったり、完全な片思いだったり、あるいは0から徐々にパーセンテージが上がっていったり、わかりやすい恋愛のベクトルになっているケースが多いと思うんですけど、今泉監督の映画は全く違って。55%と45%とか、思いの強さが微妙なんです。その結果生まれる、絶妙な距離感。それは恋愛に限らず友情もそうで、『人ってそんなにわかりやすいものじゃないでしょう?』と突き放しているようにも思える。それは、台本やセリフからも読み取れます」

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 劇中、恋人にフラれ傷心の青が、街中で出会う人々と繰り広げる他愛もない会話劇が本作の大きな見どころ。中田青渚演じる自主映画の衣装スタッフ・イハとの長回しの赤裸々な恋バナシーン、漫画家ルノアール兄弟の左近洋一郎演じる風変わりな警官とのクスリとさせる掛け合い。共演者は、若葉よりもキャリアの浅い俳優がほとんどだが、若葉はそんな撮影現場を「僕はただ佇んでいただけで、青という人物はほとんど共演者が作ってくださったように感じます。すごく新鮮でした」と振り返る。

『街の上で』より ルノアール兄弟・左近洋一郎演じる警察官と、主人公・青 (C) 「街の上で」フィルムパートナーズ

 「例えば、警官役の左近さんは『ヨーイ、スタート!』の声がかからないうちにセリフを言い始めてしまったり、ものすごい小さい声でセリフを言い出したりするんです(笑)。何をしてくるかわからないスリルがあって、それがいいかたちで作品に作用している。定石ではないお芝居をされるからこそ、あんなに面白いシーンになったんだと思います。そんな中で、キャリアを重ねることへの違和感をすごく感じたんです。お芝居が上手になることで作品が面白くなるかといわれれば、そうではない気がして。矛盾があるなあと」

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 芸歴30年の若葉だが、放送中の朝ドラ「おちょやん」での反響はいまだかつてないものだったという。「今まで朝ドラを観たことがなかったですし、積極的に出演にアプローチすることもなかったんですけど、いざ参加させていただいたらこんなに影響力があるものだったんだと。周りの声もこれまでとは比べ物にならないものでした」と驚きを見せる一方、意外なエピソードも。「うどん屋に入っていた時に目の前で奥様方が『おちょやん』の話をされていたんです。ちょうど小暮が出てきているゾーンで、もしかしたら気付かれるかも……と思ったら、まったくバレなかったです。そんなもんです(笑)」

『街の上で』より (C) 「街の上で」フィルムパートナーズ

 ちなみに『街の上で』には“朝ドラ”を巡るエピソードが登場するが、くしくも「おちょやん」組のキャストが勢ぞろいしており、「おちょやん」でヒロインの夫を演じる成田凌、ヒロインの弟役の倉悠貴が出演。若葉との共演シーンもあり、「本当に偶然ですけど、いい宣伝になったら……」と照れくさそうに話していた。(取材・文:編集部 石井百合子)

スタイリング:TOSHIO TAKEDA(MILD)/ヘアメイク:FUJIU JIMI

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