「イカゲーム」で大注目！イ・ジョンジェってどんな人？
Netflixオリジナルシリーズ「イカゲーム」が世界中で爆発的なヒットを続ける中、巨額な賞金に目がくらみ、謎のゲームに参加した主人公ソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェも注目を浴びている。これまで韓国ドラマや映画に全く興味がなかった人からも「緑色のジャージを着た“456番”の男を演じた俳優って何者？」と一躍、時の人になっている。
イ・ジョンジェは1972年12月15日生まれ、現在48歳。日本の俳優では木村拓哉が同じ1972年生まれだ。ちなみに、巷で「イカゲーム」での雰囲気が似てると噂される大泉洋は1973年生まれ。
東国大学演劇映画科出身のイ・ジョンジェは、ドラマ「恐竜先生」（1993）で俳優デビューし、映画『若い男』（1994）で各種映画賞の新人賞を受賞する。そして1995年、民主化に揺れた1980年代の韓国を舞台にしたドラマ「砂時計」に出演。最高視聴率64.5%を記録するほどの人気作で、ヒロインを守るクールで無口なボディガード役で韓国女性たちから“永遠のボディガード”と称されるほどだった。この作品で爆発的人気を得たにもかかわらず、兵役で入隊する。
除隊後、事務所の金銭トラブルに巻き込まれ、スランプに陥るが、婚約者の姉との不倫を描いた映画『情事 an affair』（1998）が大ヒット。許されない愛に溺れていく情熱的な演技、そのラブシーンが話題になる。続く『太陽はない』（1998）では、『私の頭の中の消しゴム』のチョン・ウソンを相手にチンピラ崩れの詐欺師を演じ、1999年韓国で最も権威のある青龍映画賞で、主演男優賞を史上最年少で受賞した。
その後、『猟奇的な彼女』「星から来たあなた」のチョン・ジヒョンと共演した『イルマーレ』（2000）、「宮廷女官 チャングムの誓い」のイ・ヨンエとの『ラスト・プレゼント』（2001）、『オーバー・ザ・レインボー』（2002）とロマンチックなラブストーリーが続いたジョンジェ。優し気な笑顔とそこはかとなく漂う男の色気に、脱ぐと上半身ムッキムキの筋肉美で日本でも女性ファンが一気に急増する。そんな人気もあって、この頃、日韓合作の『純愛譜』（2000）に出演している。
2007年にチェ・ジウと共演の「エア・シティ」で久しぶりにドラマ復帰。日本では人気を得ていたが、韓国内ではあまり視聴率は振るわず、再び活躍の場をスクリーンに移す。『ハウスメイド』（2010）では超ナルシストな大富豪、“韓国版『オーシャンズ11』”とも言われた『10人の泥棒たち』（2012）では小賢しい泥棒をコミカルに演じて、新境地をのぞかせる。そして2013年のノワール映画『新しき世界』では組織のナンバー2との間に育んだ絆で職務との板挟みになる潜入捜査官、同年の歴史映画『観相師－かんそうし－』ではクーデターを謀る悪役を怪演。次々とヒット作が続き、名実共に韓国を代表する俳優に。
2016年には、1998年の『太陽はない』で共演して以来、親しくなったチョン・ウソンと芸能事務所を共同で立ち上げる。映画『神と共に』（2017、2018）シリーズ、『サバハ』（2019）と演じ、日本ではNetflix配信のドラマ「補佐官」シリーズ（2019）で野心を隠し、政界で暗躍する敏腕補佐官を演じて高評価を得て、「イカゲーム」へと至っている。
日本では、『新しき世界』で共演したファン・ジョンミンと7年ぶりにタッグを組み、暗殺者を演じたノワール映画『ただ悪より救いたまえ』が12月24日に公開。すでに昨年、韓国では公開され、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編『新感染半島 ファイナル・ステージ』を超える大ヒットを記録し、世界56か国での公開も決定している。
「イカゲーム」で、イ・ジョンジェの人気は止まるところ知らず。10月2日、Instagramのアカウントを開設すると、わずか1日で100万人のフォロワーを記録し、25日時点で400万人以上に至っている。現在は、4年間シナリオを書いて準備し、初監督＆主演を務めるスパイ映画『ハント』の撮影中。ちなみに、盟友のチョン・ウソンも出演しているという。
シリアスからコメディー、ラブロマンスにアクション大作、そして官能作品もイケる。もはや何でもござれで、年齢的にも脂ののったところだ。世界的に大ブレイクのイ・ジョンジェが、今後どこに向かい、何を目指していくのか、気になって仕方がない。（前田かおり）
