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初大河の新垣結衣、三谷幸喜の言葉に「報われた」 義時と八重の歩み振り返る

新垣結衣
新垣結衣

 現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)で、北条義時(小栗旬)の初恋の人であり、源頼朝(大泉洋)の初恋の人・八重を演じている新垣結衣。4月3日放送の第13回「幼なじみの絆」で八重は、ずっと拒絶していた義時の思いを受け止めるなど、話数を重ねるごとに心の奥に潜むさまざまな感情が浮かび上がってきた。新垣は脚本家の三谷幸喜が作り出す八重というキャラクターを、どのように捉えて演じているのだろうか。

【写真】片思いから始まった恋…八重と義時の波乱万丈の歩み

 史実として伝えられている八重の情報は少ない。そんななかで、頼朝の子・千鶴丸を産みながらも、平家に仕える父・伊東祐親(浅野和之)にその愛息子を殺められるなど八重はいくつもの悲劇に見舞われてきた。新垣は「八重は頼朝さんと別れてから自害したという説も伝わっていますが、この物語では、次々に大事なものを失っても自分の生きる意味を探しているというか、生きることに執着するたくましさを感じています。良い言い方をすれば意志が強い人」と、八重を演じながら感じた人物への解釈を述べる。

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11回より。八重(新垣結衣)を嫁に臨むもまたしても玉砕する義時(小栗旬)

 一方、八重は幼いときから八重に思いを寄せていた義時を、最初は拒絶しながらも受け入れ、彼の妻となる。新垣はこの八重の変化について「義時とは親戚で、幼少期から知っている間柄。最初は対等というよりは、義時をやや子供に見ていたと思うんです。そんな義時が好意をまっすぐに向けてきてくれることに戸惑いがあり、いままでの関係性から素直に受け止められないという感情だったのではないでしょうか」と分析。さらに、前述した第13回放送での八重と義時のやり取りについて「そんななか、八重が頼朝さんを追い返した時に義時が訪ねて来るシーンで、義時が八重に『背を向けたければそれでもいい。八重さんの後ろ姿が幸せそうなら満足です』と思いを伝えましたが、そこから二人の関係性が大きく変わったと思うんです。疑心や戸惑いはなくなり、素直な笑顔が出せるようなりました」と重要なシーンだったことを明かす。

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14回より笑顔の八重と、義時

 小栗演じる義時については「本当に真っ直ぐなキャラクターで、特に、物語の始まりから八重と一緒になってまだ間もない頃までの義時は、少年のようなまなざしと溢れる爽やかさがあり、周囲の無理難題にも必死に応えようする純粋さがあります。そこが素敵なところだと思います」とその魅力に触れた。

 そんな小栗とは2009年放送のTBS系金曜ドラマ「スマイル」以来13年ぶりの共演となる。同ドラマでは、新垣がフィリピン人と日本人の間に生まれた主人公(松本潤)に惹かれる失声症の少女に、小栗は主人公の運命を狂わせた不良グループのリーダーを演じていた。新垣は「当時はあまり共演シーンもありませんでしたし、小栗さん(演じる誠司)に脅されるシーンばかりだったので(笑)」と苦笑いを浮かべると「これだけ長い時間一緒に過ごしたことは初めてですが、当時から周囲を良く見ていて、いろいろな人を気にかける印象があって、そこは変わっていないなと感じました」と小栗の変わらぬ人柄を語る。

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 本作が大河ドラマ初出演となる新垣。三谷脚本作品も初となるが、視聴者の反響を聞いて不思議な感覚に陥ることがあったという。「オンエアが始まって視聴者の感想を見ていると『八重の頑固さは祐親に似ている』と言われることが多くて、それを見て『確かに!』と思いました。台本を読んでいても、撮影中もそんな意識はなかったので『そうなんだ、父親の影響を受けているんだな』と改めて気づくことが多いです」と三谷脚本の妙をしみじみと語る。

11回より八重と父・伊東祐親(浅野和之)

 また、時代劇への出演も「貴重な経験」と語る新垣。2009年公開の山崎貴監督の映画『BALLAD 名もなき恋のうた』(2009)に出演しているが、「一度戦国時代の姫の役をやらせていただきましたが本格的な時代劇は初めて。実在する人物を演じることもあまりなかったので、どれも貴重な経験でした」と語ると「正直反省ばかりで、何を得たのかはわからないのですが、三谷さんが『自分が思い描いていた以上の八重さんになりました』と言ってくださって、少しは報われたような気がします」と笑顔を見せていた。

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 これまで時代劇に登場するキャラクターに親近感が持てなかったとも。しかし、実際大河ドラマに参加してみて「時代や価値観は変化しても、身近な人が亡くなったときの悲しみや恐怖、そして嫉妬など、人に抱く感情は変わらない」と実感。「所作や着物で過ごす時間などは、どこかに生きてくるのかなと楽しみにしています」と、本作を経ての今後に期待を述べていた。(取材・文:磯部正和)

ヘアメイク:藤尾明日香/スタイリスト:道券芳恵

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