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窪田正孝、舞台版エヴァ主演「シンジ役やるんでしょ」と言われたと苦笑「違います」ときっぱり否定

「無謀なことにこそ行きたくなる。その気持ちが先行した」と語った窪田正孝
「無謀なことにこそ行きたくなる。その気持ちが先行した」と語った窪田正孝

 「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」製作発表会見が29日に都内で行われ、主演の窪田正孝が意気込みを語った。この日は、石橋静河板垣瑞生永田崇人坂ノ上茜村田寛奈宮下今日子田中哲司、そして構成・演出・振付を担当するシディ・ラルビ・シェルカウイ、東急文化村代表取締役社長・中野哲夫も登壇した。

【動画】『エヴァンゲリオン』“空白の14年”を描く新作の可能性は?

 新宿の新たなランドマークとなる東急歌舞伎町タワー6階に完成した新劇場THEATER MILANO-Zaのこけら落とし公演となる本舞台。壊滅的な状況になった地球と生き残った人々をめぐるオリジナルストーリーが描かれる。人類再生の“切り札”を発見し、希望に向けて突き進むエヴァンゲリオンと、それに搭乗する14歳の少年少女たち。人生にかけられた重いかせから目をそらし生きてきた渡守ソウシ(窪田)が、贖罪、そして再生のため、世界の秘密を解き放つさまを描き出す。

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 タワーのオープン予定地となる場所ではかつて、映画館・新宿ミラノ座が営業していた。同劇場は、1998年に公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』の実写パートでもロケ場所として使用されてきた、まさに“エヴァの聖地”。東急文化村の中野社長も「もともとこの場所に、日本でも大きなスクリーンだったミラノ座があって。『エヴァンゲリオン』を上映したゆかりの深い劇場であります」と語るなど、舞台版の実現に感慨深い様子。

シディ・ラルビ・シェルカウイ、石橋静河、窪田正孝、田中哲司、村田寛奈、宮下今日子、板垣瑞生、永田崇人、坂ノ上茜

 演出を手がけるシェルカウイは「このプロジェクトを手がけることに責任を感じております」と緊張の面持ちで語ると、「やはり自分の育ったヨーロッパをはじめ、世界中で大きな影響力を持つ作品ですから。ですから俳優、ダンサー、作曲家とみんなの力で、原作のエヴァンゲリオンへの敬意と尊敬をどう表すことができるのか。それが楽しみです」と意気込みを語る。

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 すでに舞台けいこも始まっているとのことで、「とても楽しいです」と満足げに笑ったシェルカウイ。「というのも、さまざまな舞台芸術の表現とかやり方を組み合わせています。俳優の皆さんのお芝居から、ダンス、身体表現に向かっていったり、ダンサーの方がダンスから芝居に入っていくとか。あとは映像やパペットを使ったりとか。そういうさまざまな表現を使ってこの世界を表現していくことを大事にしたいと思っています」と演出プランを解説。さらに「ここ数日間のけいこの中で、大事なこと、根幹を成すことが見えてきたなと思っている」と手応えを感じている様子で、「そして今ここにいる、すばらしい俳優たちと一緒に話し、作業ができることを本当にうれしく思っています」と付け加えた。

 一方、今回のプロジェクトに「正直、文化村がものすごく無謀な挑戦をしたなと思いました」と笑った窪田は、「でも、そこに飛び込んでみたいと思えたのは、役者という体現者としての性というか。無謀なことにこそ行きたくなる。その気持ちが先行したということです」と本作のオファーを受けた気持ちを明かす。

 さらに意気込みを問われ、「エヴァという作品は僕も大好きですし、この世界の現状や先や過去など、すべてをうたっている作品だと思っています」と切り出した窪田は、「デジタルが普及する中で、今はすごくいろんな情報があって。情報に埋もれすぎて、正しい情報や、意思疎通のようなもの、いわゆるアナログのようなものがどんどんなくなっていく中、演劇という役者が残存できるもので直接お客さまと向き合える瞬間。この余白のスペースをお互いに共有して、この舞台を完成できれば、この作品をやる意味が、新しい生命が生まれるんじゃないか」とコメントし、「そこに全力をかけたいと思います」と力強く語った。

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「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」メインビジュアル

 本作のけいこについては、「毎回やるごとに、生き物のように形が変わるんですよ。常にラルビが新しい見せ方を探していて。次の日になるとまた新しいものに変わっていくので、まだこうなんですとは言えない」という窪田。その言葉に深くうなずいた石橋も「毎日、作っては壊すという感じで。次の日には新しいアイデアが出てくる。トライアンドエラーを繰り返して、本番に何が残るかという感じですかね」とその裏側を語った。

 そしてあらためて本作へのプレッシャーを問われた窪田は、舞台化決定の報の際に、周囲から「(アニメ版の主人公)碇シンジ役をやるんでしょ」と言われたと告白。苦笑いしながら「僕は過去の作品でも幸薄い役が来るんです。不幸を背負っている役が好まれがちなので『違います』とハッキリ言いました」と笑ってみせた。(取材・文:壬生智裕)

「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」【東京公演】5月6日(土)~5月28日(日)THEATER MILANO-Za/【長野公演】6月3日(土)・4日(日)まつもと市民芸術館/【大阪公演】6月10日(土)~19日(月)森ノ宮ピロティホール

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