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カンヌ映画祭で日本勢2冠!パルムドールはフランス映画に

第76回カンヌ国際映画祭

『パーフェクト・デイズ』男優賞に輝いた役所広司と、坂元裕二が脚本賞を受賞した『怪物』の是枝裕和監督
『パーフェクト・デイズ』男優賞に輝いた役所広司と、坂元裕二が脚本賞を受賞した『怪物』の是枝裕和監督 - Stephane Cardinale - Corbis/Corbis via Getty Images / Pascal Le Segretain / Getty Images

 第76回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間27日にフランスで行われ、ヴィム・ヴェンダース監督作『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』で役所広司が男優賞を受賞、是枝裕和監督作『怪物』で坂元裕二が脚本賞を受賞と、日本勢が2冠の快挙を達成した。最高賞にあたるパルムドールは、ジュスティーヌ・トリエ監督のフランス映画『アナトミー・オブ・ア・フォール(英題) / Anatomy of a Fall』が受賞した。

役所広司が男優賞!『パーフェクト・デイズ』フォトギャラリー

 『パーフェクト・デイズ(原題)』は、渋谷の公共トイレ清掃員・平山(役所)を主人公に、ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が東京で撮り上げたドラマ。トイレ掃除に真摯に取り組み、一瞬一瞬に小さな喜びと美しさを見いだしながら生きる無口な平山を、役所が表情と佇まいで雄弁に表現した。『怪物』は学校でのトラブルを発端に始まる“怪物”探しを3者それぞれの視点にて、3部構成で巧みに描いた点が評価されたようだ。

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 『ヴィクトリア』のトリエ監督による『アナトミー・オブ・ア・フォール(英題)』は、夫が不審な転落死を遂げたことで起訴された作家(『ありがとう、トニ・エルドマン』のザンドラ・ヒュラー)の姿を描いた法廷サスペンス。単なる法廷ものにとどまらず、夫婦の社会・家庭での役割・犠牲などリアルな人間関係に切り込んだ奥深さがあり、主演のサンドラの演技も傑出していた。トリエは『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン、『TITANE/チタン』のジュリア・デュクルノーに続き、史上3人目の女性監督パルムドール受賞者となった。

 次点にあたるグランプリはジョナサン・グレイザー監督のアウシュヴィッツもの『ザ・ゾーン・オブ・インタレスト(原題) / The Zone of Interest』、それに続く審査員賞はアキ・カウリスマキ監督の悲喜劇『フォールン・リーヴズ(英題) / Fallen Leaves』と、批評家の評判と一致した結果となった。(編集部・市川遥)

第76回カンヌ国際映画祭の受賞結果は以下の通り。

【パルムドール(最高賞)】
『アナトミー・オブ・ア・フォール(英題) / Anatomy of a Fall』(フランス) ジュスティーヌ・トリエ監督

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【グランプリ】
『ザ・ゾーン・オブ・インタレスト(原題) / The Zone of Interest』(アメリカ、イギリス、ポーランド) ジョナサン・グレイザー監督

【審査員賞】
『フォールン・リーヴズ(英題) / Fallen Leaves』(フィンランド) アキ・カウリスマキ監督

【監督賞】
トラン・アン・ユン監督 『ザ・ポトフ(英題) / The Pot-au-Feu』(フランス)

【男優賞】
役所広司 『パーフェクト・デイズ(原題) / Perfect Days』(日本)

【女優賞】
メルヴェ・ディズダル 『アバウト・ドライ・グラスイズ(英題) / About Dry Grasses』(トルコ、フランス、ドイツ)

【脚本賞】
坂元裕二 『怪物』(日本)

【カメラドール(新人監督賞)】
『インサイド・ザ・イエロー・コクーン・シェル(原題) / Inside the Yellow Cocoon Shell』ファム・ティエン・アン監督

【短編コンペティション】
パルムドール
『27(原題)』フローラ・アナ・ブダ監督(フランス、ハンガリー)

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