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SF映画の名手ブロムカンプ監督、人気ゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話に挑んだ理由

人気ゲームから生まれた実話を実写化 - 『グランツーリスモ』
人気ゲームから生まれた実話を実写化 - 『グランツーリスモ』

 『第9地区』『エリジウム』『チャッピー』などSF映画の名手で知られるニール・ブロムカンプ監督がリモートインタビューに応じ、人気ゲームから生まれた実話を映画化した最新作『グランツーリスモ』(全国公開中)の製作秘話や、東京での撮影を振り返った。

【動画】ブロムカンプ監督らしいカットも!『グランツーリスモ』予告編

 1997年にPlayStation(R)用ソフトとして誕生した「グランツーリスモ」は、実在する自動車メーカーや多様なサーキットが登場し、本格的なカーレーシング体験を可能にした人気ゲームシリーズ。映画は、ゲームのトッププレイヤーをプロレーサーに育成するプログラム「GTアカデミー」を舞台に、プロドライバーとして成功を収めたヤン・マーデンボローの実話を、ブロムカンプ監督ならではの革新的なビジュアルで映像化した。

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 『エリジウム』などでタッグを組んだ製作・配給のソニー・ピクチャーズとは、再びディストピア映画やSFを製作する方向で話を進めていたというブロムカンプ監督。「長きにわたり話し合いを重ねていたら、ある時『今「グランツーリスモ」を映画化する話が出ている。脚本を見たいか?』と言われました。当時はGTアカデミーにも詳しくなく、どうやってあのゲームを映画化するのか不思議に思っていたのですが、脚本を読んだ瞬間、非日常で少しダークな世界観が私とリンクすることに気づきました」と過去に挑戦したことのないジャンルを開拓するきっかけを明かした。

腕利ゲームプレイヤーをプロレーサーとして育成する「GTアカデミー」

 もともと車好きでもあったブロムカンプ監督は、「グランツーリスモ」ゲームシリーズをプレイし直し、リアリティーを追求していった。「プロレーサーと同じシステムを扱ったことのない人が、コントローラーをハンドルに代えて、彼らと同じトラックで何千回とレースを重ねています。よく考えると、とてもクレイジーなことです。この体験を実際のレース場を用いて再現できないか、実験を重ねながら視覚的にベストな方法を模索していきました」

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 ゲームが生まれた日本も舞台の一つで、ブロムカンプ監督も来日して日本ロケを敢行した。「日本は、ビジュアル的にも文化的にも素晴らしい国です。日本のクルーもとても気さくな方ばかりでした」

 一方で、「日本で撮影許可を得るのは、かなり大変でした」とも振り返る。「撮影のハードルは、他の都市より高くなっています。特定の時間に特定の場所で取らなければならず、やるべきことが山ほどありました。その分、素晴らしい場所で撮影ができたので、映画をよりスケールアップさせることができました」

ニール・ブロムカンプ監督

 日本パートはほぼ日本で撮影されたものだが、一か所だけ撮影が叶わなかったシーンがあるとブロムカンプ監督は告白する。「日産本社のシーンです。実際は横浜にありますが、映画はハンガリー・ブダペストで撮影されたものです。本社の内装も本物に見えますが、全てフェイクです。日産本社に入ることができなかったので、何とかして自分たちで再現しようと、苦労しながら再現しました」

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 映画には、「グランツーリスモ」のクリエイターである山内一典がカメオ出演している。「山内さんは日本語で、私は英語で会話するので、コミュニケーションはある程度制限されます。山内さんが生み出したゲームへの愛を本人に伝えたくて、頑張って意思疎通を図りました。山内さんも真剣で、カメオシーンは素晴らしい仕上がりになっています」

 ブロムカンプ監督は、2021年ごろから『第9地区』の続編となる『ディストリクト 10(原題) / District 10』(第10地区)の脚本作業に取り掛かっていると明かしていた。進捗について聞いてみると、「新たに何も言えることはありません」と現状を明かし、「他にもいくつか温めているSF映画のアイデアがあります。次に何を撮るのか、私にもわかりません」と答えた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『グランツーリスモ』予告2 9月15日(金)全国の映画館で公開 #映画グランツーリスモ » 動画の詳細
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