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「ウルトラマンテオ」二宮崇&辻本貴則、シリーズ60周年で起こす革命 ドラマ×特撮の2人体制で挑む世界観構築

左から二宮崇(メイン監督)、ウルトラマンテオ、辻本貴則(特撮監督)
左から二宮崇(メイン監督)、ウルトラマンテオ、辻本貴則(特撮監督)

 ついに放送が始まった特撮ドラマ「ウルトラマンテオ」。「戦いを好まないウルトラマン」という新しいコンセプトを掲げて登場した本作のメイン監督には、「ゆるキャン△」「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」など地上波を中心とした数々の連続ドラマで知られる二宮崇が就任。特撮監督には、メイン監督を務めた「ウルトラマンアーク」やアニメ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』、先の関西万博のパビリオン映像『GUNDAM: Next Universal Century』など多彩な活躍を見せる辻本貴則が起用され、両名のタッグが日常ドラマを重視した世界観と実景合成を大胆に取り入れた特撮表現で、これまでにないアプローチを追求している。放送に合わせてインタビューに応じた二人が、企画から撮影まで「ウルトラマンテオ」の裏側を語り合った。(取材・文:トヨタトモヒサ)

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誕生日にウルトラマンシリーズのオファー

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーーまずは、それぞれどういった流れでオファーを受けたのでしょうか?

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二宮崇(以降、二宮):単純に経緯をお話すると、僕は自分のSNSに仕事用の Gmailを公開しているんですけど、そこにある日突然、円谷プロダクションさんから連絡が来たんです。まさか自分にウルトラマンシリーズのオファーがあるとは思ってもみなかったんですけど、連絡してみたところ、これが本当のことで。しかも、その日は偶然にも僕の45歳の誕生日でした。

辻本貴則(以降、辻本):新しいウルトラマンは、先にメインライターを決めて脚本を進めていて、監督は外部から招聘する、といった話を風の噂で耳にしていました。それが、『ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』の仕上げをしていた頃でしたね。

二宮:オファーを受けた時点で、円谷プロさんからは、これまでとは大きく違う世界観にすることをお聞きしました。僕は普段、地上波の連ドラを主に撮っていますが、今回は防衛隊ではなく、大学を舞台にするということで、それだったら世界観も含めて作れるかなと。ただ、特撮パートについては全く分からないのですが、そこに関しては「メイン監督と特技監督の2人体制ではどうでしょうか?」とご提案いただきました。

辻本:僕は、二宮監督が参加される前に「特技監督は特撮に慣れている方にお願いする予定です」と聞いていて、それだったら自分は参加する機会はなさそうだなと思っていました。そうしたら、「辻本さんの名前が挙がっています」ということで、「そんなことがあるんだ!?」と(笑)。

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二宮:僕もこうしたオファーは初めてのケースで、「本当にウルトラマンのオファーなんだ!」と驚きましたよ(一同笑)。

辻本:さすがに本編の監督が決まらないことには、お返事し難いところもあって保留にしていましたが、ウルトラマンのデザインもそろそろ詰めなくちゃいけないという段階になり、二宮監督の参加が決まったと記憶しています。

二宮:それで僕が本編の演出と全体の世界観を統括し、特撮に関しては辻本さんが見てくださると。僕としては、ウルトラマンの監督オファーなんて、滅多にあることじゃないし、これは是非挑戦してみたいと思いました。

辻本:当時の自分は、メイン監督を務めた「ウルトラマンアーク」のことでいっぱいで、世界観や物語を構築するとなると、完全に頭を切り替えなくちゃいけないし、正直少し荷が重いと思ったんです。だけど、そこは二宮監督が全てやってくださるということで、それであれば自分は特撮だけに専念すれば良いし、一度、しっかりと特撮に向き合ってみたい気持ちもありました。それで引き受けることにしました。

二宮:特撮面に関しては、本当に辻本さんのおかげですね。

「二宮本編」と「辻本特撮」の融合

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーー二宮監督は初めての円谷プロ作品ということで、製作に加わってみていかがでしたか?

二宮:ウルトラマンシリーズには、長く現場を支えてきた熟練のスタッフがいて、そんな中、全く何も分からない自分が、ポツンと入るわけです(笑)。そういう意味では、辻本さんに色々と相談に乗っていただき、スタッフとのギャップを埋めながら進めていったようなところがありました。

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辻本:自分としては、外部から招聘した監督を支える仕事自体が初めてで、それもまた新しい挑戦として、引き受けた理由のひとつでもありました。

二宮:僕としては受け入れてもらう側で、最初はみなさん「ウルトラマンを知らない人が来たぞ」みたいな戸惑いもあったと思うんです。そんな中、辻本さんと共に「ウルトラマンテオ」の世界観を作っていきました。

ーー世界観を構築する上ではどういったところに拘りましたか?

二宮:今回、シリーズ構成の田辺茂範さんが、我々より先に参加していて、ベースとなる世界観を作ってくださっていました。ウルトラマンテオと光石イブキ(演:岩崎碧)が同一人物であり、戦いを好まないウルトラマンといったコンセプトもすでにあった部分です。それを受けて、戦いたくないウルトラマンだとしたら、どういうキャラクターになるのか? その肉付けに関わっていきました。

辻本:本編と特撮は、最初に思っていた以上に、しっかりと切り分けた形になりました。今、二宮監督から話が出ていたキャラクターの肉付けはもちろん、キャストのオーディション、準備段階での芝居の練習などは、全て二宮監督のほうでやってくださって。片や、特撮は私の方でウルトラマンテオや怪獣のデザインを進めていく。もちろん、擦り合わせてはいますけど、けっこう分業制みたいな感じでした。

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二宮:撮影自体も、本編を全て撮り終わった後が特撮ブロックで、本編の撮影中はコンテで特撮部分を想定しながら撮っていたんです。実際にどういう画になるかはけっこうギリギリまで見られないわけです。それが想像していた以上に素晴らしい特撮が上がってきて。戦いたくないウルトラマンをどう描くかも、本編でイブキの悩みや迷いを掘り下げていた部分を、特撮が見事に補完してくれたというか。巷で「辻本特撮」と評価されているのはさもありなんだと思いました。

辻本:じゃあ、逆に「二宮本編」で。

二宮:なんかカッコ悪いな(笑)。

辻本 いやいや、そんなことないですよっ!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーー放送されたばかりの第1話についても、まさに同じような感触を覚えたということでしょうか?

二宮:ええ。普段、撮っている連続ドラマは第1話が勝負だと思っていて、やっぱり1話に全てを注ぎ込まないと、それ以降の視聴の継続につながらないので最後まで観たいと思わせる1話を作る事を一番意識しましたが、出来上がった第1話は、本編と特撮が融合して、音楽を入れた所でようやく世界観がひとつ突き抜けたと実感しました。これは普段自分1人で監督している時には味わえない感覚でしたね。

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辻本:そもそもドラマ部分を充実させたいとの狙いは、二宮監督が招聘されたことから明らかです。今回、関わっていて、その辺りはビシビシと感じていたので、「これはいつものテイストで特撮を撮るわけにはいかないな」と思っていました。

二宮:特に第1話では、辻本さんが撮ってくださった戦いに戸惑うウルトラマンテオの表現があったからこそ、ドラマ部分にもしっかりと戻すことができました。

辻本:そうやって特撮が本編に寄り添うのは当たり前として、ルックとしても本編と地続きで楽しんでもらえるものにしたいなと。そこで挑戦してみたのが、従来よりも実景合成を多めに取り入れることです。たとえば、第1話の怪獣ヴィアロガにしても、天文研究会のみんなが見慣れた大学の景色に現れるんですけど、そういう画を意識的に入れることで、今までと違うルックを提示しました。

二宮:僕としては、とにかく今までにない体験で、特撮は辻本さんにお願いしたからこそ、自分の想像を超えた大きなうねりが生まれたと思っています。

ーーこの辺りは、まさに本編と特撮の密接な連携が求められるところではないかと思いますが、それぞれいかがでしたか?

辻本:二宮監督とは「この建物の奥に怪獣を出そうと思っていますけどいいですか?」と擦り合わせつつ、監督は監督で、ここを芝居場としてちゃんと成立させられるか確認する。そういった感じで従来よりも入念にロケハンを行いました。

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二宮:あそこがイブキの初変身になるし、辻本さんが彼の壮絶な過去を掘り下げてくださったことも大きかったですね。

辻本:もちろん、もともと台本にあった内容なのですが、それを特撮でどう広げて表現するのかを考えていった感じです。

二宮:その悲しみを描くことで、イブキが抱えるトラウマに繋がり、彼が簡単に変身できないという重い枷になります。それを乗り越えて誰かの為に1歩を踏み出すのが第1話なんですが、今回は「戦いたくないウルトラマン」。初めて変身するシーンはイブキ自身の意思で変身させたくなかったんです。イブキの咄嗟の状態で生まれた誰かを「守りたい」という気持ちが最高潮に達した瞬間に、テオクリスターが呼応して変身するという荘厳なシーンにしたかったので、あのシーンは辻本さんとかなり細かく打ち合わせさせて頂きましたね。もちろん、事前にコンテ打ちもしていたし、編集の際にも辻本さんに相談して、「もうちょっと溜めを作るには何ができますか?」「じゃあ、ヴィアロガから鼻息を出しましょうか」「光線を撃つ直前に口を光らせましょうか?」と様々なアイデアをいただきました。

あのシーンのヴィアロガはかなり怖く描いていて、視聴者のみなさんがヴィアロガを嫌いになっていただけていたら僕らの狙いは成功です(笑)。本編と特撮のカットバックに加え、それぞれ表情の切り返し、さらには怪獣の造形、アングルも含めて、辻本さんと細かく連携出来た事で出来上がったシーンなので自分としては、本当に満足できる第1話になりました。

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緑豊かなテオの故郷、M78星雲との差別化

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーー第1話の実景合成を生かした特撮では、人の目線で捉えた1カット長回しのウルトラマンテオのアクションも見どころでした。

辻本:あれは360度カメラを使っています。機材自体はこれまでも使っていますが、街中に出して撮る機会を作れなかったんです。今回、実景合成を増やす方針を決めた際に、単に実写合成のカットを増やすだけでは、それほどルックが変わらないと思って挑戦してみました。このカットは、360度カメラをカメラカーの上に乗せて撮影していて、カメラ自体が移動している中、360度カメラを使うとどうなるのか。そこは色々想像しながら試行錯誤しました。

二宮:これからは「辻本360」と言われるわけですよ。

辻本:いやいや、360度カメラ自体は、他の監督陣も使っていますから(笑)。

ーー先ほど、二宮監督が仰っていた「イブキの壮絶な過去」が惑星「H12」の回想シーンになると思いますが、このフルCGパートは『ゴジラ-1.0』でも知られる白組が担当しているそうですね。

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辻本:少し補足すると、この「H12」の回想シーンは、第1話の劇中で二度描かれていて、冒頭が白組さん、中盤が日本映像クリエイティブさんの担当です。ただ、そこもきちんとやりとりをしていて、背景などの素材は白組さん、光線は日クリさんが用意していて、それぞれでシェアしています。

ーービジュアル的にはどういったイメージがありましたか?

辻本:まずは惑星「H12」をどういう表現にするのかです。これまでのM78星雲のビジュアルは定着しているけど、違う方向性を探ろうと。M78星雲は未来的な建物がひしめき合うビジュアルだったので、それに対して緑豊かな大自然に囲まれた惑星とすることで、差別化を図ってみました。

二宮:もともと冒頭の戦闘シーン自体がなかったんですよね。

辻本:僕らは想定してなかったんですけど、何か掴みとなる場面を作ろうといった話が持ち上がり、「じゃあやりましょうか!」と。とはいえ、物語は続いていくわけだから、取って付けたようにはしたくなかった。後々、番組を観ていくと分かると思うんですけど、実は様々な工夫が凝らされています。そこも含めて楽しんでもらえればと思います。

二宮:ウルトラマンテオがH12の崩壊を目の当たりにし、仲間も失い、一人ぼっちになり、ここから彼の物語がスタートする。ここはストーリーの核になる、とても大事な部分です。

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ーー二宮監督はH12の場面をご覧になっていかがでしたか?

二宮:僕としては驚きしかありません。編集室で「すごい!すごい!」とひたすら連呼していました(笑)。もちろん、コンテをシェアしてもらって、画面のサイズからカメラワーク、怪獣の動きから全て確認させていただいています。

辻本:コンテにあるものは全て反映させています。

二宮:だからズレは全くありません。その上で、辻本さんのほうでディティールを加えてくださっているので、どのカットも想像していた以上のクオリティーになっています。

オールミニチュア撮影で制作したエンディング

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーー他に実際にあがってきて驚かれたカットはありますか?

二宮:辻本さんが撮ってくださった画で言うと、僕が一番好きなのは、朝焼けの中で立ち上がるウルトラマンテオです。第2話から流れるオープニング映像のために撮ったカットで、ここは是非注目してください。

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辻本:それをずっと言ってくれているんですよ。

二宮:あのカットを観た時には、シビれましたよ。むちゃくちゃカッコいい! 毎週流れることもあり、時間をかけて丁寧に撮ってくださいました。

辻本:オープニングだと、怪獣たちが実景合成で咆哮をあげるカットも自分が撮りました。一方、エンディングはオールミニチュア撮影なんですけど、これに関しては完全に二宮監督の発信です。

二宮:そこは「ウルトラマンシリーズ60周年」を意識したところで、たとえばタイトルロゴもそれまでのニュージェネレーションシリーズは、立体的なデザインでしたが、「ウルトラマンテオ」では、かつてのシリーズを彷彿とさせるシンプルなロゴデザインに戻してみました。

エンディングもそれと同じで、60周年という事もありどうしてもミニチュアを生かしたレトロなエンディングを作りたいとお願いしまして。さらに音楽の曲調も含めてどこか懐かしいレトロな雰囲気を感じさせる曲をエンディングのために新規で作ってもらいました。「ウルトラマン」のオープニング映像でもお馴染みの伝統的な影絵をヒントにしました。それで、夜の街にウルトラマンテオや怪獣の影を映して、あたかも実在するかのような雰囲気を狙ったのが、あの映像というわけです。ただ、自分は特撮の事情が分からないものですから、最初に簡単なコンテを描いてスタッフに見せたら、急にザワザワし始めて(笑)。

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辻本:夜なのに影を出すってどういうこと? と。

二宮:それが大変な撮影になるとは知らない自分がいまして(苦笑)。

辻本:通常、オープニングとエンディングは、第1~3話のコンテ打ちの後に決めるんですけど、すでに全体のスケジュールが見えている中、けっこう難易度の高いコンテだったんです。

二宮:ただ、そこで嬉しかったのが、別に拒否されたわけじゃなくて、僕の知らないところで、何度もカメラテストを繰り返したりして動いてくださっていたんです。

辻本:二宮監督の要望を受けて、現場的にも「なんとかしたい!」という空気が生まれて、最終的にそれなりの時間を確保することができました。やっていることは特撮なんですけど、そもそもの出どころが二宮監督の頭の中ですから、現場は完全に二宮監督のディレクションで進めてもらいました。

二宮:はしゃぎながら撮っていただけです(笑)。

辻本:自分も立ち会わせていただきましたが、すごいクオリティーですよ。

二宮:ミニチュアの飾りも普段はこんなに時間をかけないそうなんですけど、やっぱ毎週流れるということで、ものすごく凝ってくださって。ライトにしても、気づいたらクレーンに乗っていたり、逆に「すみませんでした」と恐縮してしまう感じでした(笑)。

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辻本:いや、「やる」と言えるのはメイン監督だけですからね。よくぞ言ったと思います。

二宮:コンテで描いていた水面に波紋が映るカットも実現してもらえましたが、実際に撮るとなると、すごく大変だということが、よく分かりました。

辻本:今回、そうやってエンディングのための映像も新規で撮影したわけですが、従来のエンディングはダイジェスト的に編集したものがほとんどだったんです。僕は10年以上、関わっているけど、ひとつ革命を起こしてくれた。それがまた良かったと思いますよね。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーーお話をうかがっていて、オープニングやエンディングも作品の形成する大事な要素だということが伝わってきます。

二宮:最後まで楽しんで観てもらうのに「流れ」がとても大事なんです。今回、場面転換のワイプやエンディングまでの構成含めてアイデアを出させて頂けたのもありがたかったです。エンディングに入る前に「怪獣ファイル」のコーナーがあって、本編がスッと終わった後で「怪獣の紹介だ!」と思ったら、不思議な音楽が流れてエンディングに続く。要は最後までどう見せるか、ということなんです。そういう構成も「ウルトラマンテオ」ではこだわらせていただきました。

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辻本:この「怪獣ファイル」については、二宮監督の狙いがあります。いつもなら、劇中に怪獣が現れるとクレジットが出るでしょう。でも、あれを見ることで現実に引き戻されてしまう部分もある。それで本編はなしにして、その代わり最後に紹介するというフォーマットになっているんです。

二宮:ドラマの登場人物が知らない怪獣の呼称を出すことに少し抵抗があって。視聴者も知らないわけですし、今回は誰目線で怪獣を見ているかと言えば大学生なんです。その辺りを考えた結果、あとでまとめることにしました。

前代未聞のボリューム!メイン監督が第10話まで担当

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンテオ製作委員会・テレビ東京

ーーニュージェネレーションウルトラマンシリーズでは、メイン監督が立ち上げの3話を撮るのが通例ですが、その後の展開については、お話できることはありますか?

二宮:実は「ウルトラマンテオ」では、第10話までの本編部分を僕が全て監督しています。

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辻本:ご本人も後悔しているんじゃないかと思うくらいぐらい。まさに今、仕上げで首を絞められているそうです(笑)。

二宮:楽しく仕上げさせて頂いてますよ。前代未聞だって言われましたが(笑)。ただ、第10話まで自分が手掛けることで、キャラクターのベースは、きっちりと作り上げたつもりです。ですから、ドラマのキャラクター像が仕上がった状態で、以降の監督陣にバトンタッチすることができました。もちろん、第10話までの間にイブキをはじめ、風間エマ(演:神谷天音)、和泉カンナ(演:中田乃愛)、火浦リンタロウ(演:上村 侑)、苫米地ワタル(演:森本竜馬)と天文研究会の面々もそれぞれがキャラクター像をどんどん膨らませていっているし、視聴者の方にもきっと愛着を持ってもらえるキャラクターになっていると思います。

辻本:僕は第3話まで特技監督を務めて、以降を担当されるみなさんには「今回はドラマにしっかりと寄り添いましょう」との意向をお伝えしました。その後、第4話以降の映像を拝見したところ、実写合成のカットがバンバン上がってきていて、これからの可能性を大きく感じています。自分では考えつかなかった面白い撮り方をしているカットもあるし、これはかなり広げられたんじゃないかなと。神谷誠さん、内田直之くんら他の特技監督陣も頑張ってくれているので、そこも是非期待していて欲しいです。

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二宮:すでにオンエアで聴いてくださっているかと思いますが、川井憲次さん、小西貴雄さん、高梨康治さんと、レジェンドのお三方による劇伴がまた本当に素晴らしいんですよ。「ウルトラマンテオ」では、音楽の力にもすごく頼っているところがあり、戦闘シーンは高梨さん、日常は川井さん、心情曲は小西さんと、それぞれのブロックでカラーの異なる曲を付けたり、前半から後半にかけて音楽もまた進化していくといった仕掛けも盛り込まれていて、そこもまた新しい魅力として伝われば嬉しく思います。

ーー最後にお二人から、今一度「ウルトラマンテオ」のアピールをいただければと思います。

辻本:僕はこれまでも監督として携わってきたけど、「ウルトラマンテオ」に関しては、従来のニュージェネレーションウルトラマンシリーズとは、全く異なるテイストの作品になりました。そういう意味でも、新しいものをお届けできたという手応えをすごく感じています。

二宮:自分が想像していたよりも、遥かに上回る高い完成度で作品が出来上がったと思っています。これは大げさに言っているのではなく、本当に世界に向けて発信できるところまで来たと自信を持ってお伝えしたいです。是非、応援のほどよろしくお願いします!

「ウルトラマンテオ」毎週土曜午前9時~テレ東系6局ネットにて放送中

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