ポン・ジュノ監督『ゴジラ-1.0』山崎貴監督と怪獣映画トーク「これからも作っていきましょう」

韓国の鬼才ポン・ジュノ監督が26日、グランドシネマサンシャイン池袋で行われた映画『ミッキー17』ジャパンプレミア舞台あいさつに登壇。『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が花束を持って登場すると“怪獣映画”談義に花を咲かせた。舞台あいさつには、町田啓太、とにかく明るい安村、プロデューサーのチェ・ドゥホも出席した。
【画像】とにかく明るい安村、鬼才ポン・ジュノ前にパフォーマンス!
本作は、エドワード・アシュトンの同名小説を、映画『パラサイト 半地下の家族』などのポン・ジュノ監督、ロバート・パティンソン主演で映画化。何度も生き返り、その度に過酷な業務を強いられる契約をある企業としてしまったミッキー(パティンソン)が、突然現れた自分のコピーを駆使して、企業に逆襲していく姿を描く。
『パラサイト』以来、約5年ぶりの来日となったポン・ジュノ監督。日本のファンの前に登場すると「お目にかかれて嬉しいです」とあいさつし「この映画の主人公・ミッキーは、どこか抜けているけれど善良な人物。労働者として極限の状態に置かれるなか、最後まで生き残ろうとする。そのことがこの映画にとって重要なことなんです。ミッキーの諦めない気持ちに共感していただけると嬉しいです」と作品に込めたメッセージを述べる。
舞台あいさつ後半には、映画『ゴジラ-1.0』で、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎監督が花束を持ってお祝いに駆けつけた。作品をいち早く観たという山崎監督は「本当に面白くてびっくりしました」と語ると「こんなにワクワクしながら観た映画は久しぶりでした。社会的な問題を内包しているのですが、それをさておき、めちゃくちゃ面白い。素晴らしい映画です」と大絶賛。
ジュノ監督も「『ゴジラ-1.0』は楽しく観させていただきました。『ミッキー17』にも怪獣が少し登場するんですよ」と語ると、山崎監督は「ポン・ジュノ監督も怪獣映画をたくさん作っていらっしゃいますよね。僕は当時『グエムル -漢江の怪物-』を観たとき、すごく悔しい思いをしたんです。あの映画から、怪獣映画に家族の物語を入れる手法を学んだんです。これこそが新しい怪獣映画だと思いました」と大きな影響を受けたことを明かしていた。
そんな山崎監督の言葉に、ジュノ監督は「『ゴジラ-1.0』にも人間と歴史が描かれていて、とても印象的な作品で感銘を受けました。これからも怪獣映画をいっぱい作っていきましょう」と互いにエールを送り合った。
ジュノ監督は「この映画には社会的、政治的風刺も描かれていますが、困難な中、ミッキーが生き残れたのは愛があったから。この作品は僕にとって初めてのラブストーリーなんです」と作品に込めた思いを語っていた。(磯部正和)
映画『ミッキー17』は3月28日より全国公開


