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「イカゲーム」監督、シリーズ完結に安堵 映画化頓挫の過去も「大きな成功作」

ついに完結! - 「イカゲーム」シーズン3より
ついに完結! - 「イカゲーム」シーズン3より

 世界的大ヒットを記録したNetflixシリーズ「イカゲーム」シーズン3のファン・ドンヒョク監督がリモートインタビューに応じ、シリーズ完結を迎えた心境、前作の衝撃的なラストから直結するシーズン3の展開について語った。(以下、シーズン3の内容を一部含みます)

【画像】超豪華!「イカゲーム」参加メンバーたち

 「イカゲーム」は、膨大な借金や深刻なトラブルで人生を諦めかけた者たちが、超高額の優勝賞金をかけて、子供の遊びを基にしたデスゲームに挑むサバイバルスリラー。2021年配信のシーズン1は、Netflixのシリーズにおいて歴代最高の視聴回数記録(2億6520万回)を叩き出し、米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞では、非英語作品初となる主演男優賞(ドラマ部門)&監督賞を受賞する快挙を達成した。

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 シーズン1で完結するつもりで制作していたドンヒョク監督は、社会現象を巻き起こした作品の反響を受け、シーズン2とシーズン3の物語を構築することになった。「シーズン2&3では、主人公の性格や人生をもう一回整理してみて、現代社会の難しさの中で生き残った良心が、視聴者の中にも生きているのかを問いただしたかった」と続編での狙いを振り返る。

 集大成となるシーズン3では「人間が希望を失い、挫折する部分も全て表現したかった」とドンヒョク監督。「昨今、本当に住みづらい世の中になっています。現代を生きるみなさんの中にも、無限の経済競争で窮地に追い込まれている方がたくさんいると思うんです。絶望の淵に立つ人へ、どのようにして希望を与えられるのか。最終的に人間性を、信じる心を取り戻せるのかをメッセージとして伝えたかったのです」

仲間を失いどん底の主人公ソン・ギフン - 「イカゲーム」シーズン3より

 シーズン2最終話では、主人公ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)がプレイヤーたちを率いて反乱計画を実行するも、仲間のふりをしていたフロントマン(イ・ビョンホン)の裏切りによって失敗に終わった。フロントマンは、投降したギフンに追い打ちをかけるように、彼の長年の友人チョンベ(イ・ソファン)を目の前で射殺してしまった。

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 シーズン2の衝撃展開を振り返ったドンヒョク監督は、「希望も失い、罪悪感まで抱き、奈落の底に落ちたギフンがどうやって再起するのか。そこを描くシーズン3に移行するためのエンディングでした」と説明。フロントマンが意図的にチョンベを殺害し、ギフンだけを生かしたのは、ある種の“戒め”であると強調した。

 仲間を失い、失意のどん底に突き落とされたギフン。シーズン3第1話では、彼の絶望した表情を映すだけで、ギフンのセリフはほぼない。これは「絶望と挫折を表現するには、どう考えてもセリフで表現することではない」というドンヒョク監督の狙いだ。「復讐心をギフンの表情で語るべきだと思い、イ・ジョンジェさんともしっかり話し合い、顔や目で表現することに決めました」

Go Won-tae/Netflix (C)2025

 シーズン2とシーズン3は連続で撮影され、ドンヒョク監督も「正直、大変でした。全部で13エピソードありますし、準備期間も長かった。1年くらいかけて撮影をしたので、かなりの労働時間でした」とシーズン1以上の過酷さを経験した。「一人で演出しなければならないので、メンタル的にもフィジカル的にもハードワークだったと思います」

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 当然、連続撮影するメリットもある。「エネルギーが途切れずに続けられるんです。物語の流れやキャラクターの感情導入も途切れずに演出することができるので、そこは非常に助かりました。もしも途中で中断してしまったら、感情の流れを呼び起こすのに苦労したかもしれません。特にイ・ジョンジェさんは、疲弊して肉体的にも精神的にも落ち込むキャラクターで、期間中はダイエットも必要でした。連続撮影であれば、過酷さは伴いますが、ダイエットも効果的にできたと思います」

 2008年から「イカゲーム」の構想を練っていたドンヒョク監督は、「2009年に映画化しようとしたのですが、失敗しています」と一度企画が頓挫していたことを告白。10数年の時を経て、長い間温めてきた企画をシリーズ化できたことに安堵しており、「ある意味で大きな成功作ですし、成功したという意味では、私の“人生作”とも言えると思います」と笑顔で語っていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

Netflixシリーズ「イカゲーム」シーズン1~3:独占配信中

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