『スーパーマン』新レックス・ルーサー役で再び剃髪 ニコラス・ホルト、スキンヘッドは「すごく気持ちいい」

DC映画『スーパーマン』で宿敵レックス・ルーサーを演じたニコラス・ホルトがインタビューに応じ、歴史あるヴィランを名乗る覚悟や監督を務めたジェームズ・ガンとのタッグ、役づくりでスキンヘッドにした際のエピソードを明かした。
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スーパーマンを「地球にとっての脅威」とみなす天才科学者レックス・ルーサーは、天才的な頭脳と尽きることのない富によって数々の兵器を開発し、スーパーマンを精神的にも肉体的にも追い込んでいく。実写作品では、故ジーン・ハックマンを筆頭に、ケヴィン・スペイシー、ジェシー・アイゼンバーグら名だたる俳優たちが同キャラクターを演じてきた。
「ヴィランを演じるのは好きだ」と話すニコラスは、「さまざまなタイプのヴィランを演じてきたが、その役の心理に深く入り込み、『なぜこのキャラクターはこのような行動をとるのか?』という背景を理解していく過程が、俳優としてすごく面白いと感じている」と悪役の醍醐味を語る。幼少期から悪役に心を動かされることが多く、自身のキャリアでも印象に残っている演技は悪役が多いという。
ニコラスが初めて見たレックス・ルーサーは、マイケル・ローゼンバウムが演じたドラマ「ヤング・スーパーマン」版だった。「これまで本当に素晴らしい俳優たちがこの役に命を吹き込んできたという事実を、軽く見ることなんてできない」と真剣な面持ちで切り出すと、レックス・ルーサー役を継承することの難しさと責任を熱弁した。
「キャラクターに忠実であること、自分が感じる“レックス像”を大切にすること、そして今作のストーリーに貢献することの、バランスの取り方が求められる。同時に、過去の演技をなぞるのではなく、自分なりのアプローチを通じて、これまでとは少し違う“何か”をもたらしたいという気持ちもあった。ただ、表現を変えること自体が目的になってしまっては意味がない。自分の存在感を残したいという欲でキャラクターをいじってしまえば、結果的にそのキャラクターを損なうことになる。だから、今回の経験は、どこか“遊び心”もある一方で、すごく真剣な挑戦だった。私はこの役を演じてきた歴代の俳優たちを心から尊敬しているからこそ、同じ名前で語られるようになったこと自体、素直にうれしく思っている。そういった“一員”としてこのキャラクターに関われたことは、誇りに思っているよ」
レックス・ルーサーのトレードマークであるスキンヘッドは、今作でも忠実に再現されており、ニコラスが役づくりで実際に髪の毛を剃っている。実は、レックスのビジュアルづくりにはニコラスの息子が一役買ったそうで、「最初に息子にバリカンを持たせて、思いきり剃ってもらったんだ。あのような丸刈りは、誰がやってもそんなに失敗するようなことはないからね。息子が剃った後、仕上げは現場でヘアメイクチームにやってもらった」と裏側を明かした。
スキンヘッドは過去に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)のニュークス役で経験しており、「正直なところ、頭を剃るのってすごく気持ちがいいんだ」とニコラス。「マッドマックスの時にも剃ったことがあって、そのときの感触がすごく好きだった。それに、今回も頭を剃ったことで、末っ子がすごく楽しそうに私の頭をペチペチ叩いて喜んでいた(笑)。だから、私にとっても楽しい体験だった」と満足気な表情を見せた。
メガホンを取ったガン監督は、とにかく協調的で「本当に安心できる環境だった」という。撮影中は、俳優やクルーのアイデアや意見を受け入れながらも「どんな物語を描きたいのか」「映画として何が必要なのか」という明確なビジョンを抱いて臨んでいたとニコラスは証言する。
「たとえば私が、何かアイデアを持って現場に行って『こういうのはどう?』と提案すると、彼は『それはこの理由で合わないんだ』ときちんと筋道を立てて説明してくれる。すると私も『なるほど、それは考えていなかった』と自然と納得できる。でも逆に、私が『こう感じるんだけど』と直感的な意見を伝えたときに、それが彼にとっても面白いと思えたら、『それ、やってみよう』と受け入れてくれる。そして実際にうまくいけば、そのアイディアがそのまま作品に残ることもあった。だから、彼との現場は本当に素晴らしかった」と続けたニコラス。自分が求めているものを明確に理解しつつ、他者の声にも耳を傾けるガン監督を賞賛し、「信頼できる土台の上にクリエイティブさの自由が存在している現場だった」と振り返っていた。(編集部・倉本拓弥)
映画『スーパーマン』7月11日(金) 日米同時公開


