『ジュラシック・ワールド』新主人公は元工作員!スカーレット・ヨハンソン、役づくりで帰還兵を研究

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)の5年後が舞台となるシリーズ新章『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日全国公開)。キャストや登場人物は一新され、初の女性主人公ゾーラ・ベネットが誕生する。ゾーラを演じるのは、『アベンジャーズ』シリーズのブラック・ウィドウ役で知られるスカーレット・ヨハンソンだ。シリーズの熱狂的なファンであるスカーレットがインタビューに応じ、役へのアプローチや、かつての共演者から受け取ったアドバイスについて語った。
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『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督が新たに舵を取る本作は、かつてジュラシック・パーク開園のために使用された研究機関が眠る禁断の島を舞台に、新薬の開発に必要な三大恐竜のDNAサンプル採取に挑むチームの姿を描く。主人公のゾーラは、元特殊部隊の工作員で、成功すれば大金が手に入る危険な任務を請け負うことになる。
ゾーラは、恐竜行動学の専門家だった前主人公オーウェン(クリス・プラット)とは、性格もバックグラウンドも全く異なる。スカーレットは「彼女は軍人としてキャリアを積んできた人で、人々を助け、人の命を救うことに人生を捧げてきた。その過程で彼女にとって大切な人たちを失うことに。偉大な追求のために、勇敢な道を選んでしまった。そんな彼女は今、人生のターニングポイントに立たされている」とキャラクターについて説明。親しき友人からの助言で、人生を見つめ直そうとしているゾーラだが、スカーレットは「そう思い通りにはいかない」と笑顔で語る。
役づくりで徹底したのは、実際の兵士のメンタリティーに親しみを持つこと。スカーレットは、ゾーラにリアリティーを持たせるため、兵役から帰還した兵士たちの心理をつづった書籍を2~3冊熟読したり、米国慰問協会(USO)を通じて、何千人もの兵士と実際に接する機会を作った。
「社会から離れて、違った『もう一つの世界』で生きるという経験が、人にどんな心の状態をもたらすものなのか。戦争、そんな危機的状況の方が、むしろ日常生活よりも『生きてる』という人間的存在感として、慣れてしまいます。そんな兵士たちのメンタリティーに親しみを持てるように努力しました。(脚本家)デヴィッド・コープとも多く話し合って、“自分の人生経験すべてを背負っている”ような40歳の女性キャラクターにしたかったんです」
「軍の上官クラスの人たちに共通するのは、ポジティブで前向きの展望を持っていて、ユーモアのセンスがあること。人間の最も酷い面をたくさん見てきたからこそ、そういうセンスを持つことが必要になるのです。ゾーラにもそういう性格の一面を取り入れたいと思いました」
スカーレットは、シリーズ最新作の噂を聞きつけると、製作総指揮のスティーヴン・スピルバーグにコンタクトを取り、「どうしてもこの映画に出たい」と出演を直談判した。スピルバーグが手がけたオリジナル版への原点回帰を目指した本作は、予告編からもスピルバーグ・テイスト満載であることを予感させる。
『ジュラシック』シリーズの大ファンであるスカーレットも、演技中に“スピルバーグっぽさ”を実感した瞬間があった。「私がそう感じたのは、船内での幾つかのシーン。みんなが集まって、家族を救出した直後に、今後の計画を練る場面は、スピルバーグっぽいと感じました。その撮り方といい、一瞬でキャラクター全員がどんな葛藤を抱えているのかが分かるという点。大きなアクションの後に一息つける瞬間で、次の混乱アクションがやってくる前にそれぞれ人間関係が見えてくる。そのシーンが、まさにスピルバーグ・スタイルだと思いました」
そんなスカーレットにアドバイスを送ったのが、『アベンジャーズ』シリーズで共演したサミュエル・L・ジャクソンだ。『ジュラシック』シリーズでは、1作目『ジュラシック・パーク』(1993)で恐竜たちの餌食となったエンジニアのレイ・アーノルドを演じていた。
「共演俳優からもらったアドバイスで印象に残ってるのは、サミュエル・L・ジャクソンに言われた言葉。『全部自分でスタントやらないほうがいい』と言われました」といかにもサミュエルらしい冗談交じりのアドバイスを受けたスカーレット。「『なんで、そんな一生懸命、気張っちゃってるの?(笑) 君はプロのアスリートじゃないし、プロのアスリートになることもない。君のスタントダブルはプロのアスリートで、オレたちを見栄えよくしてくれるし、彼らの回復も早い。だから任せろ』と(笑)。あとは『顔は守れよ、ベイビー』。彼のアドバイスは自己保護の知恵です」と笑って見せた。もちろん、2人の信頼関係があってこそ投げかけられる言葉であり、スカーレットも「サミュエル・L・ジャクソンこそ、最高のアクション映画のレジェンドの一人です」と賞賛していた。(編集部・倉本拓弥)


