エイリアンが集う夢の場所!『星つなぎのエリオ』コミュニバースの構造がすごい

ディズニー&ピクサー映画『星つなぎのエリオ』でVFXスーパーバイザーを務めたクラウディア・チャン・サニがインタビューに応じ、さまざまな星の代表が集う場所=コミュニバースの構造について語った。
『星つなぎのエリオ』は、両親を亡くして地球でひとりぼっちの主人公エリオが、何光年も離れた星で、本当の居場所、大切なつながりを見つける姿を追ったファンタジー・アドベンチャー。今いる場所を“自分の居場所”だと感じられず、宇宙へ行くことだけを夢見てきたエリオが、ある手違いから地球人代表としてコミュニバースに招かれたことから物語は幕を開ける。
クラウディアはコミュニバースについて、「宇宙における国連のようなもの」と説明する。「合計16の惑星のエイリアンたちが集まっているの。住む環境も性格もそれぞれに違う、全ての可能性を形にしたようなエイリアンたちと、今まで見たことのないような宇宙を作りたかった」といい、たくさんのデザイナーに参加してもらうことでコミュニバースのリアルな多様性を実現した。
美術を担当したのは、『リメンバー・ミー』『レミーのおいしいレストラン』『モンスターズ・インク』などのベテラン、ハーレイ・ジェサップだ。コミュニバースは球体で、クラゲのような触手を持っており、クラウディアは「ハーレイは海の生き物や微生物から多くのインスピレーションを得た」と明かす。劇中では描かれていないものの、触手部分は、コミュニバースに来た宇宙船が燃料補給をするドッキングエリアとして使われているのだという。
コミュニバースは、回転する、それぞれに環境が異なる四つの円盤(暑い円盤、寒い円盤、水の円盤、緑豊かな円盤)が組み合わさって出来ている。「それぞれが宇宙に漂っていて、回転しているの。ハーレイは、外側も内側もそれぞれに回る中国のパズルボール(象牙でできた工芸品)からそのインスピレーションを得た。真ん中にはエネルギーの源があり、回転することで昼と夜を作り出している。すべては、皆がより住みやすくするためにね。大使たちはそれぞれ異なる環境の惑星から来ているから、各大使館は暑い円盤、寒い円盤、水の円盤、緑豊かな円盤のうち、それぞれの環境にあった場所にあるの。異なるニーズを満たし、一つのところに住めるように、というアイデアから生まれたものよ」
コミュニバース自体も移動可能で、現在は、常に“グロープ”と呼ばれるドリンクを手にした、陽気な古参の大使ヘリックスの星がある星雲にとどまっている。コミュニバースの夜空における星の配置はその設定に基づいたものになっているといい、クラウディアは「それは地球でも同じ。エリオが夜空を見上げた時に映るのは、実際にサマータイムのカリフォルニアで見える星と一緒なの」と細かなこだわりを明かした。
細部まで考えつくされた色鮮やかな宇宙で、クラウディアが特に注目してほしいと語るのが十人十色のエイリアンたちだ。「すごくユニークなデザインになっているから、皆さん一人一人に、お気に入りを見つけてもらえたらと思っている。それぞれに違いのある者たちが一緒に暮らし、上手くやっていっているというのは、わたしたちのあるべき姿だとも思うから」とほほ笑んでいた。(編集部・市川遥)
映画『星つなぎのエリオ』は公開中


