『ジュラシック・ワールド』俳優が異例の劇中音楽に参加 監督に直談判してクラリネット演奏
映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(全国公開中)で古生物学者ヘンリー・ルーミス博士を演じたジョナサン・ベイリーは、クラリネット奏者として劇中音楽にも参加している。オーケストラに混ざって演奏するベイリーの姿を捉えた、特別映像が公開された。
【動画】ヘンリー役ジョナサン・ベイリー、重要シーンの音楽を自ら演奏!
イギリス出身のベイリーは、Netflixの大ヒットシリーズ「ブリジャートン家」のアンソニー役でブレイク。Paramount+のドラマシリーズ「フェロー・トラベラーズ」ではエミー賞助演男優賞にノミネートされ、人気ミュージカルを映画化した『ウィキッド ふたりの魔女』ではフィエロ王子を演じるなど、今最も勢いのあるハリウッド俳優だ。
本作で演じたヘンリー・ルーミス博士は、『ジュラシック・パーク』の初代主人公アラン・グラント博士(サム・ニール)の教え子で、現在は博物館に所属する恐竜学のスペシャリスト。巨大恐竜を専門とする理論派の古生物学者で、実物の恐竜を“自然に近い環境”で観察できるチャンスに魅せられ、新薬開発のカギとなる恐竜のDNAを採取するミッションに同行することになる。
幼少期からスティーヴン・スピルバーグ作品の大ファンだったベイリーは、「『ジュラシック・パーク』は魂に訴えかけてくるものがありました。単なるファンタジーではなく、現代社会や自然界に対する向き合い方を描いているからでしょうか。スピルバーグだからこそ実現できた、贅沢な現実逃避にワクワクしました」とシリーズへの特別な想いを明かす。劇中でルーミス博士が腰に備える折りたたみ式スコップは、グラント博士が使用していたものと同じモデルであり、ベイリーはそれを“グラント博士からの贈り物”だと捉え、「アラン・グラントのバトンを受け継ぐことができて格別な気分です。自然を愛し、好奇心の塊のようなルーミスを演じるのは最高に楽しかったです」と喜びをかみしめた。

そんなベイリーは、クラリネット奏者として劇中音楽にも参加している。18歳の頃オーケストラに所属していたベイリーは、音楽監督を務めたアレクサンドル・デスプラに強い憧れを抱いており、本作を手がけたギャレス・エドワーズ監督に直談判して演奏の機会を得たという。「将来、こんな機会に恵まれることを当時の自分は信じないでしょう」とベイリーは夢のような共演を振り返る。
収録時はプロの音楽家たちに囲まれ、デスプラからクラリネットのソロパートを任されるサプライズも。ベイリーが奏でた音色は、劇中でルーミス博士がティタノサウルスに初めて触れる感動的なシーンで使用され、物語に深い余韻を与えている。演奏を終えたベイリーは「僕の人生のハイライトだ。まだ震えています」と笑顔を見せ、「こんな幸運をつかめたのは、ソロの指示が出た時あの部屋にいたうえに、恐竜に触る博士を演じたからです。現実とは思えない一方で、喜びに満ちた経験でした。まさに僕のキャリアの頂点だ」と誇らしげに語った。振り返っている。
エドワーズ監督は、ベイリーのキャスティングについて「彼はまるで子供のように驚いたり、興奮したりする感覚を持っていたので、まだ野生の恐竜を見たことがない古生物学者というキャラクターにピッタリでした」とコメント。「彼の目には独特な輝きがあって、人の心をつかむ力を持っています。たとえセリフのないシーンでも、彼がいるだけで全体の質が上がる。監督としてとても信頼できる俳優です」と彼の存在感を高く評価している。(編集部・倉本拓弥)


