「19番目のカルテ」ファーストサマーウイカ、“つかみどころのない人”を演じる難しさ クセの強い医師役に挑戦

松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系・毎週日曜よる9時~)で、心臓血管外科医・茶屋坂心を演じるファーストサマーウイカの公式インタビューが公開された。今夜放送される第5話の見どころと茶屋坂の魅力、松本の共演について語っている。
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「19番目のカルテ」は、医療における19番目の新領域・総合診療科がテーマのヒューマン医療エンターテインメント。松本演じる魚虎(うおとら)総合病院の総合診療医・徳重晃が「問診」を通して病気を診るだけでなく、患者の心や生活背景などから「最善」を見つけ出し、生き方そのものにも手を差し伸べる。原作は富士屋カツヒトの連載漫画。脚本は「コウノドリ」シリーズの坪田文。
ウイカが演じる茶屋坂は、卓越したオペ技術と華麗な経歴を持つ心臓血管外科医。その素顔はベールに包まれており、プライベートについては誰も何も知らないミステリアスな人物だ。第5話では、そんな茶屋坂の母・愛(朝加真由美)が、重篤な状態で病院に救急搬送されたことをきっかけに、彼女の心身に異変が起きる。
茶屋坂役について、ウイカは「原作と脚本、それぞれで描かれるキャラクターのバランスが、自分の体を通して“ちょうどいいあんばい”に着地できたらいいなと考えました」と語るウイカ。そのうえで、“クセ強”な役を演じることの難しさに触れ「外面的な部分での茶屋坂先生は、キュートでお茶目だけど、同じだけ冷たさと怖さがある、飄々とつかみどころのない人。圧倒的な天才だけど自立していて、お洒落でコミュニケーションも取れる。周りも見えていて特定の人物への興味は見せるが、本音は見せない。『よく分からない人』だとわかってもらえるように演じるのは、簡単ではないなと思いました」と語っている。
主演の松本については、「徳重先生と共通して、とても包容力のある方だと感じます。現場でもオフでも、相手を受け止めて認めた上で、的確かつ愛をもってアプローチされるので、その器の深さと優しさが伝わってきます」と証言。
「マクロとミクロ、両視点を持ち合わせた上でのムードメーカー。一方で、職人気質と相手に油断させない雰囲気もあって、『MJ』のカリスマ性を感じる瞬間も多々あります。さらには時折見せる“ゆるキャラ”的な愛嬌もあったりと、複合的で一言で語りきれない、魅力の塊のような方です」と絶賛している。
“ちょうどいいあんばい”を狙う演技
--原作、脚本を読んだ時の印象は?
もともと原作漫画は読んでいて、ポップで個性豊かな登場人物たちの中でも、茶屋坂先生は特にクセが強く、魅力的なキャラクターだと感じていました。
なので今回こうして役をいただいてとてもうれしかったです。
ドラマの脚本では、生身の人間が演じることで生まれるであろう感情の揺れ、細やかな心の動きが、総合診療科が掲げる「病気ではなく人をみる」というテーマを、より温かみをもって伝えられるのではないかと感じました。
脚本に描かれている茶屋坂先生は、茶目っ気があり飄々とした一面はそのままに、原作に比べてよりクールで、天才的な部分が強調されているように思います。
原作と脚本、それぞれで描かれるキャラクターのバランスが、自分の体を通して“ちょうどいいあんばい”に着地できたらいいなと考えました。
「よく分からない人」を演じる難しさ
--“天才心臓血管外科医”の茶屋坂を演じるにあたって準備したことはありますか?
まずは脚本に出てくる病名や手術の方法が「どんな病気で、どういった手術が行われるのか」を把握しました。今は便利な時代で、動画サイトなどに実際の手術映像もたくさんあるので、同じ術式の動画を探して撮影直前までずっと見ていました。
手術シーンは事前に別日に医療リハーサルがあって、リハで手元の動きは練習できるのですが、それだけでは補いきれない部分もあるので、撮影が本格化する少し前から、医療関係者の知人を訪ねて施設を見たり、外科の先生の話を聞かせてもらったりしました。あと、天才がやりそうなクランプの持ち方を調べて、監修の先生に相談しながら練習しました(笑)。
--役作りで特に意識したことはありますか?
物語が進むにつれて、茶屋坂先生のバックボーンや現在の状況が徐々に明らかになっていくので、台本をもらうたび「そうなの!?」と驚かされる新しい情報がありました。彼女がメインで描かれる第5話で初めて知る設定も多かったので、よりいっそう今までの秘めた心情へのフォーカスが必要でした。
心がどこにあるかを知りたがる理由、彼女自身の心の状態。失ってしまったのか、取り戻したいのか、それとも自ら封じ込めているのか…。そんなさまざまな可能性を、彼女を解剖して見つけ出すような気持ちでした。
外面的な部分での茶屋坂先生は、キュートでお茶目だけど、同じだけ冷たさと怖さがある、飄々とつかみどころのない人。圧倒的な天才だけど自立していて、お洒落でコミュニケーションも取れる。周りも見えていて特定の人物への興味は見せるが、本音は見せない。「よく分からない人」だとわかってもらえるように演じるのは、簡単ではないなと思いました。
「なんで?」という3文字のセリフ一つとっても、意図があるのかないのか、怒りなのか心配なのか、嫌味なのか優しさなのか、裏があるのか無いのか。彼女の言葉には常に玉虫色の解釈があると思って向き合いました。
茶屋坂自身も自覚のない感情がたくさんあるだろうし、心を探り求め続けることが彼女の行動とリンクする気がして、「分かりきらなくていい」と思いながら、チャレンジを続けました。
ベテランも若手も、笑いあふれる撮影現場
--主演・松本潤さんとお芝居で対峙してみての印象を教えてください。
松本さんは、演じられている徳重先生と共通して、とても包容力のある方だと感じます。
現場でもオフでも、相手を受け止めて認めた上で、的確かつ愛をもってアプローチされるので、その器の深さと優しさが伝わってきます。
マクロとミクロ、両視点を持ち合わせた上でのムードメーカー。
一方で、職人気質と相手に油断させない雰囲気もあって、「MJ」のカリスマ性を感じる瞬間も多々あります。
さらには時折見せる“ゆるキャラ”的な愛嬌もあったりと、複合的で一言で語りきれない、魅力の塊のような方です。
--他にも、撮影現場での共演者とのエピソードを教えてください。
(総合診療医となった滝野みずき役の)小芝風花さん、(内科医・鹿山慶太役の)清水尋也さんとは待ち時間に“MBTI(16タイプ性格診断)”で盛り上がりました。(外科医・東郷康二郎役の)新田真剣佑さんは、とにかく面白くて…今年一番の驚きかもしれません。
オペシーンでは、手術室にこもってずっと撮影していたので、(麻酔科医・大須哲雄役の)岡崎体育さんと(心臓血管外科医・戸田勝久役の)羽谷勝太さんと一緒に「今、何時でしょう?」という原始的な遊びもしました(笑)。
(院長・北野栄吉役の)生瀬勝久さんや、(外科部長・東郷陸郎役の)池田成志さん、(看護師・豊橋安希子役の)池谷のぶえさんたち、ベテラン陣も本当に愉快で、撮影現場の空気が一気に明るくなります。
第5話を“親と子”を考える時間に
--総合診療医についての印象は?
原作漫画で存在を知り、興味深い職業だなと思っていました。
私は普段から物事を複合的に捉え、ロジックで最適解を見つけていくのが好きなので、医学生だったら専攻の際に検討していたかもしれません。ただ私はマシンガントーク派なので、徳重先生のようにゆっくりと患者さんの話を聞けるかどうかは(笑)。
未だ普及率は高くないそうですが、家族にも話せない、相談先が分からない、地域に病院や医師が少ないなど、さまざまな悩みを最前線で受け止め、手引きになってくれる存在は、患者にとって救世主ですよね。 このドラマが、普及率や目指す人口の増加の後押しになれたらいいなと思います。
--最後に視聴者の皆さんに第5話の見どころをお願いします。
茶屋坂心という人物に感情移入できるかどうかは、人それぞれだと思います。ただ、“親と子”というテーマに関しては、誰もがかつて子どもだったという共通の記憶があるからこそ、何らかの共鳴はあるのではないかと思います。
「母はあの時、何を思っていたのだろう」「もし自分が親になったら、子どもに何を伝えたいだろう」。
そんな問いを、茶屋坂先生とその家族の関係を通じて、さまざまな視点から考えるきっかけになる回になっていると感じています。
世代を問わず何かを感じていただける第5話ですので、ぜひご家族皆さまでリアルタイムでご覧いただき、それぞれの立場で“親と子”という普遍的なテーマについて、感じたり語り合ったりしていただけたらうれしいです。


