福山雅治、キャリア史上最多NG マジックシーン「20近くやりました」

福山雅治が12日、都内で行われた映画『ブラック・ショーマン』(公開中)の初日舞台あいさつに登壇し、自分史上最多NGを出したマジックシーンや、予定を変更せざるを得なくなったオープニングシーンなどを振り返った。この日は、有村架純、岡崎紗絵、伊藤淳史、生瀬勝久、田中亮監督も来場した。
本作は、東野圭吾の小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を実写化したミステリー。挙式間近の神尾真世(有村)は、父・英一(仲村トオル)が殺され、実家のある町に戻る。元中学校教師として教え子たちから慕われていた英一が殺されたことが信じられない真世は、卓越したマジックの技と人間観察力を誇る元マジシャンの叔父・武史(福山)と共に事件解明に挑む。
生瀬演じる刑事・木暮大介は武史のマジックに翻弄されるシーンが多く、木暮と武史の初対面シーンの撮影では、福山が現場で身分証などを使ったマジックの練習を2時間も行ったという。生瀬が「CGで何とかなったんじゃない?」と疑問を呈するほどの高難易度のマジックを自ら行った福山は「感動のドミノ倒しの一枚目になりたい」と語り、そうなるためには現場で実際に挑戦することが重要だったと語る。そして、「仕掛けている僕だけじゃなく、受ける方も重要。あれはアクションですから。そこから(撮影に)入れたから現場の士気がグッと上がった」と、生瀬との息の合った芝居を満足そうに振り返る。
また、武史がジッポに手をかざすと火がつくマジックについて、福山は「僕のキャリア史上最も多くNGが出ました。20近くやりました」と、なかなか火がつかなかったことを打ち明ける。このシーンの相手も生瀬で、福山が「僕が何回も上手くいかなくて、生瀬さんが台詞を言わなきゃいけなかったから何回もやっていただくのは申し訳なくて『すいません』と言ったら、『回を重ねるごとに僕の台詞もなめらかになりますから何回もやりましょう』(と言ってくれた)。これが大俳優の矜持」と称えると会場からは拍手が送られた。生瀬は「ずっと謝っていて……。謝ることじゃないから。風(のせい)だから…と思った」と話すと、福山は「プレッシャーでした。ありがとうございました」と感謝した。
そんな苦労を重ねながらもマジックを習得した福山。田中監督は「マジックでは映像トリックを使わない、長回しでカットを割らないと決めて、福山さんにはその覚悟で臨んでいただきました。福山さんができるまでやっていただこうと託しましたし、本当にマジシャン・神尾武史になっていただいた」と敬意を示す。さらに、本作冒頭のラスベガスでのマジックショーがクランクアップのシーンであることを明かし、「当初の予定では、あそこまでの(大掛かりな)ショーになるとは思わなかった。福山さんのできることが増えたので、ついには(武史が)プロジェクションマッピング(の忍者たち)と戦うところまで行き切ってしまった。すごいものが撮れてしまった」と福山のプロ根性に感服していた。(錦怜那)


