ブラック・ショーマン (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
『ガリレオ』シリーズより、ライトでエンタメ寄り
重厚な人間ドラマを得意とする西谷弘から、『コンフィデンスマンJP』の田中亮に監督が変わったように、同じ東野圭吾原作でも『ガリレオ』シリーズに比べ、かなりライトでエンタメ寄り。身内が亡くなったにも関わらず、楽しそうに捜査するのはご愛敬だが、リアル・大人ジャイアンな木村昴など、容疑者になる有村架純演じるヒロインの同級生のキャラも含め、爆破のない「名探偵コナン」に近い。真犯人に関しても先読みできる展開だが、そこに至るまで、さまざまなサービスが仕掛けられているあたりも、TVドラマ的仕上がり。それにしても、『ビリギャル』の先生と生徒役の2人が結婚する設定は、十年の年月を感じさせる。
福山雅治の軽さがハマる
元々、福山雅治自身が東野圭吾にダークヒーローを演じてみたいと言ったところから始まった作品故に、映像化に関しても当然の様に福山が主演を務めた。福山雅治は20代の頃から様々なアレンジを加えながらも常に”程よい軽さ”を纏い続けてきた。今回は徹底的に人を煙に巻き続けるキャラクターであり、そんな軽さが実に心地よくハマった。変則的なバディを務める有村架純も硬軟自在な人なので、巧く立ち回っている。この二人がどっしりと物語の主軸にいることで周りのキャストも程よく機能していると言えるだろう。謎を追うというより福山のパフォーマンスを堪能するのが正しい観方だろう。シリーズ化も十分あり得るのでは。



















