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「べらぼう」なぜお笑い芸人多い?多彩なキャスティングの意図は

くっきー!演じる勝川春朗(葛飾北斎)
くっきー!演じる勝川春朗(葛飾北斎) - (C)NHK

 放送から約9か月が経過し、いよいよ終盤に向かう横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)。「べらぼう」で話題といえば、多彩なキャスティング。これまで声優、お笑い芸人、歌手、現役力士など幅広い分野から起用されてきたが、中でも多いのが声優とお笑い芸人。こうしたキャスティングの意図について、制作統括の藤並英樹チーフプロデューサーが語った。

【画像】若かりし葛飾北斎&曲亭馬琴

 大河ドラマ第64作「べらぼう」は、江戸時代中期、貸本屋から身を興して書籍の編集・出版業を開始し、のちに江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜)の物語。脚本を大河ドラマ「おんな城主 直虎」やドラマ10「大奥」シリーズ(NHK)などの森下佳子、語りを綾瀬はるかが務める。

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 本作は主に主人公・蔦重が暮らす日本橋界隈と、老中・松平定信(井上祐貴)ら江戸城と二つの舞台で進行するとあって、とにかくキャラクターの数が多いのが特徴。女郎屋・扇屋役の山路和弘をはじめ地本問屋役の中井和哉松田洋治関智一高木渉井上和彦(奉行役)、水樹奈々(狂歌師役)、島本須美(女中役)、そして先ごろ発表された滝沢瑣吉(曲亭馬琴)役の津田健次郎ら声優が大挙出演。

津田健次郎演じる滝沢瑣吉(曲亭馬琴)

 また、お笑い業界からもネプチューン原田泰造(三浦庄司役)、鉄拳(礒田湖龍斎役)、ダチョウ倶楽部肥後克広(彫師役)、サルゴリラ(吉原の客)、クールポコ。(餅つき職人役)、芋洗坂係長(農民役)、3時のヒロイン福田麻貴(日本橋の女将役)、ひょうろく(松前廣年役)、コロコロチキチキペッパーズナダル(表坊主役)、有吉弘行(服部半蔵役)、U字工事(栃木の豪商役)、川西賢志郎(地本問屋)……と多数で、19日放送・第40回で野性爆弾くっきー!演じる葛飾北斎(勝川春朗)が、曲亭馬琴役の津田健次郎と共に初登場する。

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 キャスティングで注視しているポイントについて、藤並CPは「一言で言うならば、『べらぼう』はエンタメを描く物語だからです」と話す。

 「このドラマではエンタメがどれほど世の中に必要とされているのか、人の心を救うのか、そういったところを描いていきたいので、エンターテインメントの力を体現してくださる方にお願いしたいと。日本のエンタメを支えてきてくださった方々や、日本のエンタメを象徴するような方々に出ていただけたらうれしいです。ですから俳優さんに限らず、魅力的な個性を出してくださる方々にオファーをさせていただいています」

 そして声優、お笑い芸人を多く起用している背景についてこう語る。

 「声優さんが多いというのは、やはり時代劇というのはセリフが難しくて聞き馴染みのない言葉も多いので、滑舌の良さや発音の良さが重要。ですから僕は時代劇の出演者としてかなり信頼を置いていますし、このドラマはキャラクターの数が多いので、声で個性を表現できる声優さんの力はかなり大きいと思っています。あと、お笑いの方が多いことに関していえば、短いシーンでしか登場しないキャラクターも多いんですけれど、その短いシーンの中でキャラクターをつかむのがお上手だなと感じることが多くて。例えばナダルさんに表坊主の役で出ていただきましたが、役に関してドラマの中で特別な何かを描くわけではないにもかかわらず、短いシーン(1分未満)にして、心の中にちょっと野心や腹黒さみたいなものを持っている感じをうまく出してくださったと思います」

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 今後明らかになる新たな出演者にも期待が高まるが、終盤戦の見どころついて藤並CPは「最終局面で言うと、まずはこれから喜多川歌麿(染谷将太)が美人画の歌麿になっていくわけですが、どういう過程で、どういう変化の中で、彼が美人画の大家となっていくのかというのが一つ。そして、おそらく皆さんが期待されている写楽。彼の正体が誰なのかということよりも、なぜ蔦重が写楽と組むことになるのかというところにご注目いただき、楽しんでいただけたらと思っています」と話していた。(取材・文:編集部 石井百合子)

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