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「ばけばけ」話題のしじみ汁「現場が家庭的な気持ちに」トキ&タエ料理シーンの舞台裏

落としたしじみを拾うトキ&タエ
落としたしじみを拾うトキ&タエ - (C)NHK

 高石あかり(高=はしごだか)が主演を務める連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で度々話題になるのが、ヒロイン・トキの母親・松野フミ(池脇千鶴)が作る「しじみ汁」だ。16日放送の第14回では、トキが病に倒れた雨清水傳(堤真一)にしじみ汁を振る舞おうと、傳の妻・タエ(北川景子)と一緒にしじみ汁を作るシーンが登場した。制作統括の橋爪國臣が、第14回で描かれたトキ&タエのしじみ汁作りや、トキ&傳のほのぼのとした食事シーンの裏側、料理指導の取材内容が反映されているという料理シーンについて語った。(以下、第14回のネタバレを含みます)

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 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

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 第14回冒頭でトキが病に伏せる傳におかゆを食べさせるシーンは、ほのぼのとした、とても温かみのあるシーンに仕上がっている。少し緊張気味のトキに傳は「少し恥ずかしくてな」と笑みをこぼし、傳の子供のような表情を見て、トキの表情も和らぐ。橋爪は「後で考えてとても切なく感じるシーンになった」と同シーンを振り返る。

 堤と高石のやりとりは、演技に見えないほどリアルだ。「二人の和やかな様子が、本当に素でやっているように自然に見えました。すごいですよね。あのシーンだけ見ると、のほほんとしていますが、この後の展開を知っていると、すごく切ないシーンに思えました。二人の演技がとてもリアルだからこそ、そう見えたんだと思います」と橋爪は話す。

 同じ第14回では、トキが松野家のしじみ汁を傳に振る舞おうとし、洗う前のしじみを床にこぼしてしまう。それを拾ったタエが、しじみ汁作りをトキのそばで手伝い、トキから作り方を教わるシーンもとても微笑ましく、家庭的な温もりに満ちたシーンとなっている。橋爪は「しじみ汁を作っているときは、撮影現場も本当にいい匂いになります。その匂いに誘われるように、撮影現場も温かい家庭的な気持ちになり、その空気感がシーンにも現れます」と撮影の裏側を紹介した。

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 しじみ汁を使った撮影に関しては「料理指導の広里貴子さんに、(ドラマの舞台)松江まで取材に行っていただき、地元の市場や料亭や家庭料理の店に行って、『しじみってこう洗うんだ』など、取材メモを作っていただきました。それを活かしながら台本を作っています。しじみを洗うタエとトキのやりとりも、その取材の内容が反映されています」と広里の貢献を強調する。

 しじみ汁の味噌を溶かす動きを説明する際、「お茶をたてる時のよう」と説明するのは、脚本家・ふじきみつ彦のアイデアだ。「松江はお茶の町。祭りに行き『お茶でも飲みますか』と出されるお茶は煎茶ではなく、ちゃんとたてたお茶が出てくるんです。お茶文化の根付いた場所で、タエさんみたいな人なら、お茶で説明した方が分かりやすいのではないかとなって、あのしじみ汁のシーンになりました。すごく素敵な親子のシーンになったと思います」

 撮影中に作ったしじみ汁は、出演者やスタッフも楽しんで食べているという。橋爪は「本当に美味しいです。撮影で使用しなかった分がある時は、休憩時間になるとみんなでご飯としじみ汁を食べています。本当に美味しいと『あー』とかそういう言葉すら出てこなくなるんです」と笑顔で話していた。(取材・文:名鹿祥史)

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