石田ゆり子『もののけ姫』録り直しを直談判 鈴木P「真剣な目で迫られました」

俳優の石田ゆり子が20日、都内で行われた『もののけ姫』4KデジタルリマスターIMAXプレミア試写会舞台あいさつに、俳優の松田洋治、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと登壇。石田が後悔が残るサンの声の撮り直しを鈴木に直談判していたことを明かした。
【ノーカット動画】石田ゆり子が貴重エピソード回顧『もののけ姫』試写会
宮崎駿監督作『もののけ姫』は、死の呪いをかけられた主人公・アシタカ(松田)と“もののけ姫”と呼ばれる少女・サン(石田)、タタラ場に生きる人々、シシ神の森に棲む神々の交錯する運命を描いたファンタジー。1997年7月の初公開当時、観客動員1,420万人、興行収入193億円(※2020年の再上映を加算すると、現在は観客動員1,500万人、興行収入201.8億円)を記録し、社会現象を巻き起こした。この度、スタジオジブリが監修した最高画質の4Kデジタルリマスター版で蘇る。
公開当初の28年前を振り返り、思い出話に花が咲く一同。石田は自身の起用について「なぜ、わたしなんだろう……と天にも昇るほどうれしかった」というが、アフレコがはじまると「たくさんの資料を事前にいただいたけど、読んでも読んでも……。サンは台詞はそんなにないんですけど、息とか、立ちのぼって来る気配とか、人間であって人間じゃない、動物になりたいけど動物にもなれない不思議な役なので難しかったです」と思い返す。
また、「全員の中で一番下手くそでした。わたし一人、居残り授業みたいな感じで」と明かし、「お前、死ぬのか?」とアシタカに投げかける台詞は「宮崎駿さんに『お前、パンツ履いてないじゃん』という風に言えって言われて。最初は『死んじゃダメ!』みたいに言っていたけど、『この子にとっては“あんた、パンツ履いてないけど、どうしたの?”という程度の出来事だ』と言われて、当時のわたくしには難解過ぎて、毎日泣きそうな気持ちでした。夢の中だけど地獄みたいな不思議な恍惚感がありました」と回顧した。
さらに石田は「ギリギリまで『この子、やめた方がいいんじゃないか』と思われていたと思う。今でも、もう一回やりたい。でも、もうこの声出ないので」と現在の心境を告白。すると鈴木が「10年前に彼女に会った時、いきなり言われたんですよ。『声を全部吹き替えたい。もう一回やり直したい』って。これは悩んだんですよ。音の作業を全部やり直すんだよ。いくらかかるかなぁと思ったりして。でも、真剣でした。『今ならやれる。あの時とは違う』とすごい真剣な目で迫られました」と打ち明ける。
その後、二人はスタジオジブリに行くことになるが、石田が運転する車に乗った鈴木は「悩んでる時でしょ? どういう運転をするか……。自分と年が同じ車と言っていた。(年季の入った車ということもあり)生きた心地しないですよね」とぶっちゃけて会場の笑いを誘っていた。(錦怜那)
映画『もののけ姫』4Kデジタルリマスター版は10月24日(金)よりIMAXにて期間限定上映


