杉咲花、焼肉の食べ方が「アスリートみたい」本番に向けて緻密に計算 板垣李光人が感心

俳優の杉咲花が25日、都内で行われた映画『ミーツ・ザ・ワールド』公開記念舞台あいさつに登壇し、本作において重要な食事シーンを振り返った。この日は、南琴奈、板垣李光人、蒼井優、松居大悟監督も来場した。
『ミーツ・ザ・ワールド』は、芥川賞作家・金原ひとみによる柴田錬三郎賞受賞作の映画化作品。擬人化焼肉漫画を愛する27歳の由嘉里(杉咲)は、オタク仲間たちが結婚・出産と違う世界に「離脱」していく状況に不安や焦りを感じ、婚活に乗り出すが惨敗。歌舞伎町の路上で酔いつぶれていたところを美しいキャバクラ嬢・ライ(南)に助けられ、その出会いを機に新しい世界へと導かれていく。
食事シーンが多い本作。松居監督は「“生きること”が映画のテーマで、生きることと食べることはつながってくると思ったので、(登場人物によって異なる)生きることへの距離感だったりとか(を表現する上で)食べることは気にしてやってほしいという話をしました」と演出意図を明かす。杉咲は「『モリモリ食べてほしい』と言われていたので、そのことしか考えずにやっていました。ラーメン屋のシーンが何度か出てきて、本当に美味しくて、みんなカットがかかった後も食べていました」と笑顔で思い返す。
板垣は「由嘉里と一緒に焼肉を食べるシーンを撮っている時、アスリートみたいだなぁと思いました。一番映るカットに向けて(食べる量を)控えめにしておくとか、たくさん食べられるように肉の脂の分量を少な目のものにするとか、緻密に計算しながらやられていました。僕も一緒に考えながら食べていたんですけど、スポーツしているみたいでした」と振り返る。
杉咲は「焼き上がるまでを逆算して、お肉を1分くらい焼いた状態で本番を始めよう、みたいに計算しました」と説明すると、松居監督は「炭火だったのでコントロールが難しくて」と申し訳なさそうに話していた。
そんな本作の撮影期間は「苦しい日々だった」という杉咲は、「自分は演じるときに個人的な感情を持ち込む方ではないけれど、由嘉里を演じていて、他者と自分を比較してしまうところとか、自分のことを好きになれないような部分とか、他人ごとではないような、人に見せてはいけないようなところを見せているような感覚になりました」と告白。しかし、「撮影中はその苦しみの中にいたので気づかなかったんですけど、完成した映画を客観的に観たときに、人に見られて恥ずかしいと思ってしまうところを、案外、人は面白がってくれると気づいて救われた」ことも打ち明ける。そして、「自分のことは好きになれなくてもいいから、そういうところも含めて自分なんだとエールをもらえる作品になりました」と自信をのぞかせた(錦怜那)
映画『ミーツ・ザ・ワールド』は全国公開中


