「ばけばけ」小谷役・下川恭平、高石あかりと意外な接点 制作統括が明かす起用秘話

高石あかり(高=はしごだか)が主演を務める連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、ヘブン(トミー・バストウ)の生徒・小谷春夫を演じている下川恭平。第10週・第46回(1日放送)では、小谷がヒロイン・トキ(高石)の家の前をウロウロする姿が描かれ、彼がトキに恋心を抱いていることが判明した。制作統括の橋爪國臣が、下川の起用理由や、高石との意外な共演エピソードを語った。
【明日のばけばけ】リヨ(北香那)がトキ(高石あかり)に腹を立てる…
連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。
橋爪は小谷について「史実の中で参考にした人物はいますが、かなりオリジナルなキャラクターです」と紹介。「大谷(正信)さんというハーンの教え子がいて、その人を少しだけ参考にしています。東京時代に若い大谷とセツさんがいい雰囲気に見えて、ヘブンが嫉妬したというエピソードが残っているんです」とヘブンとトキの間に割って入るような大谷正信の存在に興味を持ったと振り返る。
小谷を演じる下川は、参加者278人のオーディションの中から選ばれた。「(錦織役・吉沢亮が主演する)映画『国宝』にも出演していますし、高石さんとも共演経験がある方です」と橋爪が話したように、吉沢とは『国宝』で直接の共演場面はなかったものの、高石とは過去に台本なし、全編即興の映画『ハッピーエンディングス』でしっかり共演していた経緯があり、仲も良いという。「下川さんはお芝居が上手いんです。器用にいろんなことができる役者さんなので、その器用さが小谷とマッチすると思いました」
高石と下川の仲良しエピソードについて、橋爪は「オーディションを受けるにあたって、下川さんが高石さんに連絡を取り、『これからオーディションを受ける』と話していたそうです。高石さんは『頑張って』と声をかけたみたいですが、彼女も『絶対、下川さんが小谷になるに違いない』と予感していたそうです」と二人の事前のやり取りを紹介した。
高石は、脚本が出来上がる前からストーリーの説明を受けており、橋爪は「(恋模様を描くことについて)きっとそんな展開になるだろうなというのも、わかっていたと思います。でも、下川さんはあまりに小谷にぴったり過ぎて、そんなぴったりすぎる彼をキャスティングすることが面白いのかどうか、逆にこちらも考えたりもしました。素晴らしいです」と笑顔で起用経緯を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)


