『アバター3』未成年者との“55歳差キスシーン”をどう作り上げたか

ジェームズ・キャメロン監督が、現在公開中の映画『アバター』シリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』での“55歳差キスシーン”をどのように作り上げたのかを The Hollywood Reporter に語った。
同作には、シガーニー・ウィーヴァー(現在76歳)が演じた14歳のナヴィの少女キリと、ジャック・チャンピオン(現在21歳)が演じた人間の少年スパイダーのキスシーンがある。第2弾『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』と本作の撮影は連続して行われ、ジャックは撮影時14~16歳だった。
キャメロン監督によると、2人は実際にはキスをしていないといい、「わたしたちがやったのは、シガーニーが他の人にキスをし、ジャックが他の未成年者にキスをして、それを合成するということだ」と説明。「彼らはそのシーンを演じ、キスシーン以外はすべてやった。シガーニーが彼の頬にキスするのは問題なかったと思う。親密なシーンにはたくさんのルールがあり、あれはちょっとした“ごまかし”をしないといけない数少ないシーンのうちの一つだったんだ。だが、そうするしかなかった」
シガーニーも「あのシーンにはキスが含まれていたから、とても慎重にならなければいけなかった。もちろん、当時14~15歳だったジャックにキスするつもりなんてなかったけど」と語る。デジタルの力で生み出された2人のキスシーンを観た時のことを振り返り、「(本物だと)信じられた。2人の間の感情はあまりに本物で、ジャックの実年齢とわたしの実年齢について心配する余地はないと思った」とその出来には満足げだ。
そもそもキリとスパイダーの関係を発展させたことについて、キャメロン監督は「2人をきょうだいのような関係のままにしておくべきか否か、創作面でかなりの議論があった。そして、わたしは『いや、どう表現すればいいのか、どう向き合えばいいのかわからない、あのぎこちない若い愛を描こう』と思った」とPeople.comにコメント。
種族の違う2人の大きな身長差があるキスシーンは、キャメロン監督の中学時代の淡い思い出に基づいている。「彼女が滝で彼にキスする時、彼女の方が頭一つ分背が高いから、かがまなければならないというイメージが大好きなんだ。わたしが中学1、2年生の頃、女の子たちは皆わたしより背が高かったが、そんなことではわたしは止まらなかった! 自分よりも背が高いわけだけど、わたしは彼女たちをすごくクールだと思っていた」と明かしていた。(編集部・市川遥)


