『チェンソーマン レゼ篇』監督、“可愛いデンジ”に手応え「マキマよりも可愛くなってしまったのでは」

映画『チェンソーマン レゼ篇』(全国公開中)の制作スタッフトークショーが31日、TOHOシネマズ新宿にて開催され、吉原達矢(監督 ※吉はつちよし)、中園真登(副監督)、牛尾憲輔(音楽)が出席し、作品へのこだわりを語り合った。
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本作は、悪魔の心臓を持ちながらデビルハンターとして活躍する少年の姿を描いた、藤本タツキのコミックを原作とするアニメの劇場版。制作をMAPPAが担当し、主人公のデンジを戸谷菊之介、レゼを上田麗奈が務める。
昨年9月19日に劇場公開されると、そのクオリティーの高さが大きな反響を呼び、公開から昨日までの134日間で、観客動員686万人、興行収入104億円を突破する大ヒットを記録している。すでに10回以上も作品を観ている猛者がいるなか、吉原監督は「本当に世間やメディアから注目いただき、自分の周囲の人からも、対応しきれないほどの反応をいただいております」と笑顔を見せる。
圧倒的な世界観を演出した吉原監督は「自分自身、劇場映画の監督というポジションに携わるのが初めてでした。基本的にはテレビシリーズと変わらない部分も多いのですが、各スタッフへ自分のこだわりを伝えたり、皆さんの力を借りて夢を叶えてもらったりするような立ち位置でした」と語ると、「自分は『チェンソーマン』において、ユニークなシーンを読んだり見たりするのが好きなんです。今作で言うと、冒頭のビームがデンジに抱きついたりするわちゃわちゃしたシーンなどですね。これまでになかった雰囲気の楽曲をスタッフに組んでもらって、やり遂げられたかなと感じています」と自信をのぞかせた。
また吉原監督は、“可愛いデンジ”という部分について「絵コンテでちょっと顔を描きすぎてしまいまして(笑)。完成画面を見るとマキマよりもデンジの方が可愛くなってしまったのではないかと思うほど、良い結果になったと思っています。今作は絵コンテありきで動いていましたが、素材が出来上がっていく中で、各スタッフが要素を足してくださり、ライブ感のある現場だったなと感じています」と笑顔を見せていた。
また、デートシーンを担当したという中園副監督は「レゼの多面的な側面をどう見せるか。主人公のデンジにとって魅力的に映ると同時に、観客にも素直に“可愛い”と思ってもらえる塩梅を考えました。その後の学校でのサスペンス的なシーンや、レゼの本性が見え隠れする場面、そして最後の高台での花火のシーン。パートごとに彼女の描き方が変わってくるので、それを繋げた時に違和感がないよう、うまくグラデーションを作っていくのが大変な部分でした」と裏話を披露。
吉原監督も「瞬きひとつ取っても見逃してしまいそうな繊細な芝居などは、レゼ役の上田麗奈さんの演技と相まって、より魅力的なキャラクターになったと感じています」と作り手、声優とのコラボで作品が一段上がったことを明かしていた。
テレビシリーズから引き続き、『チェンソーマン』の世界を音楽で彩った牛尾は「映画の場合は“フィルムスコアリング”といって、映像の尺にバッチリ合わせて曲を作れるのが大きな違いです。一方で、視聴環境も非常に重要です。例えば、最後にレゼが海辺にいるシーンのバイオリンなどは、テレビだと音量が小さすぎて聞こえないような繊細な音を使っています。劇場という静かで集中できる環境、そして良いスピーカーがあるからこそ、あのような繊細な表現から大きな音まで幅広く使うことができました。レゼは劇場版になるだろうという噂を早い段階で聞いていたので『オーケストラをやろう』と決めていました。オーケストラなら、小さな音から大きな音までフルに使えるからです。特にプールのシーンなどは、それがうまく作用して作っていて楽しかったです」と振り返っていた。
まだまだ熱狂的なファンが作品を盛り上げている。吉原監督は「非常に良い感触をいただいており、感謝しています。原作も第2部が連載中ですが、この『レゼ篇』で得た勢いを活かして、より楽しく、面白く、そして衝撃的なアニメとして描いていければと思っています。何より、映画で初めて『チェンソーマン』を知ったという新規の方も増えてくださったことは、クリエイター冥利に尽きます。これからもどうか応援のほど、よろしくお願いいたします」と客席に呼びかけていた。(磯部正和)


