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『私がビーバーになる時』ピクサー初の日系人ヒロインはこうして生まれた

強い絆で結ばれたメイベルとおばあちゃん
強い絆で結ばれたメイベルとおばあちゃん - (C) 2026 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

 本日公開のディズニー&ピクサー最新作『私がビーバーになる時』は、全米ではピクサーオリジナル作品として『リメンバー・ミー』(2017)以来最高のオープニング興行収入4,534万9,801ドル(約70億円)を上げ、批評家および観客からも大絶賛されている話題作。大学生のメイベルがビーバー型ロボットに自分の意識を転送し、高速道路計画で危機に瀕する思い出の森を動物たちと守ろうとするハチャメチャなアドベンチャーなのだが、彼女のフルネームは「メイベル・タナカ」。ピクサー映画で初となる、日本人の血を引くヒロインだ。ダニエル・チョン監督とプロデューサーのニコール・パラディス・グリンドルがインタビューに応じ、メイベルというキャラクターがどのようにして生まれたのかを明かした。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル155円計算)

【画像】可愛すぎ!ビーバーになったメイベル

 グリンドルは「わたしたちのプロダクション・デザイナーは日系アメリカ人なんです。(メイベルを日系アメリカ人にするというのは)ダニエルのアイデアだったのですが、映画の中に日系アメリカ人が登場することは、彼女にとって非常に重要なことでした」と切り出す。

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 「彼女の家族はカリフォルニアで何世代も続いていますが、アジア系アメリカ人がスクリーン上で描かれる機会は、自分の家族に見せたいと思えるほど多くはないと感じていたようです。そう感じているアジア系アメリカ人は、実は膨大な数に上ると思います。だから、ダニエルがこれを提案してくれたのは素晴らしいことでした。彼自身、日系アメリカ人がたくさん住んでいるコミュニティーの出身だったので、それがインスピレーションとなったんです」(グリンドル)

ダニエル・チョン監督
ダニエル・チョン監督

 チョン監督も「そうなんです。僕は日系アメリカ人が多く住む郊外で育ち、中には3世や4世の人たちもいました。親友はみんな日系人で、今でも付き合いがありますし、よく会っています。だから彼らの世界にどっぷりと入り込んでいましたし、家族全員にも会う機会がありました」と明かす。そんなチョン監督のリアルな経験に基づいて生まれたのが、訛りのない英語を話すメイベルのおばあちゃんだ。

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 「メイベルのおばあちゃんが物語において非常に重要なキャラクターになるとわかった時、友人の家のおばあちゃんたちのことを考えました。彼女たちは2世や3世で、人生のほとんどをアメリカで過ごしているので、英語に訛りが全くないんです。そこでふと思ったんです。『スクリーン上で、訛りのないアジア系のおばあちゃんを見たことは一度もないな』と。それを映画で描くのは、すごく興味深いことなんじゃないかと考えました」(チョン監督)

 チョン監督はスタジオジブリの高畑勲監督作『平成狸合戦ぽんぽこ』のファンであり、同作が『私がビーバーになる時』に与えた影響は大きいと語る。「とてつもなく大きな役割を果たしました。メイベルを日系人にした理由というわけではないのですが、動物たちの世界の描き方や、“動物には二つの見え方がある”という表現方法においては、間違いなく大きな影響を受けています。一つは“点のような目”(リアルな動物の姿)、もう一つは“カートゥーンのような目”(擬人化した姿)で見せるという手法です」

 「『ぽんぽこ』ではまた別の使われ方をしていましたが、僕たちはそれを“ホッピング(動物ロボットへの意識の転送)”という本作で描いた技術に応用しました。つまり、人間が動物を見ている時は普通の動物に見えますが、ホップして動物の視点へと切り替わると、動物たちが擬人化されたキャラクターとして見えるようになるんです。そうやってあの作品からインスピレーションを得て、僕たちなりのやり方で活用させてもらったんです」(チョン監督)

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ニコール・パラディス・グリンドル
プロデューサーのニコール・パラディス・グリンドル

 メイベルは、まるで意思があるように跳ね上がった髪もチャーミングで特徴的だ。グリンドルは「ダニエル(チョン監督)は最初から彼女をどこか野性的で、エネルギーあふれるキャラクターにしたいと考えていました。ですから髪型がその大きな部分を占めているのは間違いありません。人間の姿の時の彼女の髪に特徴的な形を持たせることで、それをビーバーになった時の姿にも反映させることができたのは、とても効果的でした。例えば、ビーバーのメイベルが怒った時、毛がぐわっと逆立つのですが、それは人間のメイベルでも同じなんです! 彼女の髪もまた、その野生味の表れなんですね」と語る。

 チョン監督も「その通りです。補足するならば、髪型だけでなく、彼女のあらゆる部分が型破りなんです。僕たちは彼女を、人間社会よりも自然との結びつきが強いと感じられるキャラクターにしたかった。ですから、キャラクターとしてどこか野生児のような雰囲気があります。全身傷だらけで服も破れていますが、彼女は自分の見た目を全く気にしていません。性格も行動も型破りなんです。そうしたすべての要素が組み合わさって、僕たちが目指したキャラクター像になりました。つまり、弱い者のために戦い、動物や自然を深く愛する情熱的な人物です」と説明した。

 その型破りで野生的なエネルギーはメイベルが幼い時も、大学生になった時も、果てはビーバーになった時も一貫して感じられ、おばあちゃんとのストーリーラインにも活きている。もふもふでかわいいたくさんの動物たちはもちろん、製作陣のこだわりが詰まったメイベルのキャラクター造形に注目して映画を楽しむのもまた一興だ。(編集部・市川遥)

映画『私がビーバーになる時』は公開中

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