『モータルコンバット』元柔道選手のサブ・ゼロ役、“先生”真田広之をリスペクト 第3弾ではスコーピオンと共闘熱望

映画『モータルコンバット/ネクストラウンド』(全国公開中)で、冷徹な暗殺者ビ・ハン/サブ・ゼロを演じたジョー・タスリムがリモートインタビューに応じ、因縁の相手スコーピオン/ハサシ・ハンゾウ役を務めた真田広之との関係性、パワーアップして帰ってきたサブ・ゼロの変化について語った。
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人気格闘ゲーム「モータルコンバット」に基づく本作は、太古より続く格闘トーナメントを舞台に、人間界から選ばれし戦士たちが、世界の終焉を防ぐために魔界の強敵たちと死闘を繰り広げるアクション。氷を自在に操るビ・ハンは、白井流の最強忍者であるハンゾウの妻子を殺害した過去があり、復讐の戦士と化したハンゾウと因縁の対決を繰り広げてきた。
劇中では対峙しているジョーと真田だが、撮影外では友人として親しい関係を築いているという。元柔道インドネシア代表選手の経歴を持つジョーは「自分の中に日本文化が根付いているので、私は真田さんのことをいつも『先生』と呼んでいます」と明かす。
そんな“先生”真田を「アイドルでありロールモデル(手本)」と敬愛するジョーは、「憧れの人を相手に戦うのは本当に怖かったです。役としては、彼を殺そうとしなければならないのに、実際は彼を愛しすぎている。妙な感覚でした」と敵対関係に戸惑いを感じたこともあったという。
撮影現場では、真田と冗談を言い合っていたというジョー。「真田さんはとても面白い方なんです。みなさんは、彼を非常にシリアスで静かなイメージで見ているかもしれませんが、打ち解けてみると、実はとてもユーモアがあって温かい人です」と真田の意外な一面を明かしていた。
魔術によって復活したサブ・ゼロは、漆黒の忍者へと変貌を遂げ、影分身を駆使してスコーピオンに襲いかかる。キャラクターの設定については、プロデューサーのトッド・ガーナーやメガホンを取ったサイモン・カーティス監督を交えて、多くの議論が交わされた。
「ある時、私は彼らに『なぜビ・ハンには影(シャドウ)があるのか?』という疑問を投げかけました。俳優としては、ゲームの設定だけを知っていればいいというわけではありません。氷の忍者から影の忍者へと変貌を遂げることは(ゲーム上では)明白ですが、演じる側としては、時にはそれ以上の答えや、演技の土台となる根拠が必要なんです」
「話し合いの結果、私は自分なりに納得できる一つのアイデアにたどり着きました。それは『ビ・ハンの内には、常に闇が潜んでいた』ということです。2021年版を観返してみると、彼の頭の中では常に何かが渦巻いています。映画の冒頭でハンゾウを殺した直後のビ・ハンの目を見てください。そこには喜びも満足感もありません。まるで何かを失ったような、何か大切なものが欠けているような表情をしています。人間だった頃も、サブ・ゼロだった頃も、彼の内にはもう一人の自分(オルター・エゴ)である闇が存在していたのだと。そして続編で蘇った時、その闇が“影”として解放されたのだと考えました」
「つまり、ビ・ハンの影は単にかっこいいからとか、よりダークに見せたいからといった演出上の理由で登場するのではなく、最初から彼の一部だったのです。彼が復活したことで影が解き放たれ、本来のオルター・エゴが姿を現した。ホスト(宿主)とパラサイト(寄生体)、あるいは共生関係や相利共生のようなものです。影は彼のために共に戦います。影は決して新しい能力ではなく、最初からずっと彼の中にあった。私にとっては、単に影が代わりに戦ってくれるからクールだと思うよりも、そうしたキャラクターの物語としての裏付けがある方が、確信を持って自信を持って演じることができました」
『モータルコンバット』はすでにシリーズ第3弾の企画が進んでおり、ジョーも「サブ・ゼロとスコーピオンがいない『モータルコンバット』は、何か決定的なものが欠けているような気がしますよね」と早くも続投へ意欲を見せている。
一方で、サブ・ゼロとスコーピオンの死闘が決着するのではと心配もあるという。「私たちはすでに2本の映画で戦いました。『モータルコンバット3』を作る機会に恵まれたとしたら……二人の戦いに終止符が打たれるのではないかと危惧しています。物語として、いつか宿命のライバル関係が終わる必要があるからです。でも、私はそうなってほしくはありません」
続けてジョーは「『モータルコンバット3』で、二人は友人になってほしい」と願望を告白。「彼らが戦い合うのではなく、力を合わせて悪党を倒す姿が見たいんです。スコーピオンとサブ・ゼロが共闘することを想像してみてください。無敵ですよ! 私は脚本家ではないので分かりませんが、将来的にどこかで平和が訪れるような展開があれば……もし物語がその方向へ進むのであれば、私は彼と戦うのではなく、彼と共に戦いたいです」と期待を膨らませていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)


