『Michael/マイケル』歌唱シーンは本当に歌っている?圧巻パフォーマンスの裏側

映画『Michael/マイケル』(全国公開中)のプロモーションのため来日したジャファー・ジャクソン(マイケル・ジャクソン役)、ジュリアーノ・ヴァルディ(若き日のマイケル役)、グレアム・キング(プロデューサー)がインタビューに応じ、劇中で描かれるマイケルのパフォーマンスシーンの裏側を語った。
【動画】裏話満載!『Michael/マイケル』キャスト&プロデューサーを直撃
“キング・オブ・ポップ”の異名を持つマイケルがいかにしてスター街道を駆け上がったのかを、数多くのヒットナンバーと共に描く本作。マイケルの甥であるジャファーが2年間かけて心血を注いだパフォーマンスは、劇中のハイライトとも言える完成度の高さだ。
気になるのは、劇中の歌声がマイケル本人のものか、ジャファーが新録したものなのか。グレアムは「私たちはマイケルの歌声にジャファーの声をブレンドする方法をとっています」と回答し、自身がプロデュースしたクイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でのアプローチと重ね合わせた。
「『ボヘミアン・ラプソディ』も同様で、フレディの声とフレディにそっくりな声で歌うマーク・マーテルという男性の声を混ぜたのです。(フレディ役の)ラミ・マレックは一切歌っていませんでした。ジャファーは素晴らしい歌声を持っていますし、そのブレンドが非常にうまくいったので、みなさんにも納得してもらえる仕上がりになりました。また、これは作品の全体像に関わることでもあります。もし観客がキャラクターやストーリーを信じてくれれば、耳にする音楽も同様に感じ取ってくれるはずです」
実際にパフォーマンスしたジャファーは、「リハーサルの時に実際に声を張って歌うようにしていました」と撮影を振り返る。「ボーカルをただ口パクにしたり、真似しようとしたりするだけでは、真実味が伝わらないからです。リハーサルでは、実際に曲をフルで歌いながら、同時にダンスも踊っていました。そのため、パフォーマンスを撮影する時には、実際にマイクに向かって生で歌っていました。マイケルの声とブレンドする上で、どれが一番効果的かを判断して使うのは、製作陣の仕事でした」
劇中でマイケルがメロディーを口ずさむ瞬間では、ジャファーのアカペラがそのまま使われている。「バックミュージックがなく、本当に僕だけの声です。そういったブレンド作業はとても楽しかったです。もちろん、マイケルの歌声というガイドがあるだけで、彼の世界観に入り込むには十分でした」
また、幼少期のマイケルを演じたジュリアーノも「撮影時は、実際に歌っていた気がします」と続ける。「『ABC』のときはリップシンクでした。喉を痛めたくなかったからです。自分の本物の声で歌うシーンの直前だったこともあり、実際に声を出す前に、できるだけ温存しておきたかったんです。そうすることで、マイケル・ジャクソンのような、リアルで本物の歌声を出せるようにしていました」
グレアムは、リハーサル初日の二人の様子を振り返り「二人がステージ上で一緒にジェームズ・ブラウンのステップを踊っていた光景は、最も印象的な思い出の一つです」と笑顔で回顧。マイケルの伝説を再現することができるのか、心配の声もあったそうだが「二人がいかにリラックスして、自信に満ちあふれているかを見た瞬間、アントワーン・フークア監督と私は、とても大きな安心感を得ることができました」とその不安が瞬時に解消されたことを明かしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)


