仮面ライダーゼッツエージェンドリーム誕生秘話 東映・谷中寿成P&PLEX山本輝デザイナー、映画限定フォームで初の試み

「仮面ライダーゼッツ」(テレビ朝日系・毎週日曜午前9時~)の集大成を飾る映画『仮面ライダーゼッツ さよならのミッション』で誕生する、ゼッツの映画限定フォーム「仮面ライダーゼッツエージェンドリーム」。極秘防衛機関「CODE」の全エージェントの力が結集した、まさに奇跡の姿だ。本作のプロデューサーを務める谷中寿成(東映)と、キャラクターデザインを手がけた山本輝(PLEX)がインタビューに応じ、映画限定フォームの誕生秘話や初めて尽くしだった「仮面ライダーゼッツ」のデザインワークを振り返った。
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映画限定フォームで初めて顔のデザインを変更
仮面ライダーゼッツエージェンドリームの制作は、テレビシリーズのデザインが一段落してから始動した。仮面ライダーゼッツとしての集大成フォームでもあり、谷中プロデューサーはデザイン面で初めての試みに挑んだ。
「テレビシリーズの仮面ライダーゼッツは、世界の方々に顔を覚えてもらうために、フォームチェンジであまり顔のデザインを変えなかったのですが、今回の映画は集大成でもあるので、初めて顔のデザインを大きく変えていただきました」(谷中プロデューサー)
主人公・万津莫(今井竜太郎)が変身する仮面ライダーゼッツ、小鷹賢政/ノクス(古川雄輝)が変身する仮面ライダーノクスのマスクは複眼がすべて見えているデザイン。一方で、コードナンバー:スリーらが擬装した姿は、眠りを連想させるように複眼にフレームが入っている。山本は「お話をいただいた際、ロードらしさであるフレームを、そのまま触角(Vアンテナ)として融合させ、一体化させるデザインにしました。顎の部分には、(ジークが変身する)仮面ライダードォーンの要素も少し入っています」とマスクのデザインについて説明する。
また、身体に見られる気泡のようなデザインにもこだわりがあった。「エージェントたちの『泡沫の(儚い、一時的な)夢』というキーワードから、身体の一部に気泡のようなデザインを取り入れています。バラバラだったエージェントが、一瞬だけ一つになる。まさに『夢のような時間』を表現したくて、気泡の要素は絶対に入れたいと考えました」(山本)
仮面ライダーゼッツでは初となる「腰マント」の採用も印象的だ。「アクション中にマントがひらひらと舞う姿には、ビジュアル的にもこれぞというかっこよさがあると思います」(谷中プロデューサー)
カラーリングに込めた意味
仮面ライダーゼッツの究極の姿「仮面ライダーゼッツエクスドリーム」が黒ベースのボディであるのに対して、映画限定フォームは白を基調とする鮮やかなデザインだ。カラーリングについては、山本から谷中プロデューサーに提案があったという。
「白というキーワードは、当初から谷中さんに提案させていただいていました。仮面ライダーゼッツで白ベースのフォームがなかったことも理由の一つですが、LEDの白い光が三原色の混ざり合いでできているように、カラーの異なるCODEエージェントの力が混じり合って『白』になるという意味合いを込めています。そこに、ゼッツのパーソナルカラーであるターコイズを全身に合わせることで、パワーアップしつつもゼッツらしさをしっかりと残しました」(山本)
全エージェントの力を備えた仮面ライダーゼッツエージェンドリームのパワーは未知数。気になる戦い方も、映画公開までは謎に包まれたままだ。谷中プロデューサーはネタバレを避けながら「映画のプロモーションでお伝えしている通り、仮面ライダーノクス ミッドナイトシャドウと奇跡の共闘を果たし、玖門宗馬/仮面ライダー夢現(曽野舜太)と戦うシーンが最大の見せ場です。白が目立つ2人に対して、夢現は黒ベースなので、正義の力とダークヒーローの対比がビジュアル的にも非常に映える、かっこいい映像に仕上がっています」と期待をあおった。
“引き算”で追求したゼッツの造形美
全世界に向けて放つ新たな仮面ライダー1号というコンセプトで誕生した「仮面ライダーゼッツ」。仮面ライダーシリーズ55年の歴史で初めて胸に変身ベルトを配置するなど、デザイン面でも大きな変化がみられた。仮面ライダーのボディに装甲などを“足す”のではなく、スタイリッシュさを際立たせるために“引き算”で造形を進めたゼッツのデザイン制作を経て、二人はどのような収穫を得たのか。
「作業を終えて実感したのは、『シンプルにするのはこれほどまでに難しいのか』ということです。これまでは情報を足していく方向性のデザインが多かったのですが、引き算のデザインは非常に難しくもあり、だからこそ、世界中の人々に受け入れられる強力な効果があるんだという収穫にもなりました。昭和・平成・令和と仮面ライダーシリーズが続き『次は何をすればいいのか』と考えたとき、仮面ライダーの原点である改造人間=肉体が変化する美しさに立ち返り、増えていった装飾を一度引き算して、歴史をリセットするようなイメージで挑みました。新しいフォーマットを築くことができた、素晴らしい経験でした」(山本)
谷中プロデューサーは「胸にベルトがあることで、バイクシーンの撮影の自由度がものすごく上がりました」と続く。「腰のベルトを映そうとすると、バイクに乗ったときにアングルが制限されてしまうのですが、胸にあることでいろいろな角度から仮面ライダーを映せるようになり、バイクシーンの撮影がとても楽しくなりました。今回の映画でも、バイクで駆けるゼッツやノクスの姿は見どころです」
ゼッツのビジュアルは海外でも高い評価を得ており「世界中のファンのみなさんからSNS等を通じてたくさんのお褒めの言葉をいただき、山本さんには本当に感謝しています」と谷中プロデューサー。「世界中にこのスタイルが定着したら、ここから改めてどんどん新しい形の仮面ライダーを展開していくのも楽しそうだと感じています」と仮面ライダーデザインのさらなる可能性に期待を寄せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
映画『仮面ライダーゼッツ さよならのミッション』は7月24日(金)より全国公開(映画『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ 太陽が泣いた日』と2本立て上映)



