『スパイダーマン:BND』大人向けパニッシャーは過激さそのまま 製作陣が求めた説得力

映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(全国公開中)で“処刑人”パニッシャー/フランク・キャッスルを演じるジョン・バーンサルが、成人向けドラマから全年齢対象の映画で同一キャラクターを演じることについて、グローバル記者会見で語った。
Netflixドラマ「Marvel デアデビル」シーズン2(2016)で初登場したパニッシャーは、法やモラルに臆せず犯罪者を殺害するアンチヒーロー。映画公開前に発表されたスペシャルドラマ「パニッシャー:ワン・ラスト・キル」(ディズニープラスで独占配信中)は、無法者たちを一層するパニッシャーの激闘を、容赦なきバイオレンスアクションと過激描写で描いており、成人向けレーティング「TV-MA」(17歳未満の視聴は不適切)指定を受けた。
そんな過激ヒーローのパニッシャーが、キャラクターの魅力を損なわずに、G区分の『スパイダーマン』映画にどう溶け込むのか。ジョンも懸念を抱いていたという。「僕はフランクのことをものすごく大切に思っていますし、パニッシャーのファンや、彼が象徴するものに対しても強い責任感があります。だから、“どうやって成立させるのか?”という疑問は、僕自身にも本当にありました」
メガホンを取ったデスティン・ダニエル・クレットン監督、プロデューサーのエイミー・パスカル&ケヴィン・ファイギ、そして主演のトム・ホランドも同じ懸念を抱え、真剣に議論していたとジョンは語る。「僕はよく思うんですが、芸術って、問題の核心に向き合ったときにこそ良いものが生まれるんですよ。避けたり、逃げたりせずに、“観客も同じ疑問を持つはずだ”と尊重して向き合えば、本当に素晴らしいものができるんです。このテーマを“ちゃんと掘り下げること”が、僕と同じくらい彼らにとっても重要だったということなんです」
彼らが目指したのは、過激なパニッシャーをそのまま映画の世界観に持ち込み、その逆もできる“説得力”を持たせることだった。「パニッシャーがTV-MA指定のドラマの世界からそのまま歩き出して、このセットに立てる” そして“逆にこの作品の世界からTV-MAの世界へ戻っていける”ーーそんな“説得力”を持たせることでした。その感覚を観客にもちゃんと届けられると思います。同時に、この映画が持つ“驚くべきトーン”や、デスティンが作り上げた世界観への敬意も、しっかりと守っています」
ジョンとタッグを組んだトムは、“人の中にある善を見ようとする”スパイダーマンと犯罪者を裁くなら手段を厭わないパニッシャーの対比について「この“違い”が、僕たちが一緒に出るすべてのシーンに完璧な対立構造を与えてくれたと思います」と語る。
「そしてその対立がどう解消されていくかが、ものすごく満たされるし、すごく気持ちいいし、同時にちょっと怖くもあるんです。僕にとってジョンと一緒に演じる時間で特に好きなのは、デスティンが本当に“協力的な監督”だということなんです。 彼はカメラの前で僕たちが何をしているかを見るだけじゃなく、カメラの外でどう振る舞っているかまで見ている。ジョンと僕がセットに来るとき、僕たちが本当に仲の良い友達だってことは誰の目にも明らかで、その“裏側の関係性”が画面の上の関係性にも自然と反映されていきました」
「そしてデスティンは、その“トーンの違い”を本当に見事に扱ってくれたと思います。というのも、フランクやパニッシャーというキャラクターの本質を一切損なわずに描くことができているんです」と続けたトム。「それは今日ここにいる全員にとって、とても重要なことでした。 だからこそ、スパイダーマンとフランクの関係を観客がどう受け取るのか、僕は本当に楽しみなんです」と期待を寄せていた。(編集部・倉本拓弥)



