【ネタバレ解説&考察】『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』追加映像が意味するもの

『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』キービジュアル
『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』キービジュアル - (C)2026 MARVEL

 映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の再上映となる『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』には、シリーズ最新作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(12月18日日米同時公開)につながる新規映像が追加されている。 ここでは、5分間の新規映像が確認できる「INFINITY VISION」(※同作の鑑賞に最適な基準を満たしたディズニー認定シアター)版をもとに、それが一体何の映像なのか、そこからどんな可能性が見えてくるのかを考察する。(文/平沢薫)

【画像】『アベンジャーズ/エンドゲーム』32名の生死がわかるポスター

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』(INFINITY VISION版)をまだ観ていない方はご注意ください。

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【新規映像その1】スティーブ&ペギーの前に現れたロキ

(C)2026 MARVEL

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』オリジナル版のラストシーンは、過去の世界でキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)とペギー・カーター(ヘイリー・アトウェル)がダンスをしている穏やかなものだった。ところが、『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』(以下『アンコール』)では、何者かが二人の家のドアを叩き、ペギーがドアを開けると、そこにはロキ(トム・ヒドルストン)がいて、「私は君たちを救える」と言うところで終わる。

<考察>

 この時のロキは、ドラマ「ロキ」に登場したTVA(時間変異取締局=マルチバースを監視する組織)のユニフォームを着ている。そこから、いくつかの推測が可能だ。

 まず、TVAがスティーブとペギーに関わるということは、『エンドゲーム』でスティーブが各時代にインフィニティ・ストーンを返却したことが、マルチバース全体に影響を与えたことを暗示しているのかもしれない。

 また、ロキの目的も怪しい。彼の言葉だけ聞くと、ロキはTVAでマルチバースの異変を知り、2人をそこから救出しようとしているようにも見えるが、ロキはただの人助けなどしたことがない。またTVAの真面目な職員だったこともない。2人への接触には、何か別の目的があるのではないか。

 ちなみに、ロキが『エンドゲーム』でテッセラクト(スペース・ストーン)を持って逃げ去った後にどうなったのかを描くのが、ドラマ「ロキ」。このシーズン2のラストのロキの状況を思うと、『アンコール』のロキが、時系列ではどの時点のロキなのかも気に掛かる。

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【新規映像その2】ブルース・バナーに接触する謎の人物

(C)2026 MARVEL

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』オリジナル版には、ポストクレジット(以下「ポスクレ」)およびエンドクレジットにもおまけシーンはなかった。ところが、『アンコール』(INFINITY VISION版)には、ミッドクレジットが2つ、ポスクレが1つ新たに追加されている。

 1つ目のミッドクレジットには、ハルク/ブルース・バナー(マーク・ラファロ)が登場。彼が地下深くの研究室でガンマ線研究の記録動画を撮影していると、何者かの「バナー博士、あたなを召集に来た/Dr. Banner, I'm here to collect you」と言う声がして、緑色の光が溢れ、床に残った緑色の奇妙な図形が映し出される。

<考察>

 この声は、『ドゥームズデイ』のメインヴィランであるドクター・ドゥーム(ロバート・ダウニー・Jr)だろう。声質だけでなく、残された図形の緑色はドゥームを象徴する色であり、図形の形が予告編のドゥームのアーマーの胸部に刻まれたルーン文字のような図形を連想させるのも、声の正体を暗示している。

 しかし、ドクター・ドゥームは、何のためにバナー博士を必要としているのか。人集めといえば、ドゥームは『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』のポスクレでは、ミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズ(ペドロ・パスカル)とインビジブル・ウーマン/スー・ストーム(ヴァネッサ・カービー)の息子に接触し、誘拐を推測させた。この2つには何か関係があるのだろうか。

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 また、発表されている『ドゥームズデイ』のキャストリストにはラファロの名前はない。すると彼の召集は『ドゥームズデイ』の続編『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』(2027年12月17日全米公開)に続くとも考えられる。

 ちなみに、ラファロの『ドゥームズデイ』出演については、監督のルッソ兄弟が「肯定も否定もできない」とEmpireで回答しており、「言えることは、バナー博士は間違いなくドクター・ドゥームを中心とした物語に関わっている、ということだ」と語っている。

 そして『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のポスクレで、スパイディの位置情報アプリにより、スパイダーマン/ピーター・パーカー(トム・ホランド)が地球外の宇宙にいることが判明したが、そのことと関係があるのかもしれない。あのシーンでは映像が波打つように乱れたが、今回のシーンでも同じように映像が乱れたようにも見える。

 ちなみに、バナー博士が、再びハルク化制御のためのガンマ線の研究をしていることから、このシーンの時系列は『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の後だと分かる。ルッソ兄弟も「バナーは『ブランド・ニュー・デイ』の出来事によるトラウマや後始末に対処しており、世界をハルクから守ろうとしている」と当該シーンについてEmpireで解説している。

【新規映像その3】マルチバースの崩壊

『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』より(C)2026 MARVEL

 2つ目のミッドクレジットは、ドラマ「ロキ」などに登場したTVAが舞台となる。捜査官のメビウス(オーウェン・ウィルソン)などドラマの主要登場人物たちが登場し、彼らが見守る監視モニター上で、次々にインカージョン(※ユニバース同士が衝突して消滅する現象)が発生して、OB(キー・ホイ・クァン)が「マルチバースが崩壊している/The multiverse is collapsing」と呟く。

 これはOBの言葉通りの現象が起きて、それが『ドゥームズデイ』の物語に直結するということだろう。その背後にドクター・ドゥームの思惑があるのに違いない。

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 このシーンには小ネタも確認できる。最初に衝突しそうになる2つのユニバースの名称は「アース-10005」と「アース-1127」。「アース-10005」は、旧20世紀フォックス製作の映画『X-MEN』ユニバースの名称なので、『ドゥームズデイ』のティザー予告編にプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)ら旧20世紀フォックス版X-MENのキャラクターたちが登場したのは、この現象と関係があるようだ。しかし「アース-1127」は、マーベルコミックでもMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でも新登場。どんなアースなのか、現時点では特定できない。

 また、インカージョンといえば、MCUにはすでにもう一つ前振りがあった。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のポスクレで、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)はクレア(シャーリーズ・セロン)に誘われて、謎のインカージョンの調査に出かける。その続きが『ドゥームズデイ』で描かれるのかもしれない。

【新規映像その4】アイアンマンではなくドクター・ドゥーム

『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』ビジュアル(C)2026 MARVEL

 『アベンジャーズ/エンドゲーム』オリジナル版にはポスクレがなく、金属を打つ音だけが聞こえ、MCUの原点である『アイアンマン』で、トニー・スタークが洞窟で、アイアンマンのスーツを製作したシーンを思い出させた。しかし、『アンコール』では、同様の音が聞こえた後、マスクをつけたドクター・ドゥームの顔が映し出されて、金属音は、彼がマスクを鋳造する音だったことが分かる。

<考察>

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 この演出には、複数の解釈が可能だろう。まずこの2人、アイアンマン/トニー・スタークとドクター・ドゥーム/ヴィクター・フォン・ドゥームは、どちらかが片方の変異体(別のタイムラインでの存在)なのかもしれない。この2人の両方を、同じ俳優ロバート・ダウニー・Jrが演じる背景には、そんな仕掛けがあるのだろうかとも考えてしまう。

 それとも、この演出は、物語のうえでは、この2人が似た存在だということを暗示しているだけかもしれない。どちらも科学の天才で、自信家で、性格は尊大。アイアンマンは、どこかで間違えたら、ドクター・ドゥームになったかもしれない、という意味か。

 そこでふと思うのは、『エンドゲーム』のラスト近く、トニー・スタークはインフィニティ・ガントレットを手にした時、何を念じたのかということだ。その後起きた現象を見ると「サノスと彼の軍勢の消滅」を念じたことは間違いないが、他にも何か念じたのではないか。たとえば、彼が別のアースで存在し直すことを念じたとしたらどうだろう。

 すると気になるのは「3000」という数字だ。これはご存知の通り、『エンドゲーム』でアイアンマンの幼い娘が彼に言う名文句「3000回愛してる」に出てくる数字。この「3000」が、2つ目のミッドクレジットにも登場し、TVAの職員たちが次々に増えていくインカージョンの数を「3000」と言う。

 この「3000」は本編上映前にも登場していた。『アンコール』の本編前につけられた特別映像で、キャプテン・アメリカ役のエヴァンスと、アイアンマン役のダウニー・Jrが、一緒に本作と『ドゥームズデイ』の紹介をするのだが、そのラストに、ダウニー・Jrが「3000回愛してる」と言っていたのだ。この時は『エンドゲーム』の名台詞だとしか思わなかったが、この発言は、「3000」という数字が、アイアンマンだけでなく、ドクター・ドゥームにも関係があることを示唆しているのだろうか? それともただの偶然なのか?

 と、あれこれ考察してしまうのも、MCU恒例のお楽しみ。『ドゥームズデイ』の公開日までには、まだ予告編も何本かあるだろう。そのたびにまた、あれかこれかと考察させて楽しませてくれるに違いない。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』は10月8日(木)まで期間限定公開中

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