朝ドラ「ブラッサム」高良健吾だからこその芥川龍之介像に期待

高良健吾演じる芥川龍之介モチーフの秋山格之介。
高良健吾演じる芥川龍之介モチーフの秋山格之介。 - (C) NHK

 石橋静河が主演を務めるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」で、文壇の寵児である作家・秋山格之介を高良健吾が演じている。秋山は芥川龍之介をモチーフに作られたドラマオリジナルの人物で、鋭い洞察や感性を持つが、一方で飾らない、気さくな人物としても描かれる。制作統括を務める村山峻平が、高良の起用理由や、秋山の人物像について語った。

不思議な魅力漂う秋山格之介(高良健吾)

 本作は、明治から昭和にかけて自由を求め、書くことを通じて自らと向き合い続けた作家・宇野千代をモデルとした連続テレビ小説第115作。岩国市に生まれた主人公・葉野珠(はの・たま)が、波瀾万丈な人生を歩みながら、小説家として大成していく姿を描く。主人公の珠役は石橋のほか、幼少期を村上蘭が、1980年代を加賀まりこが演じている。

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 秋山の人物像について村山は「秋山はドラマの中で珠が初めて目にした本物の作家です。しかも大先生というだけではなく、親しみやすさがある一方で、どこかただならぬ雰囲気も持っている。その表と裏の感じを台本の上でも強く意識して作り上げていきました」と紹介する。

 本作のモデルとなった宇野千代は若き日に、西洋料理店「燕楽軒」でウエイトレスとして働き、中央公論社の編集長・瀧田樗陰に連れられて来店した芥川龍之介と知り合ったという逸話が残っている。村山は過去に芥川の印象や思い出を振り返った宇野の著作についても触れ、「千代さんは交流があった芥川龍之介に対して、手に届いた人というより、越えられない、触れられない人としての、強いリスペクトを感じる文章を残しています。それが(高良演じる秋山を通じて)ドラマの中でも出るといいと思っています」と話す。

 高良は過去に映画『蜜のあわれ』でも、芥川の幽霊役を演じたことがある。村山は高良との仕事について「お仕事を一緒にすることをとても楽しみにしていました」といい、「以前、映画で芥川さんを演じられていたこともありますが、それよりも、珠に直接感情をぶつけることなく、魅力やミステリアスさで『この人は何を考えているんだろう?』という雰囲気を出してくれると思い、お願いしました」と起用理由を明かす。

 2013年に公開された映画『横道世之介』で、高良が周囲に人が集まる愛され上手な主人公を演じていたことも印象に残っていたといい、時代の扮装に身を包み、魅力いっぱいに立ち回る高良の姿についても「見る人の想像や感情をより豊かにしてくれると感じた」と話す。村山は、「俗世にいながらも、小説家として、才気というか、才能で一本立ちして、若い時から才能を発揮した人物を、説得力を持って演じてもらえると思った」と述べた。高良について「ユーモラスたっぷりに秋山を演じていただき、素敵だと思っています」と笑顔を見せる。

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 秋山の人物像に関しては「ただ偉そうな先生ではないということを共通の認識として持ってきた。レストランのウエイトレスに接する感じが、おもねってもなく、スマートでナチュラルだからこそ逆に、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。とてもかっこいいしイケているが、話していることは面白いという……そこが新しい世界に飛び込んだ珠のワクワク感と重なった時に、これまでの岩国時代との色の違いが出ると思いました」とその狙いや意図を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)

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