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第45回『リンカーン/秘密の書』『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』『悪の教典』『その夜の侍』『人生の特等席』

今月の5つ星

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シネマトゥデイが選ぶ 今月の5つ星

リンカーン大統領の夜の顔は、ヴァンパイア・ハンターだった! という奇想天外なアイデアで魅せるアクション『リンカーン/秘密の書』、ジェームズ・キャメロンが製作総指揮を手掛けた『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』、伊藤英明が狂気の教師を怪演する『悪の教典』など、この秋必見の話題作が勢ぞろい!

11月1日公開 ヴァンパイア・ハンターと化した大統領が華麗なオノ裁きを披露 『リンカーン/秘密の書』 作品情報

奴隷解放宣言で知られる偉人、第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン。彼の夜の顔は、なんとヴァンパイア・ハンターだった! というトンデモな設定に基づくアクション大作。冒頭、史実でも丸太小屋で育ったというリンカーンが、オノでそびえ立つ樹木を一撃で切り倒すシーンから大興奮! 華麗なオノ裁きでヴァンパイアをバッサバッサとなぎ倒すアクションは爽快のひと言で、見終わるころには「オノって最強の武器じゃん!」と納得すること間違いナシ。『ウォンテッド』ティムール・ベクマンベトフ監督が、アクション演出の才能を遺憾なく発揮している。また製作のティム・バートンのテイストが反映されたゴシック調のセットや、映画全体を覆うダークな雰囲気も見もの。荒唐無稽(むけい)な設定ながら、実在の人物や史実を巧みに絡ませたストーリー展開もお見事で、爆笑しながらアクションを楽しみ、知的好奇心も満たされる良作となっている。正直リンカーンが大統領になってからの展開が少々退屈に感じるが、良質のアクションを楽しみたい人にとっては期待以上の掘り出しものになるはずだ。(編集部・入倉功一)

『リンカーン/秘密の書』© 2012 Twentieth Century Fox
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11月9日公開 パフォーマーをさまざまな角度から捉えた神秘映像が絶品 『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』 作品情報

ラスベガスで公演している水をテーマにした「O」をはじめ、「KA」や「LOVE」などシルクを代表する作品を盛り込んだ本作。それだけでもかなりぜいたくなのだが、ファンタジー映画に定評があるアンドリュー・アダムソン監督によるオリジナルのラブストーリーが、シルクのカラーをより引き立たせ、まったく新しい映画として体験することができる。さらに、ジェームズ・キャメロンが自らこだわったハイクオリティーな映像表現は絶品! 臨場感あふれるシーンではパフォーマーの息遣いから筋肉の動きまでさまざまな角度からクローズアップしてみせ、逆にシルク独特の神秘的なシーンでは、スローでパフォーマーの動きを指先まで丁寧に捉えている。ブラス3Dという新たな要素が加わり、91分間、極上のひとときを味わえた。この作品を、映画鑑賞代で観られるなんておトク。3D映画はどうも高くて手は出せないという人にも、ぜひオススメしたい!(編集部・山本優実)

『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.
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11月10日公開 人間の二面性を体現した殺りく教師のキャラがユニーク 『悪の教典』 作品情報

クラス生徒全員の虐殺を謀った主人公の蓮実聖司は、ある釈明の言葉を発する。一見、蓮実の精神異常を示しているようなこの言葉が、「あながち間違っていない」というのが、貴志祐介の原作に込められた風刺だと思う。そんな「普通の人」が持つ二面性を、究極まで追求した蓮実聖司というキャラクター像は、演じた伊藤英明が、代表作「海猿」シリーズで自らの命を犠牲にしてまで人命救助に努めてきたという観客のイメージによって、より一層深みを増す。また、映像化することによって、原作に聴覚的効果、視覚的効果が与えられることになるが、映画では、原作で蓮実が口ずさむ楽曲として使われる「モリタート」が物語のスリルをあおり、生徒たちが見せる死に際の演技が物語をドラマチックに彩ることで、戦慄(せんりつ)のエンターテインメントとして昇華することに成功している。「海猿」「悪の教典」という原作に恵まれた伊藤英明。次はどんな役柄に挑戦するのか? 三池崇史監督の本領が発揮された本作を経て、彼の今後にさらに注目したくなった。(編集部・島村幸恵))

『悪の教典』©The Land of Hope Film Partners
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11月17日公開 説明を省いたキャラクター描写が想像力を喚起させる 『その夜の侍』 作品情報

劇団「THE SHAMPOO HAT」を主宰、個性派俳優としても活躍している赤堀雅秋の初監督作品。自身の舞台作品を原作とし、脚本も務めている。ひき逃げにより妻を失った主人公が、犯人に復讐(ふくしゅう)を遂げようとする物語だ。冒頭でひき逃げ事件が発生し、主人公の目的が犯人に対する「復讐」であることが早々に提示される。そのため復讐が、いつどのようなかたちで決行されるのか、ということが物語のけん引力となり飽きさせない。また、昨今に多い説明過多な作品と違い、登場人物の背景があまり語られないのが特徴。彼らが何を考えているのか計り知れず、その終始漂う不気味さが、本作の魅力でもある。役者陣では、にこやかな笑顔を崩さないイメージの堺雅人が笑みを封印してさえない中年男を演じ、「人間のクズ」とまで評されるひき逃げ犯を山田孝之が怪演。赤堀雅秋監督の次回作にも期待が高まる1作だ。(編集部・堀達夫)

『その夜の侍』©2012「その夜の侍」製作委員会
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11月23日公開 弱肉強食の現代に一撃をくらわす毒の効いたメッセージが痛快 『人生の特等席』 作品情報

長年クリント・イーストウッドのもとで映画制作を学んだ弟子のロバート・ロレンツが初メガホンを取ったのは、『グラン・トリノ』の姉妹編ともいうべき「古き良き時代のスピリッツ」を賛美する感動ドラマ。主軸は、法律事務所で働く娘ミッキー(エイミー・アダムス)と、老いて職を奪われようとする大リーグベテランスカウトマンの父ガス(クリント・イーストウッド)との確執と絆だが、緻密でほんのちょっぴり毒の効いたガスの「老人描写」がとにかく笑える。新聞を読むときは老眼鏡を掛けたうえに、虫眼鏡を手放せない。娘が「ヨガの帰り」だと言えば「カルト(宗教)にはまったか」と皮肉を言い、ガスのスカウト方法を「時代遅れだ」と諭す上司は「パソコンは野球を知らないヤツが使うもの」とはねつける。失明の危機に立たされても病院に行こうとせずボヤ騒ぎが発生し、「頑固もほどほどに……」と心配になるものの、誰に何と言われようと「同情」を断固拒否する姿はすがすがしいのひと言。弱者が次々と淘汰(とうた)される現代において、「休めば他人にポストを奪われる」という恐怖におびえながら虚勢を張ってギスギスしていた娘が、昔かたぎの父との交流を経て新たな道を見いだすさまは、サラリーマンのみならず誰の心にも痛いほど染みるハズ。(編集部・石井百合子)

『人生の特等席』©2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
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