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衝撃の実話!空前の飛行機事故を完コピした『ハドソン川の奇跡』撮影の裏側(2/3)

■過去の人ではない!生存者である一般の人を描く

クリント・イーストウッド監督とサレンバーガー機長本人
クリント・イーストウッド監督とサレンバーガー機長本人

 実話を映画化するとき、過去の偉人や、もうこの世にいない人を描くことが多い。しかし、この映画で描かれたのは生き残った155人の生存者と実際に英雄から容疑者とまで言われた機長。もっとも難しいキャラクターづくりをイーストウッド監督は誠実にまた人々に敬意もって行った。

1.事故の当事者チェスリー・サレンバーガー機長にキャスティングうかがい

映画の企画段階で、イーストウッド監督はサレンバーガー機長に自ら会いにいき「あなたの役はトム・ハンクスなんてどうだろう?」と確認。脚本についても内容を自らがサレンバーガー機長に確認したという敬意のはらいようだった。

2.生存者のエピソードがリアルでありながら感動的

父と息子の乗客が救出されたときに離ればなれになってしまい、無事を知って喜ぶ小さなエピソードだが感動的な場面や、サレンバーガー機長の妻が、彼が容疑者として追及され始めたときに、住宅ローンの心配をする会話がリアルだ。これらのエピソードはすべて実際にあった出来事だという。

3.エンドロールに実際の生存者全員がチェスリー・サレンバーガー機長とともに映像で登場

ノースカロライナ州にある航空博物館に、実際に事故に遭った当時の乗客とサレンバーガー機長とキャビンアテンダントをイーストウッド監督は招待した。お互い自己紹介するときに「私は座席番号1Aです」というように席番号を言ったりと、とてもなごやかな雰囲気だ。飛行機事故で全員が生存したということをふたたび思い起こさせ感動につつまれるエンドロールでもある。

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■86歳!でもデジタル好き、IMAX好き!

デジタル推進派のクリント・イーストウッド監督
デジタル推進派のクリント・イーストウッド監督

 年寄りはデジタルアレルギーがあたりまえと思いきや、イーストウッド監督は、並の年寄りではない。新しい技術やデジタルに対して積極的に取り組み、新しいものは試し、いいものは取り入れるという姿勢だ。

1.新しいIMAXカメラを大絶賛、即採用

前作『アメリカン・スナイパー』はIMAXで上映し興行的にも大成功を収めた。本作もIMAX仕様だ。IMAX社がイーストウッド監督に新しいカメラのトライアルをすすめると意欲的にこれを取り入れたイーストウッド監督は、そのすばらしさを絶賛する。

「撮った映像がIMAXサイズでまったく画質が落ちないんだ。本当にすばらしいよ」(イーストウッド監督談)

2.フィルムでなくてだんぜんデジタル派!

フィルム映画の黄金期で活躍したイーストウッド監督だが、いまは断然デジタル派だと言い切る。

「ほとんどの映画館は、99%はデジタル映写なんだ。だから、なぜそこに仲介業者を入れるんだい? 今ではデジタル技術がすごく良くなった。そこから立ち去るのは難しいよ」イーストウッド監督談)

3.ツールとしてのCGやビジュアルエフェクトは推奨派

コミックブック映画が好きではないと言われているイーストウッド監督だが、きらいなわけではなく、自分の好みがリアルなストーリーなだけだという。また、ストーリーがすばらしいのであればCGやビジュアルエフェクトはどんどん活用すべきだと思っているという。『バットマン: ダークナイト・リターンズ』でバットマン役のオファーを断ったというイーストウッド監督。そのことについて尋ねると

「A man's got to know his limitations.」(身の程を知るべきだ)

という『ダーティハリー2』のセリフを披露した。

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