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次々とエイリアンに殺されていって寂しい…『エイリアン:コヴェナント』キャスト裏話

最新!全米HOTムービー

 世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターが紹介する「最新! 全米HOTムービー」。今回は、リドリー・スコット監督の『エイリアン:コヴェナント』を特集! 世界に衝撃を与えた名作『エイリアン』(1979)の前日譚『プロメテウス』から5年、ついにエイリアン誕生の秘密が明らかになっていく新作の裏話を、マイケル・ファスベンダーらキャストが語った。(取材:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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コヴェナントって?

『エイリアン:コヴェナント』

 タイトルになっているコヴェナントとは、人類の宇宙移住計画のために新天地となる惑星を目指す宇宙船の名前。2,000人の入植者を乗せ、惑星オリガエ-6を目指していたが、ある惑星に不時着することになる。

 コヴェナント号の乗組員たちが不時着陸する惑星のロケ地となったのは、ニュージーランド・フィヨルドランド国立公園内のミルフォード・サウンド。劇中、その壮大で人里離れた土地は、不気味な雰囲気を漂わせている。ちなみに、船長代理オラム役のビリー・クラダップによると、「撮影が休みの時にはマイケル(・ファスベンダー)とカヤックに乗って魚釣りに行った。だが、彼は魚を捕まえられなかったよ(笑)」とのこと。

ファスベンダーが一人二役:デヴィッドとウォルター

『エイリアン:コヴェナント』

 『プロメテウス』でファスベンダーが演じたのが、アンドロイドのデヴィッド。彼自身「(『アラビアのロレンス』の)ピーター・オトゥールの影響を受けたもの」と語る通り、デヴィッドは長い宇宙の旅の間ずっと『アラビアのロレンス』を観ていたという設定で、話し方から何までそっくりだ。

 “あの『エイリアン』シリーズに参加する”ということでナーバスになっていたちょうどその時、『SHAME -シェイム』でタッグを組んでいたスティーヴ・マックィーン監督がアドバイスをくれたという。ファスベンダーは「彼が『楽しむべきだ』と言ってくれたんだ。そんなアドバイスから、気味は悪いけれど、面白いキャラクターでもあるデヴィッドをつくり上げていった」と振り返った。

 そしてデヴィッドから何度も改造された新機種が、今回初登場となったウォルター。デヴィッドに備わっていた人間性が人々には不気味だったことから、ウォルターからはそうした要素が取り払われている。ファスベンダーは「デヴィッドとウォルターが争うシーンでは、スタントダブルが、僕が演じていない方をそれぞれ演じていたが、どちらのアンドロイドがその前のシーンでどういう動きしていたのかと、頭の中で混乱した」と一人二役の難しさを打ち明けた。

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リプリーのことは意識しなかった!『ファンタビ』の新ヒロイン

『エイリアン:コヴェナント』

 新ヒロイン・ダニエルズにふんしたのは、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のヒロインとして世界的に注目されたキャサリン・ウォーターストン。船長ブランソン(ジェームズ・フランコ)の妻で、テラフォーミング(人為的に惑星の環境を変化させ、人類の住める星に改造すること)の専門家。思慮深く、強い意志を持った女性だ。

 シガーニー・ウィーヴァー演じるリプリーを彷彿させる役柄だが、キャサリンは「リドリー(・スコット監督)はセットで自信に満ちあふれていたから、プレッシャーは感じなかったし、リプリーのことは全く考えなかった」ときっぱり。「リドリーには“永遠の若さ”という恩恵が与えられているみたいで、今年で80歳なのにエネルギッシュで軍隊を率いる将軍のようだった」とらつ腕を振るうスコット監督のおかげで、雑念を抱く暇もなかったよう。「最初は多くの俳優たちと共に食事をしていた。だけど撮影が進むにつれ、登場するキャラクターが次々にエイリアンに殺されていって、ケータリングで食事する俳優たちが減っていくのが寂しかったわ」とこぼす一幕も。

『エイリアン:コヴェナント』

 また、武器を使用したシーンのリハーサルでは、木でできた銃を持ち、銃声は自分の声で出さなくてはいけなかったという。キャサリンは「相手役の男性クルーたちが機関銃のような音を出す中、わたしは一人だけ『パン、パン』といった感じで恥ずかしかったわ」と笑っていた。

 「僕が出演していると聞いて、おそらくほとんどの人は、最初に2、3のジョークを言ってすぐにエイリアンに首を噛みちぎられてしまうような役を想像したと思う」と語るのは、コヴェナント号のパイロット・テネシー役を務めたコメディアンのダニー・マクブライト。「だけどこれまで僕が雇われてきた作品とは異なることが、脚本では要求されていたんだ。かなりダークで衝撃的な映像もあるけど、セットでのトーンは結構明るいものだった」と明かしている。

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新たなエイリアンの形態

 これまでの映画『エイリアン』シリーズで描かれてきたエイリアンはゼノモーフと呼ばれ、強酸性の体液を持ち、宇宙空間等の真空中でも生存でき、強靭な身体と優れた運動能力からエイリアンとして“完璧な生命体”とされていた。そして今回新たに登場するのが、ネオモーフだ。ゼノモーフの前の形態で顔の輪郭は明確ではなく、銃などの一撃で殺すこともできるが動きが非常に速いのが特徴。そして今作では、ゼノモーフが誕生する過程も描かれていく。

映画『エイリアン:コヴェナント』は9月15日より全国公開
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

【今月のHOTライター】
細木信宏/Nobuhiro Hosoki
海外での映画製作を決意し渡米。フィルムスクールに通った後、テレビ東京ニューヨーク支局の番組「ニュースモーニングサテライト」のアシスタントとして働く。現在はアメリカのプレスとして活動中。

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