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スパイ映画から学べ!男性に贈るワンランク上のオシャレギフト【第8回バレンタイン特別編】

映画に見る憧れのブランド

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iStock.com / karandaev(この写真はイメージ写真です)

 こんにちは、映画で美活する映画美容ライターの此花さくやです。

 まもなくバレンタインの時期が到来。女性にとって、バレンタインデーに限らず、男性へのプレゼント選びは悩ましいものですよね。男性はファッションや流行モノに興味なさそうでいながら、こだわりがあるもの。男が欲しがるモノなんてよくわからない……! そんなアナタのために、今回は男のオシャレが学べるスパイ映画から、バレンタインデーギフトにぴったりなファッション小物を3つご紹介します。

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1:彼は英国ダンディー、それともアメリカン?

『007/消されたライセンス』
『007/消されたライセンス』より4代目ジェームズ・ボンドのティモシー・ダルトン - MGM / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スパイが咥える煙草は危険な香りが漂うせいかとてもセクシーティモシー・ダルトンが4代目ジェームズ・ボンドに扮した『007/消されたライセンス』(1989)では、CIAで働く親友のフェリックス・ライターデヴィッド・ヘディソン)と彼の妻デラ(プリシラ・バーンズ)からダンヒルのライターがボンドに贈られます。フェリックスの苗字と同じライターをプレゼントするというユーモアにボンドも大喜び! そんな喜びも束の間、ボンドとフェリックスの共通の敵にデラは殺され、フェリックスはサメに足を喰いちぎられてしまう悲劇が……。復讐に燃えるボンド。フェリックスにもらったライターが映画の終わりに重要な役割を果たします。

 劇中に登場する美しい銀のライターは、ダンヒル社のダンヒル ユニーク。今でこそ、イギリスを代表するファッションブランドのダンヒルですが、元々は馬具専門製造卸会社だったのをご存知でしょうか? ダンヒル社の歴史は、1893年に創業者のアルフレッド・ダンヒルが父親の会社を引き継いだ時から始まりました。馬車の時代が終焉を迎え自動車が行き渡り始めると、ダンヒル社はドライブ用のウェアやレザーグッズの販売を開始。そして、1924年に片手で蓋を開けて火をつけられる世界初のライターダンヒル ユニークを開発したのです。このライターは大ブームを起こし、ダンディズムのシンボルに! それ以来ほぼ変わらないデザインですが、現在のユニークモデルは『007/消されたライセンス』に出てくるライターのように表面が平らではなく、縦線や大麦の模様が入ったものになっています。

 ちなみに、ティモシー・ダルトンは映画の撮影後、このダンヒル ユニークを「Children In Need」という子供のためのチャリティオークションにかけるようプロデューサーに掛け合ったのだとか。オークション2日目にして、このライターの価格は約3,000ポンド(約45万円・1ポンド150円計算)にも跳ね上がったといいますから、ボンド人気のすごさがうかがえますね。

『裏切りのサーカス』
『裏切りのサーカス』より - Focus Features / Photofest / ゲッティ イメージズ

 日本では、ダンヒル ユニークは5~6万円ほどしますが、もう少しリーズナブルなライターをお探しという方は、『裏切りのサーカス』(2011)に登場するZIPPO(ジッポー)ライターはいかがでしょうか? 過去にMI6に勤務したことのあるスパイ小説家、ジョン・ル・カレが原作者であるこの作品は、東西冷戦下の諜報合戦を軸に伏線が張り巡らされたプロットと深遠な人物描写が織り成すスパイ映画の傑作です。通称“サーカス”と呼ばれるMI6の幹部の中にKGBの二重スパイ“もぐら”がいることを知った退役諜報員のジョージ・スマイリーゲイリー・オールドマン)は、サーカスの中堅幹部のピーター・ギラムベネディクト・カンバーバッチ)と一緒に調査を進めます。調べていくうちにKGBの“カーラ”という謎の人物が浮上するのですが、その登場シーンはジッポーライターを持つカーラの手のみ。ライターがカーラの秘密を握る鍵となるのです。

 「カキーン、シュボッ」という音でおなじみのジッポーライターは、1932年に創業者であるジョージ・G・ブレイズデルが、オーストリア製のオイルライターを片手で操作できる風防の強いライターに改良したことから始まりました。この時代使われ始めていたジッパー(Zipper)という言葉の響きが気に入ったブレイズデルはジッポー(ZIPPO)と命名。発売以来、無制限の機能保障のポリシーである"It works or we fix it free"を約束したジッポー社は、現在も使用年数やコンディションにかかわらず機能面での修理に関しては生涯無料で保障してくれるのだとか!

 第二次世界大戦中、ジッポー社は一般客向けのライターの生産を中止し、すべてのジッポーをアメリカ軍のために製造。戦場の過酷な環境でも簡単に点火でき、戦時下でもガソリンを燃料として使えるジッポーライターは、シンプルで頑丈な作りが“GIの友”と愛されたそう。結果、日本を始め各国の米軍基地で使われ、世界中に伝わりました。そして、ジッポーライターの信頼性と耐久性はいつしかアメリカの象徴になるほど、アメリカ文化に根付くことに。3千円~9万円台までの幅広い価格帯とデザインで、2012年までにジッポーライターの生産数は5億個を超えたというからスゴい普及率ですよね!

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2:彼はダニエル・クレイグ派、それともコリン・ファース派?

『007 スカイフォール』
『007 スカイフォール』より - MGM / Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 6代目ボンドのダニエル・クレイグは、初の007映画『カジノ・ロワイヤル』(2006)公開当初、ボンドに似つかわしくないとアンチサイトまで立ち上がったことに非常に落ち込んだと言われています。ところが、リアルな生身のスパイ像を表現したクレイグは大絶賛されるようになり、3作目『007 スカイフォール』(2012)はシリーズ最高の興行収入を上げました。今までのボンドに人間味を肉付けしたクレイグのボンドは、007映画をスタイリッシュに復活させることにも成功。それもそのはず、ボンドの衣装は元グッチのクリエイティブ・ディレクターであるトム・フォードが担当しているのです。

 トム・フォードと言えば、古臭いイメージでパッとしなかった1990年代のグッチをスタイリッシュに生まれ変わらせた天才ファッションデザイナー。『シングルマン』(2009)や『ノクターナル・アニマルズ』(2017)で映画監督としての才能も見せ付けています(ちなみに筆者は、10年以上前にニューヨークのあるイベントで彼に会ったことがありますが、一分の隙もないスーツスタイル、カメラを意識した完璧なポーズとイケメンスマイルに圧倒されて、ろくに挨拶もできませんでした……)。

 とはいえ、さすがに1着50万円もするトム・フォードのスーツは高嶺の花ですよね。でも、3万円ぐらいのネクタイなら手が出せるのでは? ダニエル・クレイグのボンドの服装は、目立つと困るスパイの職業柄か、シャツは白かブルーに徹してネクタイは細身が基本。ネクタイの色はネイビー、グレー、ブラックの寒色系のダークトーンで統一し、結び目を狭くディンプル(結び目の下のくぼみ)をしっかりと作っているのがトレードマークです。

『キングスマン』
『キングスマン』より - Twentieth Century Fox Film Corporation / Photofest / ゲッティ イメージズ

 その他ネクタイに注目したいスパイ映画と言えば、007シリーズにオマージュを捧げた『キングスマン』(2014)も外せません。ロンドン中心部のショッピングストリートにある「キングスマン」は表向きは高級テーラーですが、裏の顔は紳士たちによるスパイ組織。登場人物のファッションや主人公エグジー(タロン・エガートン)が、階級の垣根を飛び越えるサクセスストーリーもイギリス社会を示唆しているようで興味深いです。

 そのキングスマンのエージェントたちがつけるネクタイは、ダニエル・クレイグのボンドとは違い、ネクタイの幅も太く、結び目が横に広がる“ウィンザー・ノット”。シンプル・ノットよりも襟元にボリュームを出し、ディンプルをはっきり作ることによって、よりクラシックな紳士服を完成させています。このネクタイは、イギリスのネクタイ&シャツメーカーDrake’s(ドレイクス)のストライプ柄。1977年にアクアスキュータムのデザイナーだったマイケル・ドレイクが設立したドレイクスは、製品を自社工場で生産する稀有なファクトリーブランド。それでも、ネクタイのお値段は約2万円と意外とリーズナブルなのです。

 シリーズ2作目の『キングスマン:ゴールデン・サイクル』では、一流エージェントに成長したエグジーの英国ファッションと、アメリカのスパイ組織・ステイツマンのカウボーイファッションの対決も見所です。

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3:彼の洗練度をアップする、黒縁メガネ

 『キングスマン』では、黒縁メガネを始め、スタイリッシュなメガネ姿を見ることができます。これらはすべてカトラーアンドグロスのもの。監督のマシュー・ヴォーンが実際に愛用しているブランドなのだとか。

 カトラーアンドグロスは1969年にグラハム・カトラートニー・グロスが創業したイギリスの老舗アイウェアブランド。イタリアの職人技術にクールなデザインを融合したスタイルは、それまでオシャレアイテムではなかったメガネをファッションに格上げし、ラグジュアリーアイウェアブランドの先駆けとなりました。現在では世界中で愛されているブランドですが、創業当時から現在もコレクションはハンドメイドで制作しています。製品の中には『キングスマン』ラインもありますが、残念ながら日本では未発売。しかし、クラシックで厚みのある洗練されたフレームは3~5万円ぐらいで購入することができます。

『国際諜報局』
『国際諜報局』よりマイケル・ケイン扮するハリー・パーマー - Universal Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ちなみに、エグジーの指南役、ハリー(コリン・ファース)のスーツ+黒縁メガネのスタイルと、ハリーという名前は、1960年代のボンドのアンチテーゼとして作られたスパイ映画『国際諜報局』(1964)が原点マイケル・ケイン扮するハリー・パーマーは、元軍人でしたが軍の物資を横流ししたことが発覚し、諜報活動を強制されたスパイ。ボンドとは真逆で、労働階級訛りの英語を話す庶民くさいサラリーマンのようなスパイなのです。『キングスマン』にも登場するマイケル・ケインが、黒縁メガネで登場している点も見逃してはいけません。

『キングスマン』
『キングスマン』より、マイケル・ケイン扮するアーサー(右)とエグジー - Twentieth Century Fox Film Corporation / Photofest / ゲッティ イメージズ

 また、『オースティン・パワーズ』シリーズも実は『国際諜報局』のパロディー。言われてみると、オースティン・パワーズゆるふわヘア+黒縁メガネは、ハリー・パーマー風ですよね?

 伝統と洗練、デザインと機能が絶妙なハーモニーを奏でる名品が見つかるスパイ映画。バレンタインデーギフトの参考にしてみて下さいね。

 
【参考】
dunhill(ダンヒル)公式サイト
ZIPPO(ジッポー)公式サイト
Drake's(ドレイクス)公式サイト
CUTLER AND GROSS(カトラーアンドグロス)公式サイト
BOND LIFESTYLE
the guardian
男前研究所
Dress Like A Kingsman
史上最強の007を目撃せよ - pen[ペン]No.396 2015(CCCメディアハウス)

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此花さくやプロフィール

此花

 「映画で美活する」映画美容ライター/MAMEW骨筋メイク(R)公認アドバイザー。洋画好きが高じて高3のときに渡米。1999年NYファッション工科大学(F.I.T)でファッションと関連業界の国際貿易とマーケティング学科を卒業。卒業後はシャネルや資生堂アメリカなどでメイク製品のマーケティングに携わる。2007年の出産を機にビジネス翻訳家・美容ライターとして活動開始。執筆実績に扶桑社「女子SPA!」「メディアジーン」「cafeglobe」、小学館「美レンジャー」、コンデナスト・ジャパン「VOGUE GIRL」など。海外セレブのファッション・メイク分析が生きがいで、映画のファッションやメイクHow Toを発信中!

 
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