映画『ブラック・ウィドウ』を大胆予想!鍵を握るのはもう一人のブラック・ウィドウ

『ブラック・ウィドウ』
原作コミックでのブラック・ウィドウにも迫る! -(c)Marvel Studios 2020

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ブラック・ウィドウ』(5月1日公開)がいよいよ公開されます。昨年『アベンジャーズ/エンドゲーム』での彼女の運命・選択に、僕らは衝撃を受けました。だから、なおさらブラック・ウィドウが恋しい。そうした気持ちに応えるべく、ブラック・ウィドウことナターシャがスクリーンに帰ってくるわけです。折しも、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウがMCUに登場したのが、2010年の『アイアンマン2』。そう、本作は映画版ブラック・ウィドウ10周年のメモリアル作品でもあるわけです。ここでは、そもそもマーベル・コミックでブラック・ウィドウがどういうキャラクターだったか? をご紹介しながら、予告編等から映画の内容について予想してみようと思います。(文:杉山すぴ豊)

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ブラック・ウィドウとは何者か?

ブラック・ウィドウ
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』より - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 本作は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の間でナターシャの身に何が起こったのか? を描く作品とされています。これは実にうまい設定です。というのも『シビル・ウォー』でアベンジャーズは事実上解散し、ヒーローたちの絆はバラバラになっています。おまけに、ブラック・ウィドウはお尋ね者の身(『シビル・ウォー』において、彼女は当初アイアンマン側=体制側でしたが、土壇場で反体制側のキャプテン・アメリカを助け、逃がしてしまいますからね)。つまり、彼女を助けてくれるヒーロー仲間がいない状態で戦わねばなりません。スリリングな彼女のソロ映画を作るにはうってつけの状況になっています。そして、今まで語られることのなかった彼女の秘密がついに明らかになるのかもしれません。

 MCUを見続けている方なら、ブラック・ウィドウは元々ロシアで訓練を受けたスパイであり破壊工作や暗殺のプロだった。しかし改心してシールドのエージェント、アベンジャーズの一員となり、そのスキルで人々を救う道を選んだということがわかります。見方を変えれば、彼女は血に塗られた過去の清算のために戦っている。そして“家族”というものに特別な思い入れがある。まだブダペストの地で何かあった……。こうした要素は今までのブラック・ウィドウのセリフ等から示唆されてきました。

 ブラック・ウィドウが日本で紹介されたのは、恐らく1978年発売された、翻訳版スパイダーマン(光文社)の3巻だったと思います。この時はスパイダーマンと戦うというエピソードでした。しかし、ブラック・ウィドウことナターシャはもともとスパイダーマン・コミックのキャラではなく、アイアンマンの敵としてデビュー。1964年の「Tales of Suspense」第52号です。旧・ソ連のスパイで、祖国を裏切ってアイアンマンに寝返ったクリムゾン・ダイナモの奪還と暗殺のためにやってくるという設定です。この時は、いかにも妖艶なマダム的なキャラでした。

 その後、まだアイアンマンのヴィランだったホークアイと恋仲になったりと紆余曲折を経て、1966年の「アベンジャーズ」29号において、ニック・フューリーにスカウトされシールドの仲間になります。そしてシールドを離れ、フリーのエージェントとなるのです。

ブラック・ウィドウ
映画でのブラック・ウィドウ -Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 しかしながら、ブラック・ウィドウを語るとき、これらの号よりも僕が翻訳で読んだスパイダーマンのエピソード(元は1970年の「アメイジング・スパイダーマン」86号)が、彼女の代表例としてよく引用されています。というのも、このスパイダーマンのコミックにおいて、彼女は黒づくめのコスチュームとなり、そして両腕に様々な仕掛けを施したブレスレット(ウィドウズ・バイト)を装着します。そう、その後のブラック・ウィドウのビジュアル、僕らが映画でイメージするブラック・ウィドウの姿に、この時完成したからなのです。

 彼女がなぜスパイダーマンに戦いを挑んだかというと、彼の蜘蛛糸を使ったスウィング技を盗みたかったからです。ブラック・ウィドウもウィドウ・バイトからワイヤーを発射して、ビルからビルへ移動しますからね。ちなみにブラック・ウィドウとは訳すと“黒衣の未亡人”ですが、日本名「クロゴケグモ」という毒グモに由来するコードネームです。だから、このスパイダーマンのお話は蜘蛛男ヒーローと蜘蛛女スパイの共演となるわけです。こうしてマーベルの、いやアメコミの世界を代表する女性ヒーロー(アメコミはヒロインという言葉をあまり使わず、こうした女性キャラもヒーローと呼びます)となりました。

ブラック・ウィドウ
『アイアンマン2』で華々しくデビュー! - Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 映画の方では『アイアンマン2』(2010)でデビュー。この時からスカーレット・ヨハンソンが演じています。この映画では、すでにシールドのエージェントになっているという設定でした。しかしこの映画に登場する悪役(ミッキー・ローク)は、原作コミックのクリムゾン・ダイナモから着想を得ています。前述の通り、コミックにおけるブラック・ウィドウのデビューは、クリムゾン・ダイナモとの絡みですから、『アイアンマン2』には原作へのオマージュがあったと思われます。その後ナターシャは、アベンジャーズのメンバーとして活躍します。彼女はブルース・バナー(=ハルク)と心を通わせますが、これは映画オリジナルの設定だと思われます。

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予告編などで予想する重要キャラクターたち

ロス長官
『シビル・ウォー』でのロス長官 - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 予告編からわかる通り、映画にはウィリアム・ハートデヴィッド・ハーバーフローレンス・ピューレイチェル・ワイズが登場します。まずウィリアム・ハートは政府の高官ロスですね。『インクレディブル・ハルク』の時にハルクを追うロス将軍、『シビル・ウォー』ではアベンジャーズを取り締まるソコヴィア協定の推進者でした。つまりロスがソコヴィア協定に反旗を翻したブラック・ウィドウを追っているということでしょうか?

 デヴィッド・ハーバーは、ヒーローっぽいコスチュームを着ます。セリフ等から、かつてこの姿で活躍していたことがわかります。彼が演じるのはアレクセイという役ですが、 この人物はレッド・ガーディアンという“ソ連(現・ロシア)のキャプテン・アメリカ”として活躍していたことがあるのです。そう、このコスチュームはレッド・ガーディアンのものですね。引退していたレッド・ガーディアンの復活でしょう。

フローレンス・ピュー
大作出演が続くフローレンス・ピュー - Rich Fury / VF20 / Getty Images for Vanity Fair

 本作の鍵を握るのは、フローレンス・ピュー。予告編ではブラック・ウィドウが彼女を“妹”と呼んでいます。そしてほぼ彼女と同等の戦闘スキルを持っている。彼女の役柄は、エレーナ・ベロワとされています。これはコミックにおけるもう一人のブラック・ウィドウです。そう“ブラック・ウィドウ”とは、コードネームであり、この名を持つエージェントは複数存在するわけです。

 そう考えるとレイチェル・ワイズ演じるキャラ(メリーナという名前らしい)も、ナターシャたちの先代にあたる“ブラック・ウィドウ”と思われます。コミックでは「アレクセイ=レッド・ガーディアンと、ナターシャ=ブラック・ウィドウは夫婦だった」という設定もあり、これをアレンジして、映画では「アレクセイとメリーナ(先代ブラック・ウィドウ)が“夫婦”。その“子供たち”としてナターシャとエレーナがいるという疑似家族」としたようですね。

コミコン
昨年夏のコミコンに集結したキャストたち -Albert L. Ortega / Getty Images

 では、この“疑似家族”が再結集して戦う相手は誰か? ブラック・ウィドウたちはレッドルームという、秘密のスパイ育成プログラムで生まれたとされています。このレッドルームらしきものが、この予告編にも登場しますから、レッドルームを利用して世界を混乱に巻き込もうとする悪の組織と戦うのかもしれません。

 大注目なのは、髑髏のような仮面を被ったいかにも悪役っぽいキャラ。コミックファン待望のヴィラン、タスクマスターがついにMCUデビューです。このキャラは相手の動きを見て、瞬時にその技をコピー出来る能力を持っています。予告編だと、ホークアイの弓技、キャプテン・アメリカの盾のスキルをマスターしていますね。気になるのは、この役を誰が演じているかです。MCUのことですから、マスクをとったら誰もが驚く大スターが演じていたという可能性もあります。

コミコン
トニー・スターク、カメオ出演なるか? - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スターと言えば、ロバート・ダウニー・Jrがカメオ出演との噂もあり、実現すればトニー・スタークにまたスクリーンで会えますね! ブラック・ウィドウ自体が、スーパーパワーを持つ超人ではないので、『ブラック・ウィドウ』はヒーロー映画というより、サスペンスアクション色が強い感じです。この作品がMCUフェーズ4の中でどういう役割を果たすのか? フローレンス・ピューがもう一人のブラック・ウィドウとして今後のMCUで活躍するのか、また新たな脅威の存在がここで示唆され、それがフェーズ4のメインヴィランになっていくのか、これからのMCUを占う意味でも必見です。

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杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)プロフィール

アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画についての情報をさまざまなメディア、劇場パンフレット、東京コミコン等のイベントで発信。現在「スクリーン」「ヤングアニマル嵐」でアメコミ映画の連載あり。サンディエゴ・コミコンも毎年参加している。来日したエマ・ストーンに「あなた(日本の)スパイダーマンね」と言われたことが自慢。

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