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真の『ジャスティス・リーグ』!スナイダー・カットとは

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『ジャスティス・リーグ』
スナイダー・カット発表までは長い道のりだった! - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 DC映画『ジャスティス・リーグ』(2017)のスナイダー・カットが、動画配信サービス「HBO Max」で2021年に配信されることが、今年5月に正式決定。全世界のDCファンが大興奮するニュースとなりましたが、「そもそもスナイダー・カットって何?」と思う方も多いはず。ここでは、配信が決定した『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットについて、実現までの流れや、現在判明している情報をご紹介!(編集部・倉本拓弥)

スナイダー・カットとは?

ザック・スナイダー
ザック・スナイダー監督 - Stephen Lovekin / Getty Images

 スナイダー・カットは、『ジャスティス・リーグ』を途中で降板したザック・スナイダー監督が当初構想していたバージョン。言わば、ディレクターズ・カット版です。スーパーマンが主人公の『マン・オブ・スティール』(2013)を手掛けたスナイダー監督は、続けて『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、『ジャスティス・リーグ』の監督に就任し、DC独自の作品群(DCエクステンデッド・ユニバース、以下DCEU)拡大に必要不可欠な存在となっていました。

 しかし、『ジャスティス・リーグ』製作中の2017年3月、突然の悲劇がスナイダー監督を襲います。最愛の娘オータムさん(享年20歳)が自殺によって亡くなったのです。監督は休養後、一度は現場復帰しましたが、同年5月に『ジャスティス・リーグ』からの降板を発表。本撮影はすでに終了していましたが、スナイダー監督は一部のシーンの再撮影を希望しており、後任に決まったジョス・ウェドン監督(『アベンジャーズ』シリーズ)が再撮影・編集作業を引き継ぐ形で製作が進んでいきました。

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ジョス・ウェドン
後任のジョス・ウェドン監督 - Fernando Leon / Getty Images

 予定通り11月17日に全米公開された『ジャスティス・リーグ』ですが、オープニング興行収入は9,384万2,239ドル(約103億円)で、DCEU作品で初めてオープニング興収1億ドル(約110億円)を切る結果に。さらに、ウェドン監督が仕上げた『ジャスティス・リーグ』は、ダークな世界観を貫きたかったスナイダー監督のテイストとは全く異なるもので、作品のファンからは、スナイダー監督版の公開を求める声が高まっていきました。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル110円計算)

キャストも動いた!実現までの流れ

『ジャスティス・リーグ』
公開後からファンの運動が加熱 - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 スナイダー・カットに関しては、関係者による様々な証言が飛び交っており、存在自体が都市伝説化していました。それでも、ファンはスナイダー版『ジャスティス・リーグ』を求めて、公開直後からロビー活動を行うようになります。SNS上では「#ReleaseTheSnyderCut(スナイダー・カットを公開しろ)」というハッシュタグが見られるようになり、ポップカルチャーの祭典サンディエゴ・コミコンで、アドバルーンを飛ばすためのクラウドファンディングまで立ち上がるほど、勢いが増していきました。

 ファンの熱い思いは、映画のキャストにも届いていました。『ジャスティス・リーグ』全米公開から丸2年を迎えた2019年11月17日、バットマン役のベン・アフレック、ワンダーウーマン役のガル・ガドットが「#ReleaseTheSnyderCut」とツイートし、ファンの運動を支持すると表明。スナイダー監督も、二人の行動は間違っていないと主張しています。

『ジャスティス・リーグ』
作品を愛しているキャストも動いた! - Tim P. Whitby / Tim P. Whitby / Getty Images

 さらに同年12月、スナイダー・カットの存在を決定づける出来事が。スナイダー監督がSNSアプリVeroで、上映時間214分(3時間34分)と書かれたスナイダー・カットのフィルム缶が写った写真を投稿。写真には「本当か? 実際に存在する? もちろん存在するさ」とつづられていました。後にスナイダー監督は、スナイダー・カット公開に関して動きがあったのは、全米公開2周年の直後からだと The Hollywood Reporter に語っており、フィルム缶の写真を投稿した時には、すでに実現に向けた話し合いが持たれていたことになるのです。

 そして2020年5月20日、米ワーナーメディアが『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットを HBO Max で配信すると正式に発表。スナイダー監督は「アーティストを支持し、真のバージョンを実現化させてくれた、HBO Maxとワーナー・ブラザースの勇気ある行動に感謝します。また、スナイダー・カット運動に参加し、実現させてくれた人たちにも感謝を申し上げます」と公式声明で感謝を伝えています。

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スナイダー・カットはこうなる!エピソード形式で配信も?

『ジャスティス・リーグ』
撮影現場でのスナイダー監督 - Tim P. Whitby / Tim P. Whitby / Getty Images

 配信される『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットは、劇場公開版と何が違うのか? 内容に関する情報を一部ご紹介します。

 スナイダー・カットは、配信こそ決定したものの、配信形式は未定。The Hollywood Reporter は、4時間近い長編映画としての配信、もしくは6つのチャプターに分割したエピソード形式になる可能性があると報じています。「全く新しい作品」とスナイダー監督が説明する通り、スナイダー・カット完成には2,000万~3,000万ドル(約22億円~33億円、1ドル110円計算)が投入され、主要キャストも新たな会話パートを再録するとも言われており、劇場公開版とはかなり異なるテイストになることが考えられます。

劇場公開版でまさかの全カット…悪役ダークサイド登場

 スナイダー・カットには、劇場公開版には出てこなかった悪役ダークサイドが登場。原作コミックスでは、パラデーモンたちを従え、全宇宙の生物を奴隷として支配しようとする危険なヴィランとして描かれています。もともと映画にも登場予定で、俳優のレイ・ポーターを起用して撮影も行われていましたが、劇場公開版では全カットされてしまう結果に。スナイダー監督が先日公開した映像には、艦隊を従えるダークサイドの姿がしっかりと映っており、スナイダー・カットで脅威となることが予想されています。

 他にも、クライマックスで登場した空の色の変更や、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で示唆されたロビン殺害のヒントなど、新たな要素が盛り込まれていると報じられています。まだまだ謎が多い本作ですが、スナイダー監督は、日本時間8月23日に開催されるバーチャルイベント「DC FanDome(DCファンドーム)」で新情報を公開するとTwitterで予告しており、更なるサプライズ発表に期待が高まります。

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