夏休み映画特集2023 ～洋画編～
この夏の洋画は、スカッとするアクション大作や背筋が凍るようなホラーなど夏にぴったりな作品が充実。そのほかにも興味深いドキュメンタリーや涙を誘う感動作など、バラエティー豊かなラインナップから見逃せない作品をご紹介します！（文・岩永めぐみ）
これでも還暦!? トムの圧巻のアクションを大スクリーンで
『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』公開中
監督：クリストファー・マッカリー
キャスト：トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン
吹替キャスト：森川智之、根本泰彦、甲斐田裕子
163分
7作目となるトム・クルーズ主演の人気シリーズで、クリストファー・マッカリー監督とのコンビも3作連続となる最新作。今回、IMFの凄腕エージェント、イーサン・ハントに課せられたミッションは、人類を脅かす新兵器が悪の手に渡るのを防ぐというもの。使命を遂行しようとするイーサンに、敵の存在のみならず、彼自身の逃れられない過去が立ちはだかる。共演としてIMFの同僚を演じるサイモン・ペッグらのほか、シリーズ1作目に登場したヘンリー・ツェーニーや、ヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフらが参加。断崖絶壁からのバイクでの大ジャンプやローマでのカーチェイスなど、体を張ったアクションシーンも健在。7月3日に61歳になったばかりのトムの勇姿を映画館の大スクリーンで堪能したい。
北欧の巨匠によるカルト的ドラマシリーズ、約25年を経た最終章
『キングダム エクソダス＜脱出＞』公開中
監督：ラース・フォン・トリアー
キャスト：ボディル・ヨルゲンセン、ミカエル・パーシュブラント、ラース・ミケルセン
319分
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などのラース・フォン・トリアー監督が1990年代に手掛けたカルトホラーで、未完のままだったドラマシリーズ「キングダム」の最終章。舞台はデンマーク・コペンハーゲンにある大病院・キングダム。夢遊病者の女性が次々と起こる不可解な事件を解決しようとする。『ゴジラvsコング』などのアレキサンダー・スカルスガルドが、父ステランがドラマシリーズで演じていた役のオマージュ的な人物にふんするほか、トリアー監督作品の常連であるウド・キアやウィレム・デフォーなどが出演。トリアー監督作の醍醐味でもある不穏な世界観やこだわり尽くした映像美に期待が高まる。
新型コロナウイルス禍の苦境を猫と共に過ごす男たち
『猫と、とうさん』公開中
監督：マイ・ホン
キャスト：ネイサン・ケーン、ジェフ・ジャドキンス、デヴィッド・ジョバンニ
89分
暮らしの中に猫がいる環境の男性たちを追ったドキュメンタリー。家庭や職場などで猫と共に過ごすのは、俳優兼インフルエンサーや技術者、消防士、路上で暮らすホームレス、トラック運転手などまったく異なる境遇の男性たち。新型コロナウイルスがまん延する中で撮影が行われ、彼らと猫との絆を記録した。監督はプロデューサーや短編映画の監督を経て、本作で長編ドキュメンタリー映画の初メガホンをとったマイ・ホン。多くの人が活動を制限せざるを得ない環境下で、人間に寄り添ってくれるネコちゃんたちのかわいいこと。癒やし効果は絶大！
『トランスフォーマー』が新シリーズとして帰ってくる！
『トランスフォーマー／ビースト覚醒』公開中
監督：スティーヴン・ケイプル・Jr
キャスト：アンソニー・ラモス、ドミニク・フィッシュバック、ピーター・カレン
吹替キャスト：中島健人、仲里依紗、玄田哲章
127分
SFアクション『トランスフォーマー』の新作は、1990年代のアニメ「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」をベースとする新シリーズ。アニメ版に登場する、動物からトランスフォームするビースト戦士たち（マクシマル）が参戦する。物語の時代設定は1994年。あらゆる星を丸呑みにして食べ尽くす敵・ユニクロンの脅威に、人類はオートボットやビーストたちと共に立ち上がる。監督は『クリード 炎の宿敵』などのスティーヴン・ケイプル・Jrで、マイケル・ベイが製作に回る。キャラクターの造形や迫力満点のトランスフォーム、そしてアクションに興奮必至。
映画会社A24が製作した、新人監督の実話を基にした感動ドラマ
『インスペクション ここで生きる』公開中
監督：エレガンス・ブラットン
キャスト：ジェレミー・ポープ、ガブリエル・ユニオン、ラウル・カスティーヨ
95分
海兵隊の映像記録を担当していたという異色のキャリアを持つエレガンス・ブラットン監督の長編デビュー作で、アフリカ系であり同性愛者である自身の壮絶な半生を描いたドラマ。ゲイであることを理由に母親に捨てられ、16歳でホームレスとなった主人公。生きるために入隊した海兵隊で、彼は壮絶なしごきや差別に遭う。そんな過酷な日々の中でも毅然とした振る舞いをみせる主人公を演じ、本作でゴールデン・グローブ賞主演男優賞（映画・ドラマ部門）にノミネートされたジェレミー・ポープの繊細で力強い演技は必見だ。
キャストやスタッフが語る映画監督タランティーノの実像
『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』公開中
監督：タラ・ウッド
キャスト：サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロス、クリストフ・ヴァルツ
101分
デビュー作『レザボア・ドッグス』以来、強烈な作品を生み出し続ける唯一無二の映画監督クエンティン・タランティーノ。そのキャリアのスタートから『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にいたるまでの各作品の裏話が、ティム・ロスやサミュエル・L・ジャクソン、ゾーイ・ベルといったキャストやスタッフたちから続々登場。映画の豊富な知識、女性の描き方やジャンル映画への偏愛といったタランティーノの作家性を物語るエピソードはもちろん、ユマ・サーマンが大けがをした撮影中の事故や、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインとの関係にも触れられている。タランティーノ映画ファンなら必見の一作だ。
ピンク色であふれる、バービー初の実写化ファンタジー
『バービー』公開中
監督：グレタ・ガーウィグ
キャスト：マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、アメリカ・フェレーラ
吹替キャスト：高畑充希、武内駿輔、本田貴子
114分
世界中で長年にわたって愛されるファッションドール、バービーが初の実写化。全てが完璧な夢のような世界、バービーランドに暮らすバービーの体に異変が起きる。バービーは原因を探るために、恋人のケンと共に人間の世界へ。完璧とはいえないその世界で、バービーは世界の秘密を知る。『スーサイド・スクワッド』シリーズなどのマーゴット・ロビーと『ラ・ラ・ランド』などのライアン・ゴズリングがファッショナブルな衣装でバービーとケンを再現。監督は『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ。意表を突く展開でみせる、バービーの心の変化に引き込まれる。
美しくて強いスーパーヒロインの活躍に惚れる！
『ハート・オブ・ストーン』Netflixで独占配信中
監督：トム・ハーパー
キャスト：ガル・ガドット、ジェイミー・ドーナン、アーリヤー・バット
吹替キャスト：甲斐田裕子、津田健次郎、佐倉綾音
122分
DCコミックスのヒロインを務める『ワンダーウーマン』などのガル・ガドットが、世界を股にかけたスパイを演じるアクション。最も危険な武器となり得るという最先端のテクノロジーが、危険なハッカーに狙われる中、それを阻止すべく平和維持組織の陰の諜報員である主人公が戦いを繰り広げる。監督は『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』などのトム・ハーパーで、『ベルファスト』などのジェイミー・ドーナンや『RRR』などのアーリヤー・バットらが共演。美しさと強さを兼ね備えたガル・ガドットの奮闘に惚れ惚れ。
摩訶不思議なクローネンバーグ・ワールドに込められたメッセージ
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』公開中
監督：デヴィッド・クローネンバーグ
キャスト：ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥ、クリステン・スチュワート
108分
デヴィッド・クローネンバーグ監督の新作は、人類が環境に適応することによって痛みを感じなくなった近未来を描いたホラー。体内で次々と臓器をつくり出すことのできるアーティストと、彼の臓器の摘出手術をショーとして見せるパフォーマーを、クローネンバーグ監督作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』などのヴィゴ・モーテンセンと『アデル、ブルーは熱い色』などのレア・セドゥが演じる。『イグジステンズ』などで人体に強いこだわりを見せてきたクローネンバーグ監督によると、本作は人類の進化についての映画だとのこと。独特の芸術性と深いメッセージ性が融合した世界観に魅了される。
第2弾は超巨大ザメが群れで登場！さらに巨大生物までもが出現
『MEG ザ・モンスターズ2』公開中
監督：ベン・ウィートリー
キャスト：ジェイソン・ステイサム、クリフ・カーティス、シエンナ・ギロリー
116分
『トランスポーター』シリーズや『エクスペンダブルズ』シリーズなどのジェイソン・ステイサムが巨大ザメと戦うパニックアクション『MEG ザ・モンスター』の続編。世界で最も深い海、マリアナ海溝にやってきた海洋探査チームと潜水レスキューのプロである主人公。しかしそこは、200万年前に絶滅したはずの超巨大ザメMEG（メガロドン）の群れとなぞの巨大生物の巣窟だった。その怪物たちがビーチに突如現れ、人々を襲撃！ MEGや巨大生物に生身で対峙するステイサムの戦いっぷりに驚嘆する。
