泣けカワ!『リロ&スティッチ』最強説は本当だった
提供:ディズニー
ディズニーの人気アニメーションを実写化した『リロ&スティッチ』は、両親を亡くした孤独な姉妹とハワイのカウアイ島に不時着した暴れん坊のエイリアンが絆を深め、やがてオハナ(家族)になっていくハートウォーミングな物語。実写化したスティッチの可愛いビジュアルもさることながら、海外メディアがこぞって「ディズニー実写映画史上、最高傑作!」「アニメーション版は愛らしい物語だったが、実写版は心を震わせるストーリーでさらなる深みを与えている」と絶賛している。可愛いだけじゃなく、泣ける物語に仕上がっているという、“最強説”は本当なのか迫ってみる。(文:SYO)
モフモフがたまらない!リアルスティッチが可愛すぎる

『リロ&スティッチ』の実写化ならではの“進化点”は気になるところだが、スティッチのモフモフ感が想像以上に見事な仕上がり! アニメーション版では表現できなかった、そっと触れたくなるような柔らかな毛並みが見事に再現されている。さらに、気持ちに合わせて向きが変わる大きな耳、キラキラした目、すべすべの鼻といったパーツはもちろん、くるくる変わる表情もすばしっこい動きも可愛さ抜群だ。特に、リロとの出会いのシーンで、犬のマネをして可愛くふるまうあざと可愛い姿は格別だ!
最初は暴れん坊だったスティッチがリロと過ごし、愛情を獲得していくにしたがって挙動が柔らかくなり、キュートさがどんどんレベルアップしていく。手をつなぐときに爪が当たらないように気を遣ったり、ハグの仕方も優しくなったり──。さながらモフモフ版『E.T.』のごとく、絆×可愛さのコラボレーションが天井知らずに増していく。
癒やし度120%!ハワイの波と音楽に心洗われる

『リロ&スティッチ』にはハワイの魅力がたっぷりと詰まっており、旅行気分を存分に味わえる。冒頭のリロが初登場するシーンでは、澄み切ったブルーオーシャンをリロがカラフルな魚たちと泳ぎ、一気に常夏の楽園ハワイのムードが高まる(サンドイッチのくだりもファンにはうれしい)。その後もリロとスティッチが島を周遊したり、サーフィンに興じたりと大パノラマのアクティビティを追体験できる。さらに、音楽面もキーポイント。心地よいハワイアンミュージックに合わせてフラダンスを踊ったり、ハンモックに揺られてウクレレを弾いたり、ファンならお待ちかねのエルヴィス・プレスリーのネタも網羅。ハワイを代表する民謡「アロハ・オエ」を歌うリロとナニの歌声は、癒やし効果120パーセントで、いたずらっ子のスティッチも思わず聞きほれてしまうほどだ。
ほかにも、リゾート感満載のジャグジーにファイヤーダンスを楽しめるレストランや、トロピカルジュースやクリームたっぷりのケーキ、レインボーアイスといった料理の数々。ラグジュアリーなホテルに憧れの結婚式、ショッピング……ハワイに行ったらしてみたい全部が、この1本に詰まっている!
泣ける!孤独な少女リロとスティッチの友情&姉ナニの愛とオハナ=家族の絆

科学者によって凶暴さだけをプログラムされて作られ、愛を知らないスティッチ。大好きな両親を失い、同級生たちに爪はじきにされ、愛を失ったリロ。一人ぼっちで似た者同士のふたりが、手を取り合ってオハナになっていく過程がなんとも温かく丁寧に描かれており、クライマックスに向かうにつれて涙が流れる頻度が上がっていく。いたずらっ子たちの単なるドタバタ劇ではなく、「孤独を癒やす方法を知らない」リロとスティッチの内面がより掘り下げられている。
リロの姉ナニや親切な隣人トゥトゥの目線を交えながら「悪い子じゃなく、時々悪いことをしちゃうだけ」というセリフを加えるなど、当事者へのケアが行き届いている。アニメーション版ではなかなか見えてこなかったナニの人物設定や心情描写が深掘りされて、物語としての完成度を高めている。ナニが妹の世話のために大学進学の夢を諦めた苦悩や、喪失感を隠して親代わりになろうと気丈に振る舞う健気さ、どんなに大変なときもリロを一番に思う愛情の深さが、まっすぐに心に流れ込んでくる。一度観たらナニを大好きになってしまうことは間違いなく、家族というテーマの探求とエモーション面強化のカギを握っている彼女が本作の最大級の見どころの一つといっても過言ではない。リロとスティッチ、そしてナニ。この3人を中心とした心温まるオハナのドラマが、優しい涙を誘う。
大人も共感!困難に立ち向かう姉妹の強さと葛藤

ナニが“裏主人公”といえるほどの活躍を見せる物語として描かれることで、実写版『リロ&スティッチ』は大人が観るとより感情移入して泣いてしまう作品としてパワーアップした。本作はもともと、「社会福祉局の介入により、生活能力があると証明しないと離ればなれになるタイムリミットが迫った姉妹」というシビアな側面を持つ物語だが、各キャラクターの調整や細やかな設定含めてリアリティ重視にアップデートされている。さらにリロとナニを中心に「愛情と執着」「理想と現実」を対比させ、作品テーマとも連動。現実社会と地続き状態になったため、その“沁み度”が半端ではなく響いてくる。今という時代をしっかり見つめ、酸いも甘いもかみ分けた現代人が「わかる……」と頷いてしまうのだ。
まだ青春真っただ中にもかかわらず過酷な状況に陥り、たった一人の妹を守り抜くために過保護になり距離が生まれてしまう哀しみ、日々の生活に追われて気が張り詰め、素直に愛情を伝えられない姉の葛藤。大好きな姉が変わってしまった寂しさと、自分が幼いがゆえに姉の人生を奪ってしまった歯がゆさ──。リロとナニが抱えるどの感情にもしっかりと人間性が宿っており、確固たる真実味と深い共感性を伴って胸に迫ってくる。だからこそ寄り添って応援したくなり、見守った先にふたりがたどり着く “答え”には思わず拍手を送らずにはいられなくなるはずだ。姉妹を軸にした本作は、『アナと雪の女王』にも通じ、互いを想い合って共に試練に立ち向かう姿でこれ以上ないほど完璧なフィナーレを飾っている。
家族がいないスティッチと、家族を失ったリロとナニ。3人が欠けた部分を補い合うように新しい家族(オハナ)を形成していく過程で見つけた、「家族だっていつも完璧じゃなくていい」というメッセージも美しく心に残る。欠点や違いを認め合い、一歩ずつ一緒に歩んでいく道のりが自分たちを最強で最高の家族にしてくれる──。オハナという存在の温かみと大切さを改めて気づかせてくれる『リロ&スティッチ』は、観ている間の満足感だけで終わらず、これからの人生を生きていくうえで大切な財産になる、まさに“最強”映画といえる。
『リロ&スティッチ』は6月6日より全国公開 公式サイト>>
(C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.