まるで“大人のジブリ“ やさしい時空ロマンス『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』が心に染み渡る
提供:ソニー・ピクチャーズ

人生をやり直せる不思議なドアが目の前に現れたら、あなたはどうしますか? そんな“もしも”を描いたマーゴット・ロビー&コリン・ファレル共演作『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(12月19日公開)は、人生のターニングポイントを重ねてきて、時に後悔も抱える大人たちにこそ刺さるファンタジックなヒューマンドラマです。
監督はA24の『アフター・ヤン』が高く評価されたコゴナダ。『ハウルの動く城』などの宮崎駿監督作が本作に影響を与えたと公言し、音楽には敬愛する久石譲を迎えたほど。久石の魔法のように美しくどこか懐かしいメロディーも相まって、ハリウッド映画でありながら“大人のジブリ”というべき余韻と感動で包み込む、本作の魅力に迫りました。(編集部・市川遥)
男女の旅路に次々現れる、人生をやり直せる不思議なドア
とある結婚式で出会った、独り身のデヴィッド(コリン)とサラ(マーゴット)。彼らの共通点は不思議なレンタカー屋で、不思議なカーナビが搭載された車を借りたこと。ひと味違うこのユニークな設定が、想像力をぐっとかき立てます。好奇心からカーナビの奇妙な指示に従ってみることにした二人は、1台の車に同乗してロードトリップへ。カーナビに導かれてたどり着く先々には、それぞれの人生のターニングポイントとなった出来事へとタイムスリップする不思議なドアの数々が待ち受けていました。過去と現在が交差するドラマチックなアイデアが、本作ならではの胸に残る感動へと導きます。
かわいらしい赤色のドア、学校の大きな青いドア、落書きだらけのドア、病院のドア、実家のドア──。行く先々に現れるカラフルで印象的なドアの数々は、まるでスタジオジブリの『ハウルの動く城』に登場する魔法のドアのようで、気付けばその世界観の虜に。そして、それぞれのドアは今のデヴィッドとサラを形作った決定的な過去の瞬間へとつながっていて、二人はかつての自分が取った行動や大切な人たちと向き合い、時には誤りを正すことで、人生をやり直していきます。「あの時、もっとこうしておけばよかった」という後悔は、程度の差こそあれ誰しも抱えているはず。それだけにドアを通って過去をやり直し、ドアを通って大切な人に会いに行く二人の姿は、ファンタジーとしてのワクワク感と美しさに満ちつつも、リアルで切実なものとして心に迫ってきます。
音楽だけじゃない!まるで“大人のジブリ”のワケ
ジブリの宮崎駿監督作とのリンクは、何か不思議なことが起こりそうなきらめきと懐かしさを感じさせる久石譲の音楽にとどまりません。『コロンバス』『アフター・ヤン』でハリウッドの注目株となったコゴナダ監督は、宮崎監督作や新海誠監督の『すずめの戸締まり』など日本のアニメーション映画にも造詣が深く、不思議なドアのアイデアを持ち込みました。
インタビューに応じたコゴナダ監督は「『ハウルの動く城』にもドアが出てきますし、本当に興味深い感動的なロマンスがあります。宮崎監督が素晴らしくうまいのは、ファンタジーの世界と本物の人間の感情を融合させることです」と宮崎監督の映画づくりの核心を突いたかのようなコメント。「それは、いつだってはっきり言葉にするのは難しいような深い人間の感情です。そんな深い人間の感情こそ、僕たちがこのファンタジックな映画で捉えたかったものなんです」と宮崎監督作から受けた影響の大きさを明かしています。他者と関係を築くことの不確かさに一歩踏み出せなくなっていた大人の男女が不思議なドアを通り抜け過去をやり直すことで、自分自身を見つめ直していくさまは、まさにリアルな感情とファンタジーの見事な融合です。
今回が初のハリウッド作品となる久石の参加については、「夢のようで、想像すらしなかったこと」と目尻を下げたコゴナダ監督。「彼の音楽はほとんど“独自の世界”と言っていいほどなので、彼の解釈で音楽を作り上げてもらいました。彼の貢献は驚くべきもので、この映画に予想もしなかった深みを加えてくれました。本当にすてきで美しいです」と大絶賛しています。耳なじみのいい久石のメロディーに加え、古くは「ドラえもん」のどこでもドアなど不思議なドアへの憧れにも似た気持ちを持つ日本人の心の琴線に、『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』はしっかりと触れてきます。
こじらせ過ぎの二人に共感!観終わった後の余韻がすごい
夫&父になる夢を持つデヴィッドと、恋愛にも結婚にも興味がないサラ。二人が不思議なドアを通り抜けるたびに相手への理解を深めるのと同時に、観客も二人のことを知っていきます。『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルと『バービー』のマーゴット・ロビーという二人のオスカーノミネート俳優の演技力は圧巻で、とても魅力的だけどたくさんの欠点もある男女の姿がリアルすぎる! 二人に自分を重ね合わせ、身につまされる人も多いのではないでしょうか?
時に笑わせ、時に現実の痛みを突きつけ、時に涙腺を刺激し、それでもやさしく、軽やかに、確かなことなどない恋愛関係においても一歩踏み出してみることが大切だと教えてくれる本作。ヒューマンドラマとしてもラブストーリーとしても人間のリアルな感情を描いているだけに観終わった後の余韻が半端なく、一人でじっくり浸って心に宿った温かなものを反芻するもよし、友達、恋人、家族とじっくり語り合うもよし! 人間関係が希薄になっていると言われがちな現在だからこそ一層強く訴えかけるものがある、奇跡のようなきらめきに満ちた『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』をぜひ劇場で!
映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』は12月19日より全国公開
公式サイト>> 上映劇場>>


