アクションもドラマも全部乗せ

"全部乗せ"感がスゴイ。アクション面も、ドラマ面も、ありとあらゆる技が繰り出される。アクションは、高速で自動車を運転する男と、それを追ってきたオートバイに乗る男が、窓越しに格闘しながらさらに運転速度を上げていくだけでも凄いのに、そこに別の自動車が突っ込んで来るだけでなく、近くを歩く子供が轢かれそうになるのでそれを救おうとする、と二重、三重の離れ業が連鎖する。ドラマも、基本は融通が利かない信念の男と、頭がよく回る知能犯の熾烈な戦いなのだが、そこに友人の仇、チームの結束、過去の軋轢、組織の正義といったドラマがこれでもかと盛り込まれる。それでいて、スピード感がまったく損なわれないところが偉業。