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監督マギー・ギレンホール、その演出センスは熟練の域

2022年1月4日 斉藤 博昭 ロスト・ドーター ★★★★★ ★★★★★

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ロスト・ドーター

一人でバカンスを楽しむ主人公が、出会った家族に自分を重ね、つらい記憶が呼び戻されるドラマは特に目新しくはない。主人公は常軌を逸した行動にも出るが、あくまでも淡々とつづられることで、逆にその闇の深さがしみてくる。このあたり、観る者の心にさざ波を立てる絶妙な匙加減で、M・ギレンホールの初監督作らしからぬセンスが光る。
過去と現在の行き来はともかく、その場のシーンを微妙に時間をシャッフルさせる高等テクは、鼻につくというより、感情を伝えるうえで効果的。
一人バカンスの悦楽から、寂しさと恐怖、正義感、人生の疵(きず)、自己弁護の本能など、一切大げさにならず表現するO・コールマン。これこそ演技の最上見本。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:『ウエスト・サイド・ストーリー』公開に合わせて、東山紀之さんのCM撮影や各種インタビューをお手伝い。作品への愛をまっすぐに受け止めて、こちらも感激。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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