泣いたよ。世界と闘う孤高の腐女子!

なにかと「アナル」と口に出す腐女子ぼんちゃん(佐倉絵麻)を中心とした芝居の作り込みが圧巻! そして彼女のキャラは、小林啓一監督の前作『ももいろそらを』の女子高生いづみ(池田愛)のアップデートと言っていい。感受性が強く、ある種潔癖ゆえ、世界を斜め上から目線で見るタイプ。
監督はそんなヒロインの「青臭さ」を猛烈な試練にかける。脳内論理を超える破壊力を持った複雑な現実。ぼんちゃんは意外なラスボスとの対決を得て高次の思索に入り込む。
感動的なのは、監督は必死に世界と闘う彼女(達)の「青臭さ」を愛してるんだなってこと。モチーフの重なる吉田恵輔監督が体験派寄りだとしたら、小林監督は理念派の傑物ですな。