どう転んでいくのか予想不能、超A級のサスペンス!

ヒンディー語映画だが舞台はベンガル語圏のコルカタ。言葉も満足に通じない土地でいわば探偵役として奔走する主人公は妊婦で危なっかしいし、中央情報局員は陰険そのもの、メガネ小太りで頭頂ハゲを誤魔化したヒットマンは不気味で怖い。主人公の助手役を務める新米警官ラナの秘かな思慕にやや和むが、最後までサスペンスの糸は張り切ったまま。ちなみにラナ役俳優の祖父はベンガル芸術映画の巨匠リッティク・ゴトクだそうで、そんなところに歌も踊りもないインド映画へのリスペクトが籠められてるのかも。すべての「物語」が終わって腑抜けのようになった頭に、御大アミターブ・バッチャンの歌声(作詞作曲は詩聖タゴール!)が染みます。