初期のタランティーノを彷彿させる破壊力

IRA支援を目的とした武器取引が切れやすいバカ男のせいでカオス状態となるわけで、映画の75%くらいは銃撃戦。見終わって頭に浮かんだのが「一体、何発撃ったの?」ということで、戦争映画もかくやの発砲数だ。しかも70年代のライフルや拳銃は精度が低いのか、即死しないのがミソ。撃たれても会話ができ、意外な本音や欲望が飛び出すのが笑える。過激なバイオレンスに笑いを混ぜる演出スタイルや全体のニュアンス、登場人物の腹の探り合いといった流れが『レザボア・ドッグス』で斬新&ユニークな映画制作術を作り上げたQ・タランティーノに通じるが、破壊力はそれ以上かも。逸材ベン・ウィートリーの名前は覚えておきたい。