色彩で表現する、史上最も美しい詩的な黒人映画

2017年4月30日 清水 節 ムーンライト ★★★★★ ★★★★★

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ムーンライト

 トッド・ヘインズの『キャロル』に次いで、美しく描いてこそLGBTQへの偏見をはね返すことが出来るという強い信念が、通奏低音として流れている。こんなにもカラフルな黒人映画はいまだかつてなかった。色彩を際立たせる撮影とポスプロに唸らされる。人種・同性愛・貧困。声高に訴えることなく、怒りを内に秘めつつも状況に合わせ、ナイーブだった子供が、やがて強靱さを手に入れて成長する、逞しさとやるせなさ。9歳、16歳、26歳――ロジックではなくエモーションで繫がる三章構成。マハーシャラ・アリの存在は、生きるよすがとして、性的あこがれとして、少年の心の中で生き続けたことを示唆する、寡黙で詩的な演出が素晴らしい。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書: 「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●映像制作: WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞(芸術番組部門)、ギャラクシー賞(奨励賞)、民放連最優秀賞(テレビ教養番組部門)受賞

近況:●Pen online:FILMeX特集●サイゾー:角川春樹特集●製作55周年「ウルトラマン」Blu-rayBOX収録「ウルトラ・レボリューション1966」構成・演出・取材●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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