シネマトゥデイ

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放映済みの短縮版は一旦スルーして、豊穣なスリルを味わいたい

  • バーニング 劇場版
    ★★★★

    村上春樹の短編を意外なほどテーマは忠実に、核心の「謎」も同じ印象で映画化したことに感動をおぼえる。最大の功労者は、主人公を惑わせる役のスティーヴン・ユァンで、登場するだけで、どこかいけ好かない、なのに妙に相手を虜にする「人たらし」な個性を本能レベルで表現。役の心の奥に潜む、他人には明かせない「闇」と、物語の裏で進行する事件が、澱(おり)のように溜まり、スリルを高めるのだ。セックス中に眺める風景や、夕陽をバックに踊る開放感など、一見、何でもない時間に宿る豊穣な味わいは映画ならでは。なぜかNHKで短縮版が先行放映されたが、時間とともに沈殿する怪しさや恐怖、虚しさは、この「劇場版」でこそ体感できる。

⇒映画短評の見方

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴: 1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況: 久しぶりに日本映画の撮影現場に通っている、2019年の年明け。いろいろな意味で物議を呼びそうな作品でもあります。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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