「羅生門」スタイルで描く、ご近所トラブル

2020年12月1日 くれい響 ミセス・ノイズィ ★★★★★ ★★★★★

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ミセス・ノイズィ

“騒音おばさん”をモチーフに、コミカルかつ「羅生門」スタイルで描くご近所トラブル。導入部こそ、再現ドラマ感が強めだが、ちょっとした勘違いとマスコミ、SNSの力によって、小市民がモンスターに仕立てられる現代社会の危うさを描写し、“常識・非常識とは?”をも問う、社会派エンタメに仕上がっていることに驚きだ。一方で、笑いがブラックに走らない点や賛否ありそうなラストなど、天野千尋監督の優しさや人の良さがダダ漏れしている。そして、公開順は逆になってしまったが、『罪の声』に続いて、いわくつきの母親役がハマる篠原ゆき子。今回スランプに陥った小説家というキャラ設定は、ちょっとズルいかも。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『ハッピー・オールド・イヤー』『新解釈・三國志』『新感染半島 ファイナル・ステージ』『イップ・マン 完結』『追龍』『WAR!!!』『眉村ちあきのすべて(仮)』『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、「TV LIFE」にて中村倫也さん、「CREA WEB」にて伊藤沙莉さん、さなりさんなどのインタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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