ベルギー映画らしい、だいぶ不思議な恋物語

まるで、どこかのテーマパークのコピーのようなタイトルだが、独特な映像美や極力抑えたセリフなどから、同じベルギー映画『小便小僧の恋物語』を思い出すSFファンタジー要素満載のラブストーリー。なんせ、『燃ゆる女の肖像』の画家よりも少女性が強調されたノエミ・メルラン演じるヒロインの相手は、オクトパスやトロイカ系といえるアトラクション。ガチな対物性愛者ではあるが、まるで巨大ロボットの掌に包まれているかのようで、オイルまみれになる性愛シーンも、どこかスタイリッシュ。他人から理解されない行為による自我の解放は、同時期公開の『Swallow/スワロウ』にも通じるテーマだけに、観比べるのも一興。